離婚,不倫慰謝料のご相談なら経験豊富な愛知県名古屋市の離婚弁護士へ

弁護士法人 名古屋総合法律事務所

名古屋・丸の内事務所

地下鉄 鶴舞線・桜通線
丸の内駅4番出口徒歩2分

金山駅前事務所

金山駅
南口 正面すぐ

本山駅前事務所

本山駅
3番出口すぐ

岡崎事務所

JR岡崎駅
徒歩5分

相談予約専用フリーダイヤル0120-758-352

財産分与と割合

財産分与

1.財産分与について

民法768条1項は、「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。」と規定します。

最判昭和46年7月23日によれば、「離婚における財産分与の制度は、夫婦が婚姻中に有していた実質上共同の財産を清算分配し、 かつ、離婚後における一方の当事者の生計の維持をはかることを目的とするもの」です。

婚姻期間中に形成した財産は、たとえ名義が夫婦のうちどちらかのものであっても実質的共有財産として、財産分与の対象となります。

2.財産分与の割合

実務においては、財産分与の割合は特段の事情がない限り平等を原則とし、寄与度の差が大きく、これを実質的に考慮しないと実質的に公平といえない場合を例外としています。

では、どのような場合が例外にあたるのでしょうか。参考となる裁判例を紹介します。

⑴ 生活費は夫婦で分担し、家事育児はほとんど妻が負担している場合
(東京家裁審判平成6年5月31日)

●事例の紹介

妻が童話作家、夫が画家として活動し、妻には夫の何倍もの収入があった夫婦の事案です。

夫婦は婚姻後もそれぞれが各自の収入、預貯金を管理し、共同生活の支出の負担については明確な取り決めはなかったものの、集金の際その場に居合わせた者が負担していました。
おおむね、固定資産税、銀行ローン、光熱費、火災保険料、長女の私立高校から大学(短大)までの学費等は夫がその収入によって負担し、 食費、共用部分の付器備品、長女のベビーシッター代、長女の幼稚園から、小学校、私立中学校までの学費、長女の被服費、家族の海外旅行費用、 長女の成人式、結婚式の費用等は妻がその収入によって負担していました。
家事労働、育児については、夫が長女の乳児期に世話をしたことがあるものの、妻がほぼ全面的に担当しました。

東京家裁は、「本件清算的財産分与の清算割合は、本来、夫婦は基本的理念として対等な関係であり、財産分与は婚姻生活中の夫婦の協力によって形成された 実質上の共有財産の清算と解するのが相当であるから、原則的に平等であると解すべきである。しかし、前記認定の申立人と相手方の婚姻生活の実態によれば、 申立人と相手方は芸術家としてそれぞれの活動に従事するとともに、申立人は家庭内別居の約9年間を除き約18年間専ら家事労働に従事してきたこと、 及び、当事者双方の共同生活について費用の負担割合、収入等を総合考慮すると、前記の割合を修正し、申立人の寄与割合を6、相手方のそれを4とするのが相当である。」と判断しました。

●裁判例の分析

この裁判例から、共働きであるのに、家事労働をどちらかが全面的に担っていたという事情は財産分与において考慮されると言えます。

しかし、妻の方が夫よりも何倍も収入があり、かつ家事育児全般を担っていても、分与の割合が6割しか認められなかったことから、 裁判所は原則平等の姿勢をなかなか崩すことはないと言えると思われます。

⑵ 夫婦の一方に特別な資格や能力があり、それにより多額の収入を得ていた場合
(大阪高判平成26年3月13日)

●事例の紹介

夫が医療法人の医師であり、財産分与対象財産は3億円であった事案です。妻は家事育児と医療法人の経理も一部担当していました。

大阪高裁は、妻の財産形成における寄与割合が5割を下ることはないとの主張に対し、「控訴人(夫)が平成4年2月3日に被控訴人(妻)との婚姻届出をするまでに、 医師の資格を取得し、技能を身に付けるため、大学医学部に入学するための受験勉強、入学後の勉学、昭和61年に医師資格を取得するまでの勉学及び医師資格を取得した後の いわゆるインターンとしての厳しい勤務経験などの被控訴人の協力を得ずにしてきた努力によって培われた知識、技能、及び、婚姻後に身を粉にして必死に稼働し費やしてきた 多大な労力や経験が高額の収入確保に繋がっている面があることを不当に軽視するものであって、採用することができない。」として、財産分与の割合を夫が6、妻が4としました。

なお、「被控訴人(妻)も家事や育児だけでなく診療所の経理も一部担当していたことを考えると、被控訴人の寄与割合をこれ以上減ずることは、上記の両性の本質的平等に 照らして許容しがたい。」としています。

