名古屋の弁護士による離婚相談 弁護士法人名古屋総合法律事務所 - 初回相談30分無料、年間550件以上の相談実績!

メニュー

離婚,男女問題のご相談なら経験豊富な愛知県名古屋市の離婚弁護士へ

新しい明日を作るためのサポートを全力で致します 名古屋の弁護士による離婚相談

離婚の歴史

土志田 佳枝(名古屋総合法律事務所事務員)

すこし前のことになりますが、ヨーロッパの古い時代の婚姻制度について書いたことがあります。古いとはいっても、せいぜい16世紀の初めから18世紀の終わりごろまでのフランス近世の婚姻制度の歴史についてです。ご存じのとおり、カトリック教会の影響の強いヨーロッパではすでに中世には離婚ができなくなっていました。

しかし、ルターによってドイツで宗教改革がはじめられると、その影響はフランスにも波及します。ただし、ドイツのプロテスタント諸国がはやくから離婚を認めたのに対して、カトリック教会の長女と言われたフランスの国王はカトリックと同様にプロテスタントにも離婚を決して認めませんでした。ついにフランスで離婚制度が公に誕生したのは、1789年に勃発したフランス革命時代のことです。つまり、1792年9月20日の離婚法が議会で可決されるまで、フランスには離婚法が存在しなかったのです。

ふつう離婚の歴史を語る際には、このフランス革命期の離婚法とナポレオンの民法典(1804年)の離婚規定に着目するのが一般的です。しかし、ここではあえて離婚法が誕生するまでの長い長い前夜に目を向けてみたいと思います。これから全14回にわたって連載していきます。

第10話 公論の形成

モンクラール『フランス・プロテスタントの秘密婚問題における神学的・政治的意見書』第2版(1756年)表紙 「公論」とはオピニオン・ピュブリック(opinion publique)の訳です。公なる世論の意味ですが、ちょっとしたテクニカル・タームでもあります。ひとかどのと言ったら大げさかもしれませんが、世相や心性(マンタリテ)といったものに左右されがちな世論のなかでも、その後の立法に影響を与えるような、世の中の流れをリードするような意見のことを言います。

18世紀フランスの法律家は、その点ではかなり意識的に自らの著作のなかで「公論」の用語を使っていると言えます。プロテスタントの「荒野の婚姻」に関する様々な著作も例外ではありません。18世紀フランスの法廷ではまだ弁護士は口頭弁論を許されていなかったと言いますから、彼らは自らの意見を『訴訟趣意書(Memoire)』として出版し、世論を味方につける作戦に出たのです。また、自分の依頼者の事件ではなくとも、『鑑定意見書(Consultation)』の出版を通じて、裁判に影響を与えたり、自らの意見を世に問うこともできました。

今回は、こうして形成されていった公論にとりわけ影響を与えたと考えられる著作をご紹介します。南フランスのエクス高等法院検事総長モンクラールの『フランス・プロテスタントの秘密婚問題における神学的・政治的意見書』(1755年)です。モンクラールはこの著書の中で、カトリックの司教も主任司祭も介入することのない全く新しい婚姻方式を提案したのです。

「ナントの勅令が有効であった期間のすべてを通じて、つまりおよそ100年間この王国のプロテスタントには彼らの牧師の面前で婚姻することが許されていました。(…)しかし、我々は言うでありましょう。かつて我々の国王たちは両当事者の主任司祭の立ち会いを、プロテスタントの牧師の立ち会いで代用することができたかもしれませんが、今日、国王たちはより多くの理性を持って国王の司法官の立ち会いを主任司祭の立ち会いの代わりとすることができると」(モンクラール前掲書初版109-110頁)


こうしたプロテスタントの信仰を傷つけることも、カトリックの婚姻の秘蹟を冒涜することもない世俗裁判所の司法官の面前での婚姻方式の提案により、18世紀の人々はフランスのプロテスタントには合法的に婚姻するための方式が欠けていているという現実に気づかされました。このモンクラールの著作を始めとして、プロテスタントの夫婦と子らのために、やがて国王に新たな立法を求める公論が形成されていきます。


