離婚後、元配偶者からの養育費はなく、生活のための収入を確保することが難しい場合には公的保護の1つである生活保護の受給を検討しましょう。
生活保護とは、諸事情により生活に困窮した者に対して、国から最低限度の生活を送るための生活保護費を受給して、自立のための生活基盤を整える制度です。
実際の生活保護の制度は居住地の福祉事務所により運営されていますから、離婚後の生活に困窮した場合には、まずは居住地の福祉事務所の窓口に相談してみましょう。
今回は生活保護の受給の要件・手続などについて解説します。
生活保護は世帯の構成員あるいはその扶養義務者の力だけでは、どうしても自立した生活を送ることができない場合において、はじめて受給することができるものです。
そのため、生活保護を受給するためには、現金に換えることができる財産は売却し、働ける場合には働き、扶養義務者による扶養の受けられる場合にはまずはそちらを頼りにした上、それでもなお生活できないことが条件になります。
生活保護を受給するケースの典型は、何らかの理由により労働能力を喪失しており、売却できる資産や扶養をあてにできる親族もいない場合です。
それでは、生活保護を受給するためには、現在居住している自宅や使用している自動車を必ず手放す必要があるのでしょうか。
実は生活保護を受給する場合でも自宅や自動車を処分する必要のない場合があります。
そもそも生活保護の制度は自力での生活が可能であるなら、まずはそれを試みるべきとの考え方から資産の処分を優先させています。
ですから、たとえば全く価値のない自宅を保有しているような場合には、二束三文のために居住する場所を奪うことは適切ではありません。
また、どうしても自動車を必要とする場所に住んでいる場合や仕事のために自動車の使用は不可欠であるような場合に自動車を奪うことはむしろ自立した生活の妨げになります。
そのような理由から、一定の条件を満たせば、自宅などの不動産や自動車を処分することなく生活保護を受給することが認められているのです。
生活保護を受給を希望する場合、どのような手続を踏めばよいのでしょう。
まずは最寄の福祉事務所に相談しましょう。
そこで自分の生活の困窮状況を説明して、生活保護を受給できる見込みのある場合には受給申請の手続を促されます。
そして、生活保護を受給するための申請書類を作成・提出した後、所定の調査を経て、認められれば受給開始となります。
なお、生活保護は扶養義務のある親族の援助でも生活できない場合の最終手段として位置づけられているため、生活保護を受給する際には扶養義務者に対する調査が行われます。
それでは、実際に生活保護を受給することになった場合、どの程度の扶助を受けることができるのでしょうか。
具体的に受給できる生活保護費は国の定めた最低限の生活費と世帯収入との差額になります。
国の定める最低限の生活費は、居住する地域、世帯人数及び年齢構成その他母子家庭・障害者・妊婦などの特別の事情に応じた加算により決まります。
詳しくは最寄りの福祉事務所において確認してください。
離婚すれば夫婦それぞれ独立した家計での生活を送ることになりますから離婚後の収入の確保の問題は重要です。
特に、婚姻中に外での仕事をしていなかった専業主婦・主夫はもとより、家計を助けるためにパートやアルバイトによる少額の収入を得ていただけの人は離婚後の生活に困り果ててしまう危険があります。
どうしても生活するための収入を確保できないときは生活保護の受給を検討しましょう。
生活保護の制度は各地方自治体の福祉事務所により運営されていますから最寄りの福祉事務所の窓口に相談できます。
生活保護を受給する場合には、原則として、家や車を保有し続けることはできません。
しかし、ほとんど価値のない家や立地上、車の使用をどうしても必要とする場合など特別の事情のあるときには家や車を手放すことなく生活保護を受給できます。
生活保護の受給額は居住する地域や世帯の人数・年齢構成などにより決まります。
離婚後の収入確保の目途を立てられないために離婚に踏み切れない人もいることでしょう。
とはいえ、そのような場合でも最終手段として生活保護を受給するという選択肢のあることを頭の片隅に置いておきましょう。
事務所外観
令和6年4月25日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月10日に名古屋家庭裁判所に婚姻費用分担調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月3日に名古屋家庭裁判所岡崎支部に離婚請求事件 について審判が出ました。
令和6年4月2日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月2日に岐阜家庭裁判所に離婚等請求事件 について審判が確定しました。
令和6年4月1日に名古屋家庭裁判所一宮支部に離婚等請求事件 について人事訴訟を提起しました。
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