●裁判例の分析

この裁判例においては、医療法人が所有する財産は、婚姻共同財産であった法人化前の診療所にかかる財産に由来し、これを活用することによって増加したと評価されたため、 医療法人の純資産評価額の7割が財産分与の対象とされました。

そのため、財産分与の対象額が大きくなった事案です。したがって、財産分与の対象額が大きくなければ同じ結論になったかどうかは疑問が残ります。

特別な資格があれば必ず財産形成における寄与割合が大きくなるとは言えず、原則平等ということには変わりがないと考えられます。

3.おわりに

たとえ夫婦の一方の収入が多く、一方の収入がほとんどなかったとしても、一方が収入を得られるのは、もう一方が家事や育児を担っているからという場合も少なくありません。

夫婦の生活においては、金銭換算できない労力も多々含まれます。財産形成の寄与割合を算定するのは困難です。財産分与の割合が原則平等というのは今後も動かないと考えられます。

電話
0120-758-352
通話料無料 電話受付 6:00-22:00
メールとLINEは24時間受け付けております

離婚相談初めての方 まずはこちらをクリック | ご相談予約専用ダイヤル:0120-758-352 | 受付時間:平日・土日祝 6:00~22:00 | 相談時間:平日 9:00~18:30  火・水・木夜間相談 17:30~21:00  土曜相談(毎週土曜日) 9:30~17:00 夜間相談の曜日は各事務所により異なります 詳しくはこちら

電話・オンライン相談はじめました

LINE予約はじめました

相談票はこちら

女性のための離婚相談

男性のための離婚相談

相談実績

離婚ブログ

専門チームの紹介

サブコンテンツ

  • 離婚事務スタッフのあれこれ(9)お問い合わせ内容編⑧
  • 離婚事務スタッフのあれこれ(8)お問い合わせ内容編⑦
  • 離婚事務スタッフのあれこれ(7)お問い合わせ内容編⑥
  • 急がば回れの面会交流
  • 風俗店の利用と不貞行為
  • 財産分与と割合
  • 財産分与で会社・法人の財産を分けられるか
  • こども家庭庁の発足とこども基本法
  • 面会交流の取り決めが守られない場合に取りうる手段
  • 面会交流~第三者機関について~
  • 夫婦の別居中の生活費、婚姻費用
  • 親権者の指定に関し興味深い裁判例が出されました
  • 嫡出推定と嫡出否認の改正について
  • 離婚と財産分与
  • 養育費の取り決めの公正証書作成費用の補助がある!?
  • 離婚すると言われたから付き合ったのに・・・婚姻関係破綻の抗弁
  • 配偶者の不貞相手に対して、離婚についての慰謝料請求をすることができるか
  • 婚姻費用に関し興味深い審判が出されました
  • 面会交流に関する直近の裁判例について
  • 裁判例から見る養育費の取り決めにあたって注意したい事項
  • 電話で離婚調停
  • いわゆる夫婦財産契約、夫婦間の契約の有効性
  • 年金の分割請求の時期について
  • 子どもの手続き代理人って?
  • これって悪意の遺棄じゃないですか?
  • こっそり貯めたヘソクリは自分のもの?
  • 弁護士に離婚相談をする時期はいつが良いか
  • 離婚後の公的扶助のお話
  • 不貞行為の仕返しに会社に暴露!は不法行為になるか
  • 再婚と養育費の減額との関係性
  • 財産分与に譲渡所得税はかかるの?
  • 離婚の前にお子様のために知っておきたいこと
  • 「どのような場合に面会交流を制限・禁止すべき?」
  • 押さえておこう、離婚後の手続について①
  • 婚姻費用・養育費・不貞行為の慰謝料は破産で免責されてしまうの?
  • 年金受給者から、婚姻費用・養育費を貰う場合
  • その子は誰の子!?
  • 共同親権がトレンドワードに
  • 人口動態統計から見る同居期間と離婚②
  • 人口動態統計から見る同居期間と離婚
  • 面会交流 ―よくあるお話―
  • 「次また浮気したら、慰謝料ね!」は可能?
  • 高額所得者の婚姻費用の分担はどのくらい?
  • 離婚時年金分割についての主な注意点
  • 離婚相談お電話でよくある問い合わせ
  • 婚姻届と提出者
  • 同性同士の不倫は「不貞行為」に該当するか?
  • 養育費の逃げ得は許さない!?
  • 勝手に出産・損害賠償
  • 「ハンコ廃止」の流れで婚姻届・離婚届も「脱ハンコ」?
  • 面会交流の交渉
  • 新型コロナウイルスと家庭への影響
  • 元夫から元妻へ、建物の明渡請求が認められるか?
  • 生活費の計算対象に特有財産からの賃料などは含まれるか
  • 無断出産と自己決定権
  • 離婚後の姓と戸籍
  • 日本の離婚は増加しているのか!?
  • 芸能人の浮気、不貞報道について
  • 養育費の不払いと行政の新しい施策
  • 養育費等の算定基準の改訂について
  • 婚姻費用の合意と裁判への訴え
  • 既に婚姻関係が破綻していると聞いていた場合の慰謝料請求(後編)
  • 凍結保存した受精卵を無断使用した場合の親子関係
  • 既に婚姻関係が破綻していると聞いていた場合の慰謝料請求(前編)
  • 子の引き渡し手続の明確化と今後の課題
  • 不倫相手への離婚慰謝料請求に関する最高裁判所判決
  • 養育費の不払い補填制度
  • 小さなお客様
  • 国際離婚をするとき、どこの国の法律が使われる?
  • 離婚に伴う離縁
  • 面会交流に係る費用負担
  • 婚姻費用算定表、こんなときどうやって算定するの?~住宅ローンを支払っている場合~
  • 離婚したい夫と離婚したくない妻 ~有責配偶者からの離婚請求~
  • 財産分与による所有権移転に伴う不動産取得税・登録免許税と贈与税
  • 浮気の時効
  • 離婚相談の電話よくある話その1~婚姻期間が短い離婚~
  • 離婚相談の電話よくある話その2~妻のモラハラ・DVで離婚したい夫~
  • 新型コロナウイルスと面会交流【法務省の見解】

