弁護士 浅野由花子
離婚時に取り決める養育費。
夫の不貞が原因で離婚を考えているところ、不貞相手との間に隠し子がいることが判明した、あるいは離婚後に元夫がその子を認知したといったケースは、決して珍しくありません。
このような場合、「私の子への養育費は減ってしまうのか?」という疑問を持たれる方も多いでしょう。
本記事では、夫の隠し子の有無や認知の状況によって、養育費の扱いがどう変わるのかを解説します。
養育費は、夫婦の収入、子の人数、年齢などを基に「養育費算定表」(https://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/index.html)に基づき決定されるのが一般的です。
ここで重要なのは、「扶養すべき子の人数」が金額に大きな影響を与えるという点です。
つまり、夫に他にも扶養義務のある子どもがいれば、1人の子に割り当てられる金額は減る傾向にあります。
以下では、具体的なケースに分けてご説明します。
まず、婚姻中に生まれた子は戸籍上「嫡出子」とされ、特別な手続きを経ずとも、法的に親子関係が認められます。
しかし、隠し子については、夫は不貞相手と婚姻関係にないため「非嫡出子」となり、認知されない限り、法的な親子関係が認められません。
仮に夫に認知済みの隠し子がいた場合、隠し子と夫は法律上の親子関係を有することになります。そして、扶養義務は子の親であることから生じる義務であるため、妻の子と同様に隠し子も夫の扶養義務の対象となります。
この場合、夫の「扶養すべき子の数」が増えたものとして、養育費の算定において考慮されることとなります。
算定についてですが、一般的には、夫が隠し子に養育費を払っているか否か、その具体的な金額に関係なく、夫の支払うべき養育費が算定されることとなります。夫はそれぞれの子に対し適正な養育費を支払う法的義務があるからです。
ただし、これには様々な考え方があるほか、不貞相手の年収、夫の年収等の個別事情も考慮されますため、弁護士に相談されることをおすすめします。
このケースでは、離婚後に「元夫に新たな扶養義務が発生した」ことになります。そして、養育費算定表において「子1人」のケースから「子2人」に変更されると、養育費を支払う非監護親の生活費の余力が減少することとなります。
そのため、離婚後に事情変更が生じたとして、現在支払っている養育費の減額を元夫が申し出てくることが考えられます。
しかし、養育費は一度当事者間で取り決めをした以上、勝手に変更することはできません。
養育費の金額を変更するためには、
・当事者間で再度養育費の金額を合意するか、
・養育費減額調停等を申立て、改めて養育費の金額を取り決める必要があります。
そして、実際にいくら減額されるかは、前述のとおり、不貞相手の年収、元夫の年収、扶養状況等の個別事情が関係しますため、弁護士に相談されることをおすすめします。
離婚時に夫が隠し子を認知していなかった場合、法的な親子関係は存在せず、隠し子は夫の扶養すべき子として扱われません。したがって、離婚時における養育費の算定に影響を与えることはありません。
ただし、将来的に夫(元夫)がその子を認知する可能性が存在することに留意しなければなりません。仮に認知すれば、前述のとおり、養育費の減額を申し立ててくることが考えられます。
不貞相手に隠し子がいる場合のおおまかな養育費については、「養育費算定表」(https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html)を参考に把握することができます。
仮に、夫の年収が1200万円、妻の年収が300万円、妻の子が1人(10歳)、隠し子が1人(5歳)いたと仮定します。
この場合には、「表3:養育費・子2人表(0~14歳)」(https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file5/youiku-3.pdf)を参照すると、養育費は16~18万円の範囲に収まると考えられます。
そして、子供の数である2で割ると、8~9万円となり、妻の子が受け取る大体の養育費が把握できます。
仮に、隠し子がいなかった場合、「表1:養育費・子1人表(0~14歳)」(https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file5/youiku-1.pdf)を参照すると、妻の子が受け取る養育費は大体12~14万となります。
このように、隠し子がいる場合といない場合とで、受け取る養育費に差が生じる結果となります。
※なお、これは不貞相手の年収を考慮しない場合における大体の目安です。実際には、不貞相手の年収を反映して計算するため、厳密な計算結果とは異なりますことをご承知おきください。
このように、隠し子の存在も養育費の算定にあたり考慮される事情となります。
算定表はあくまで目安に過ぎず、養育費の計算については、ケースによって異なりますため、養育費の取り決めや見直しにお悩みの際は、個別の事情に応じた適切な対応が必要となります。ぜひ一度ご相談ください。
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