離婚,不倫慰謝料のご相談なら経験豊富な愛知県名古屋市の離婚弁護士へ

弁護士法人 名古屋総合法律事務所

名古屋・丸の内事務所

地下鉄 鶴舞線・桜通線
丸の内駅4番出口徒歩2分

金山駅前事務所

金山駅
南口 正面すぐ

一宮駅前事務所

名鉄一宮駅・尾張一宮駅
徒歩5分

岡崎事務所

JR岡崎駅
徒歩5分

相談予約専用フリーダイヤル0120-758-352

離婚の歴史

土志田 佳枝(名古屋総合法律事務所事務員)

すこし前のことになりますが、ヨーロッパの古い時代の婚姻制度について書いたことがあります。古いとはいっても、せいぜい16世紀の初めから18世紀の終わりごろまでのフランス近世の婚姻制度の歴史についてです。ご存じのとおり、カトリック教会の影響の強いヨーロッパではすでに中世には離婚ができなくなっていました。

しかし、ルターによってドイツで宗教改革がはじめられると、その影響はフランスにも波及します。ただし、ドイツのプロテスタント諸国がはやくから離婚を認めたのに対して、カトリック教会の長女と言われたフランスの国王はカトリックと同様にプロテスタントにも離婚を決して認めませんでした。ついにフランスで離婚制度が公に誕生したのは、1789年に勃発したフランス革命時代のことです。つまり、1792年9月20日の離婚法が議会で可決されるまで、フランスには離婚法が存在しなかったのです。

ふつう離婚の歴史を語る際には、このフランス革命期の離婚法とナポレオンの民法典(1804年)の離婚規定に着目するのが一般的です。しかし、ここではあえて離婚法が誕生するまでの長い長い前夜に目を向けてみたいと思います。これから全14回にわたって連載していきます。

第4話  原告は被告の法廷にしたがう(actor sequitur forum rei)

花に隠れるノートル・ダーム大聖堂
今回もひきつづき婚姻に関する裁判管轄権の問題についてお話ししようと思います。

前回は、婚姻にかんする紛争という事案に着目してお話ししましたが、今回は、ではいったい原告はどこの裁判所の裁判官に訴えたらよいのかという視点から見ていきたいと思います。

この問題は、原告と被告が異なる宗教のとき(カトリックとプロテスタントによる混合婚の場合)に問題となります。

16世紀後半に混迷をきわめたフランスの政治闘争は、カトリック教徒とユグノーと呼ばれたフランスのプロテスタント教徒との国を二分するような深刻な宗教上の対立が引き金となっていました。しかし、もともとプロテスタントであったアンリ四世が1593年7月カトリックへ改宗し、翌年1594年2月国王としてシャルトルで聖別式(戴冠式)を行い、1598年4月には「ナントの勅令」が世に出されたことによって、事態は終息へと向かいます。

ここではフランスの宗教戦争の和平条約(休戦条約)でもある「ナントの勅令」に付帯的につけられた個別条項のなかから、とある条文をとりあげてみましょう。以下の条文の翻訳には、少し補足を加えてあります。( )は前の語の言いかえをあらわし、〔 〕は次の語を補ったものです。

(個別条項41条)当該宗教の者(プロテスタント)たちによって行われ、そして取り交わされた婚姻の有効性について判断し、婚姻が合法かどうかを決定するためには、当該宗教の者(プロテスタント)が被告ならば、この場合には、国王の裁判官が当該婚姻の事実の裁判権を有する。そして、当該宗教の者(プロテスタント)が原告で、被告がカトリックの場合には、その裁判管轄権は教区裁判官であり、〔カトリック〕教会の裁判官に属する。

まず、原告も被告もカトリックの場合には、婚姻の有効性にかんする判断は、カトリック教会の教区裁判所で行われます。これは条文には書かれていませんが、当時は自明のことであったということができます。

次に、原告がプロテスタントで被告がカトリックの場合には、カトリック教会の教区裁判所で判断されます。反対に、原告がカトリックで被告がプロテスタントの場合には、いったいどの裁判所が判断すべきでしょうか。「ナントの勅令」個別条項41条は、国王の裁判所であると言っています。

前回少しお話ししたように、このころ既に婚姻が秘蹟であるとは考えていなかったプロテスタントたちは、プロテスタント教会の宗務局によって自分たちの婚姻にかんする紛争を受理するため、カトリックのカノン法とは異なる教義を整備していました。

しかし、フランス国王はプロテスタントの宗務局に対し決して婚姻の裁判管轄権を認めませんでした。その後もずっとそうです。すなわち、カトリックの教区裁判所、プロテスタントの宗務局、そして世俗の国王裁判所のいずれが、婚姻に関する紛争を裁くことができるのか。この問題について、個別条項41条はその後の既定路線となる規則をうちたてたのです。

つまり、この条文は世俗国家による婚姻の裁判管轄権の主張です。そして、それを確立していく過程において、国家がプロテスタントの婚姻にたいする裁判管轄権を要求したことは、プロテスタントの婚姻がもはや秘蹟ではなく、民事上の契約であると考えられたがゆえの当然の帰結だったのです。

