面会交流について、連れ去りの危険がある場合や、監護親が非監護親に会うことについて抵抗が強い場合、子が幼くて母親と離れることができない場合等には、面会交流の方法が問題となります。
面会交流の方法について具体的な制約はありません。したがって、面会交流の方法については子の福祉・利益を考慮して当事者間で自由に決めることができます。たとえば、非監護権者による子の連れ去りの危険のある場合には、中立の第三者の立会の下において面会交流を実施する旨合意することがあります。
通常、面会交流の方法については、回数(頻度)、場所、実施の日時、子の受け渡す方法、引き取る方法、交流の内容などを決める必要があります。
面会交流の方法について予め詳細に合意しようとすれば、そもそも合意自体できないおそれがあります。また、面会交流の実施方法について予め詳細に決めてしまえば、実際に面会交流を実施する際、臨機応変に方法を変更することができなくなります。そのため、通常、面会交流の方法については、その回数や場所を決めるだけにしておき、具体的方法については、その都度別途協議して決めるようにします。
もっとも、面会交流の事前の合意において、その方法について具体的に決めておかないことは、後の争いの火種となったり、面会交流がスムーズに行えない場合があります。このようなことが容易に予測される場合には、機械的に面会交流が行えるよう、具体的な面会交流の内容を定めておく必要があります。
また、面会交流の内容、方法について具体的な定めがない場合、面会交流の履行を強制させる場面において間接強制という手段をとれないという不都合を生じさせるおそれがあることに注意する必要があります(面会交流の間接強制ついては別途説明します。)。
面会交流について決まった事項を一方当事者が守らない場合の対抗手段としては履行勧告、強制執行、損害賠償の3つあります。
面会交流の合意内容を守らない場合の対応として、まずは履行勧告という方法があります(家事事件手続法289条)。これは家庭裁判所から履行しない相手方に合意内容を履行するよう口頭又は書面により勧告するものです。履行勧告は方法としては簡便であり利用しやすいわりに、ある程度の効果を期待できるものであるとされています。
しかし、勧告に従わない場合の制裁は用意されていないため、義務者が勧告を無視してしまえば意味を失います。
履行勧告とは別の方法として強制執行があります。これは、給付を命じる審判・調停調書は確定判決と同一の効力を有することから、面会交流の審判・調停調書に基づいて強制執行を申し立てる方法です。
かつては面会交流についての強制執行は監護する親の任意の協力の下においてなされるべきものであり強制執行にはなじまないものとされていました。
しかし、近時、間接強制という、義務内容を履行しない間、義務者に一定の金銭の支払を負担させる形で間接的に履行の強制を求める強制執行を認められるようになりました。
ただし、この間接強制を認めてもらうためには、面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流の時間の長さ、子の引渡しの方法等が具体的に定められているなど監護する親のすべき内容が特定できていることが必要であるとされています(最高裁平成25年3月28日決定)。
この点につき、裁判所は、面会交流の頻度・曜日及び場所、面会交流の時間について具体的に決め、子の引渡しの方法について具体的かつ詳細に定めた審判に基づく間接強制を認める反面面会交流の頻度・曜日及び面会交流の時間のみ定めた審判については給付内容の特定に欠けるとして間接強制を認めませんでした。
もし面会交流の審判・調停において、相手方が義務を履行してくれない可能性が高いような場合には、後の間接強制のことを考慮して、その合意あるいは審判の内容については注意する必要があるでしょう。
因みに、実際に子供を監護親から引き離して非監護親に引き渡すといった直接強制は、面会交流のように、一度だけでなく継続的に子供の身体の移動を伴う義務の履行につては、認められないと理解されています。
面会交流の合意内容の履行を不当に拒絶したことを理由として損害賠償を認めた裁判例があります(横浜地裁平成21年7月8日判決)。
このような面会交流の拒絶行為について損害賠償を認めることは直接的には過去の不法行為についての事後的賠償の問題ではあるものの、面会交流の履行を拒否すれば金銭的賠償を命じられることを考慮した当初からの任意の履行を促進する意味と実際に面会交流を拒否した場合の制裁により今後の任意の履行を実現させるという2つの意味を持ちます。
事務所外観
より良いサービスのご提供のため、離婚相談の取扱案件の対応エリアを、下記の地域に限らせて頂きます。
愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町
蟹江町 飛島村),一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町))
愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)
愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村))
岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町
関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))
三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))
三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)
静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)
令和6年4月25日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月10日に名古屋家庭裁判所に婚姻費用分担調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月3日に名古屋家庭裁判所岡崎支部に離婚請求事件 について審判が出ました。
令和6年4月2日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月2日に岐阜家庭裁判所に離婚等請求事件 について審判が確定しました。
令和6年4月1日に名古屋家庭裁判所一宮支部に離婚等請求事件 について人事訴訟を提起しました。
Copyright © 名古屋総合リーガルグループ All right reserved.
運営管理:名古屋総合法律事務所 弁護士 浅野了一 所属:愛知県弁護士会(旧名古屋弁護士会)
〒460-0002愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号 メットライフ名古屋丸の内ビル6階(旧丸の内STビル) TEL: 052-231-2601(代表) FAX: 052-231-2602 初めての方専用フリーダイヤル:0120-758-352
■提供サービス…交通事故,遺言・相続・遺産分割・遺留分減殺請求・相続放棄・後見,不動産・借地借家,離婚・財産分与・慰謝料・年金分割・親権・男女問題,債務整理,過払い金請求・任意整理・自己破産・個人再生,企業法務,契約書作成・債権回収,コンプライアンス,雇用関係・労務問題労働事件,対消費者問題,事業承継,会社整理,事業再生,法人破産■主な対応エリア…愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村),一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町)愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市) 愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村)) 岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,恵那市,中津川市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)