日本では、明治民法において離婚給付の規定は設けられず、判例法が、夫の虐待や侮辱を理由とする離婚について、虐待・侮辱行為によって生じた精神的損害の賠償という形で(大判明41・3・26民録14輯403貢)、あるいは離婚したこと自体から被る損害の賠償という形で(東京控判昭11・10・2新聞4089号7貢など)、一定の救済を図ったに過ぎませんでした。
第2次世界大戦後の昭和22年の民法改正により、初めて離婚給付が「財産分与」として制度化されました。
この民法改正の国会審議において、女性議員は妻の内助の功に報いるために、夫婦財産制として婚姻中の所得について夫婦の共有とすべき案を出しましたが、採用されませんでした。
そして夫婦別産制の下で内助の功は、配偶者相続権と離婚の際の財産分与の中で考慮される形に落ち着きました。
したがって、夫婦財産制と財産分与は密接な関係にあります。すなわち、婚姻中の妻の家事労働など婚姻財産形成への寄与・貢献は、財産分与の中で評価され、それに見合った財産が寄与者に分配されることを意味します。
他方、連合国軍総司令部(GHQ)は家庭の民主化を進めるために、財産分与を夫婦財産の清算とし、夫婦平等の見地から2分の1を基準として明記するよう日本政府に要請しました。しかし、政府はこの基準に抵抗し、民法第768条にあるように概括的な規定にしたのです。
婚姻制度の在り方を検討してきた法制審議会は、平成8年2月、法務大臣に民法改正案要綱を答申し、それに沿って法務省は法案の国会提出を目指しました。
その要綱の主な内容は、
などです。財産分与に関しては、民法改正案要綱では、現在よりも詳細な考慮事項を列挙し、原則として平等な割合による分与を規定しました。
法務省民事局参事官室の説明では、対象財産として「退職金など将来において取得が期待できる財産」も、「婚姻中の夫婦の協力によるものと評価する部分」は対象になりうると一歩踏み込んでいます。(要綱試案の説明248~50貢)。
この民法改正要綱については、家族の一体感を損ね家庭を崩壊させる、といった強い反対意見があり、政府の法案提出は先送りされています。また議員立法を目指して、民法改正案の提出はされているが、成立には至っていません。
しかしこの民法改正要綱は、裁判実務にかなりの影響を及ぼしています。
この民法改正要綱により、裁判実務では、財産分与について、原則2分の1ルールが確立し、
原則2分の1と異なる主張をする方に、主張立証責任が事実上課せられているという状況です。
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令和6年4月25日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月10日に名古屋家庭裁判所に婚姻費用分担調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月3日に名古屋家庭裁判所岡崎支部に離婚請求事件 について審判が出ました。
令和6年4月2日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月2日に岐阜家庭裁判所に離婚等請求事件 について審判が確定しました。
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