■ 事務所について

メインコンテンツ

メインコンテンツ

事務所概要

名古屋総合リーガルグループは名古屋市内で、丸の内事務所・金山駅前事務所・本山駅前事務所の3拠点・相談センターで弁護士・税理士・司法書士・社会保険労務士の相談を受けられます。
岡崎事務所でも電話・オンライン相談を受けられます。皆様のご都合に合わせてご利用ください。

4拠点 イメージ

【名古屋・丸の内事務所】
〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号 メットライフ名古屋丸の内ビル6階(旧丸の内STビル)

【金山駅前事務所】
〒456-0002
名古屋市熱田区金山町一丁目7番8号
電波学園金山第2ビル5階

【本山駅前事務所】
〒464-0807
名古屋市千種区東山通1丁目33番地
エイブル本山1階

【岡崎事務所】
〒444-0813
愛知県岡崎市羽根町字北ノ郷45番地

予約受付時間
平日・土日祝 6:00~22:00

初めての方専用フリーダイヤル 0120-758-352 TEL052-231-2601 FAX052-231-2602

アクセスはこちら

事務所外観

丸の内事務所外観

名古屋・丸の内エリア

名古屋丸の内事務所

金山事務所外観

金山エリア

金山駅前事務所

岡崎事務所外観

岡崎エリア

岡崎事務所

本山事務所外観

千種エリア

本山駅前事務所

対応マップ

より良いサービスのご提供のため、離婚相談の取扱案件の対応エリアを、下記の地域に限らせて頂きます。
愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村),一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町))
愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)
愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村))
岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))
三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))
三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)
静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)

2024年1月

令和6年1月22日に名古屋家庭裁判所にて婚姻費用分担審判申立事件について審判が出ました。

令和6年1月22日に名古屋家庭裁判所岡崎支部にて婚姻費用分担調停申立事件について調停が成立しました。

令和6年1月24日に名古屋家庭裁判所にて婚姻費用分担調停申立事件について調停が成立しました。

令和6年1月25日に名古屋家庭裁判所半田支部にて執行官に子の引渡しを実施させる決定申立事件について決定が出ました。

令和6年1月25日に岐阜家庭裁判所にて婚姻費用分担調停申立事件について調停が成立しました。

令和6年1月31日に名古屋高等裁判所にて強制執行停止申立事件(特別抗告提起事件)について決定が出ました。

令和6年1月31日に名古屋高等裁判所にて強制執行停止申立事件(抗告棄却申立事件)について決定が出ました。

Copyright © 名古屋総合リーガルグループ All right reserved.
運営管理:名古屋総合法律事務所 弁護士 浅野了一 所属:愛知県弁護士会(旧名古屋弁護士会)

〒460-0002愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号 メットライフ名古屋丸の内ビル6階(旧丸の内STビル) TEL: 052-231-2601(代表) FAX: 052-231-2602 初めての方専用フリーダイヤル:0120-758-352
■提供サービス…交通事故,遺言・相続・遺産分割・遺留分減殺請求・相続放棄・後見,不動産・借地借家,離婚・財産分与・慰謝料・年金分割・親権・男女問題,債務整理,過払い金請求・任意整理・自己破産・個人再生,企業法務,契約書作成・債権回収,コンプライアンス,雇用関係・労務問題労働事件,対消費者問題,事業承継,会社整理,事業再生,法人破産■主な対応エリア…愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村),一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町)愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市) 愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村)) 岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,恵那市,中津川市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)