なお、約百年後、1685年10月に「ナントの勅令」はルイ一四世によって廃止されます。その数年前の1680年、カトリック教会から建言をうけたルイ一四世は、同年11月の勅令によって、プロテスタントとカトリックの婚姻を禁止していました。カトリックとプロテスタントの婚姻をそもそも禁止することで、婚姻の裁判管轄権の抵触問題は封じられようとしたのです。

【写真】花に隠れるノートル・ダーム大聖堂
パリのシテ島にあるノートル・ダーム大聖堂の裏手には小さな公園があります。この大聖堂から少し歩くと裁判所(パレ・ド・ジュスティス)があります。フランスの民事事件と刑事事件の最高裁判所である破毀院(はきいん)もこの一角にあります。なお、日本とは異なり、フランスには行政裁判所があります。行政事件の最高裁判所であるコンセイユ・デタ(国務院)や憲法院はシテ島からセーヌ川を右岸に渡ったルーヴル美術館の近く、コメディー・フランセーズという歴史ある劇場の両隣にあります。
(2012年12月14日)

土志田 佳枝(名古屋総合法律事務所事務員)
【論文】
アンシャン・レジームにおけるプロテスタントの婚姻(一)フランス婚姻法の法制史的研究」名古屋大学法政論集240号(2011年)101-157頁
アンシャン・レジームにおけるプロテスタントの婚姻(二・完)フランス婚姻法の法制史的研究」名古屋大学法政論集241号(2011年)55-105頁

電話
0120-758-352
通話料無料 電話受付 6:00-22:00
メールとLINEは24時間受け付けております

【ご相談予約専門ダイヤル】

0120-758-352

平日・土日祝 6:00-22:00

【相談時間のご案内】

平日 9:00-18:30
夜間 17:30-21:00
土曜 9:30-17:00

※夜間相談の曜日は各事務所により異なります

詳しくはこちら▶

電話・オンライン相談はじめました

LINE予約はじめました

相談票はこちら

女性のための離婚相談

男性のための離婚相談

相談実績

離婚ブログ

専門チームの紹介

サブコンテンツ

  • 離婚の歴史2
  • 離婚の歴史3
  • 離婚の歴史4
  • 離婚の歴史5
  • 離婚の歴史6
  • 離婚の歴史7
  • 離婚の歴史8
  • 離婚の歴史9
  • 離婚の歴史10
  • 離婚の歴史11

■ 事務所について

メインコンテンツ

メインコンテンツ

事務所概要

名古屋総合リーガルグループは名古屋市内で、丸の内事務所・金山駅前事務所・一宮駅前事務所の3拠点・相談センターで弁護士・税理士・司法書士・社会保険労務士の相談を受けられます。
岡崎事務所でも電話・オンライン相談を受けられます。皆様のご都合に合わせてご利用ください。

4拠点 イメージ

【名古屋・丸の内事務所】
〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号 メットライフ名古屋丸の内ビル6階(旧丸の内STビル)

【金山駅前事務所】
〒456-0002
名古屋市熱田区金山町一丁目7番8号
電波学園金山第2ビル5階

【一宮駅前事務所】
〒491-0858
愛知県一宮市栄一丁目11番16号
マースビル6階

【岡崎事務所】
〒444-0813
愛知県岡崎市羽根町字北ノ郷45番地

予約受付時間
平日・土日祝 6:00~22:00

初めての方専用フリーダイヤル 0120-758-352 TEL052-231-2601 FAX052-231-2602

アクセスはこちら

事務所外観

丸の内事務所外観

名古屋・丸の内エリア

名古屋丸の内事務所

金山事務所外観

金山エリア

金山駅前事務所

一宮事務所外観

一宮エリア

一宮駅前事務所

岡崎事務所外観

岡崎エリア

岡崎事務所

より良いサービスのご提供のため、離婚相談の取扱案件の対応エリアを、下記の地域に限らせて頂きます。
愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村),一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町))
愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)
愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村))
岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))
三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))
三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)
静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)

2024年4月

令和6年4月25日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。

令和6年4月10日に名古屋家庭裁判所に婚姻費用分担調停申立事件 について家事調停を申立てました。

令和6年4月3日に名古屋家庭裁判所岡崎支部に離婚請求事件 について審判が出ました。

令和6年4月2日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。

令和6年4月2日に岐阜家庭裁判所に離婚等請求事件 について審判が確定しました。

令和6年4月1日に名古屋家庭裁判所一宮支部に離婚等請求事件 について人事訴訟を提起しました。

Copyright © 名古屋総合リーガルグループ All right reserved.
運営管理:名古屋総合法律事務所 弁護士 浅野了一 所属:愛知県弁護士会(旧名古屋弁護士会)

〒460-0002愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号 メットライフ名古屋丸の内ビル6階(旧丸の内STビル) TEL: 052-231-2601(代表) FAX: 052-231-2602 初めての方専用フリーダイヤル:0120-758-352
■提供サービス…交通事故,遺言・相続・遺産分割・遺留分減殺請求・相続放棄・後見,不動産・借地借家,離婚・財産分与・慰謝料・年金分割・親権・男女問題,債務整理,過払い金請求・任意整理・自己破産・個人再生,企業法務,契約書作成・債権回収,コンプライアンス,雇用関係・労務問題労働事件,対消費者問題,事業承継,会社整理,事業再生,法人破産■主な対応エリア…愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村),一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町)愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市) 愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村)) 岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,恵那市,中津川市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)