2012年10月13日(土)、14日(日)に第35回大須大道町人祭がありました。
写真に写っている「おいらん」は、一般参加募集で選考された18際以上の女性、「かむろ(遊女見習いの幼女)」は5歳より10歳の女子です。

花魁(おいらん)とは遊郭の遊女で位の高い者のことをいいます。
遊郭とは、公許の遊女屋を集め、周囲を塀や堀などで囲った区画をいいます。
安政5年(1858年)に北野新地－現在の大須観音の北の区画－に役者や芸人を集めたのが始まりで、その後明治7年(1874年)には公認の遊郭になり、明治8年(1875年)には、拡張のため西大須に移転しました。
北野新地があった日之出町に因んで「旭廊」（あさひろう）と名付けられました。
明治10年(1877年)には105軒ほどの妓楼が立ち並び、娼妓318人、芸妓112人が働く公認の遊郭となりました。

これらの娼妓らの多くは、東京とその周辺、東北、そして愛知・三重・静岡などの東海地方出身者とのことです。
親や夫から、借財のために売られて来たり、娼妓あるいは奉公を条件に借財契約をさせられて売られてきたのです。

公認の遊郭から、外に出ることは至難のわざでした。
北野新地の旭遊郭は、大正12年(1923年)に、愛知県の政策により。当時の名古屋市の旧市街地のほぼ中心の位置から西に離れた愛知郡中村(現在の名古屋市中村区大門一帯)に移転し、大須から遊郭が姿を消したのです。

大須大道町人祭の花魁道中は、多くの観客の中でパレードが行われました。
花魁道中、花魁行列は、各地のお祭りでよく行われています。
名古屋市大須の他にも、愛知県内では、豊川市赤坂雨乞い祭り、豊川市国府祭りがあります。
お祭りで花魁道中、花魁行列がされるごとに、批判的な意見も強いと思います。私は「花魁」、「遊郭」の意味、歴史から、この道中・行列を見ると、とても悲しい気持ちになります。 当時は、貧民が「生きる」のがとても厳しい社会でした。したがって、中には、自分の意思で―自分一人の力では生きていけないために、自ら身を売ることを選択した人もいたでしょうが、それはほんのわずかで、大半が親や兄弟、夫によって売られて来たのです
かって、アメリカ大陸の黒人奴隷は、アフリカ大陸で奴隷狩りに会い、ゴレ島から奴隷船に押し込まれ、二度とアフリカの大陸を踏む事はなかったのです。「終わらない旅の扉」なのでした。
私には、花魁・遊郭とアフリカからアメリカ・中南米に売られた黒人奴隷・農場とが二重写しになるのです。

A女は、バツイチのB夫さんと平成○年結婚しました。B夫さんには先妻との間にお子さんが二人いて、お子さんは四国の前妻の実家近くで生活しておりました。
結婚して数年経過した平成○○年のゴールデンウイークにB夫さんの携帯に夜中頻繁にメールが来るようになりました。
携帯メールの差出人名はアルファベット名で、「５分だけでいいから会いたい。」とありました。

その年６月B夫は、会社の上司とアメリカに行く出張に出ました。この頃からB夫は、毎週水曜日は外食するようになりました。
そして、９月のある日A女は、名古屋市中心部の栄近くのマンションの駐車場に、B夫さんが使用していた会社の社用車が止まっているのを偶然見つけてしまいました。
とても、OLがお給料で生活して借りられるマンションではないという思いがつのりました。
A女さんとB夫さんとの夫婦関係は平成○○年頃から減っていき、次第にB夫さんはA女さんに性交渉を求めなくなりました。そして、別居にいたりました。

私はA女さんから依頼され、調査しました。B夫さんは、OLのCさんが、名古屋市中区栄近くのマンションを借りるのに援助していたのです。
さきほどのアメリカ旅行だけでなく、翌年にはヨーロッパにもB夫さんの出張に合わせて一緒に出かけていました。いわば「援助交際」でした。
ところで、B夫さんが「援助交際」していたのはCさんだけではありませんでした。

私は、離婚調停で、B夫さんと関係者の出入国記録、クレジットカード使用記録、宿泊記録などの取り寄せを行ったのです。

A女から依頼があったときは、Cさんは他の男性と既に結婚しておりましたが、結婚してからもB夫さんと交際を続けていたのです。
B夫さんは、A女さんに、Cさんの慰謝料分も支払い調停離婚しました。

今の社会は、花魁道中の時代とは、随分違い「自由恋愛」による「援助交際」が広く普及しています。
それにしても、自由奔放な若い女性の闊達な生き方に驚くばかりで随分恵まれた社会になっていったものだと思いました。