(写真)モンクラール『フランス・プロテスタントの秘密婚問題における神学的・政治的意見書』第2版(1756年)表紙
1755年初版ですが、時代はプロテスタントの冤罪事件として有名なカラス事件※に先行します。もちろん当時の司法官がこのテーマで出版したこと自体驚きですが、それが広く読まれたことはすぐ翌年に版を重ねていることからもわかります。なお、パリのフランス国立図書館には1755年初版が1冊、1756年版が3冊所蔵されていました。

なお、表紙には「プロテスタントのために、プロテスタントの信仰を傷つけることのない、また司祭と主任司祭の信仰とも関係のない新たな婚姻方式を設けることで、こうした〔荒野の〕婚姻をやめさせることが教会と国家の利益にかなうことがわかるであろう」と書かれています(〔 〕内は訳者による補足)。

※カラス事件:1761年10月13日夜半、トゥールーズ市のプロテスタント一家が居住する家で、弁護士を志す息子マルク=アントワーヌ(事件当時29歳)が自殺体で発見。当時、自殺は宗教上の罪であったため、これを隠そうとした父親ジャン・カラス(事件当時63歳)が殺人容疑で逮捕。1762年3月9日トゥールーズ高等法院において死刑判決が言い渡され、翌日には執行された冤罪事件。

ジャン・カラスの死後、啓蒙思想家ヴォルテールらの援助により妻ら遺族が判決の破毀を申立。これを受理した国王国務会議において、1764年6月4日死刑判決が手続上の瑕疵を理由に破毀され、その後事件はこのとき別の地方の高等法院ではなく、宮廷訴願審査官からなる特別審理部へ移送された後、1765年3月9日判決によりカラス氏は名誉を回復。なお息子は、当時弁護士となるために必要とされていたカトリックであることの証明書が取得できず、自殺したといわれています。

(2013年3月14日)

土志田 佳枝(名古屋総合法律事務所事務員)
【論文】
アンシャン・レジームにおけるプロテスタントの婚姻(一)フランス婚姻法の法制史的研究」名古屋大学法政論集240号(2011年)101-157頁
アンシャン・レジームにおけるプロテスタントの婚姻(二・完)フランス婚姻法の法制史的研究」名古屋大学法政論集241号(2011年)55-105頁

土曜相談、火曜・水曜夜間相談実施中 | 平日・昼間お忙しい方でも安心 | 離婚弁護士が対応 年間相談550件 愛知・名古屋トップ 男性初回相談30分無料

弁護士・カウンセラーによる離婚相談ご希望の方はコチラ-0120-758-352タッチすると電話がかかります

離婚相談初めての方 まずはこちらをクリック | ご相談予約専用ダイヤル:0120-758-352 | 受付時間:平日・土日祝 6:00~22:00 | 相談時間:平日 9:00~18:30  夜間相談(毎週火・水曜日) 17:00~21:00  土曜相談(毎週土曜日) 9:30~17:00

相談票はこちら

女性のための離婚相談

男性のための離婚相談

相談実績

離婚ブログ

専門チームの紹介

メインコンテンツ

【名古屋・丸の内本部事務所】  
〒460-0002
愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号 丸の内STビル6階

【岡崎事務所】
〒444-0813
愛知県岡崎市羽根町字貴登野32-1
丸五ビル1階

相談時間 平日9:00~18:30
 夜間相談(毎週火・水曜日)
 17:30~21:00
 土曜相談(毎週土曜日)
 9:30~17:00
予約受付時間
平日・土日祝 6:00~22:00

初めての方専用フリーダイヤル 0120-758-352 TEL052-231-2601 FAX052-231-2602

アクセスはこちら

事務所外観

【名古屋本部事務所】

丸の内事務所外観

【岡崎事務所】

岡崎事務所外観

対応マップ

より良いサービスのご提供のため、離婚相談の取扱案件の対応エリアを、下記の地域に限らせて頂きます。
愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区, 豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村), 一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町)
愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)
愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市)
岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))
三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))
三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)
静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)

関連サイト

事務所サイト

当事務所の専門サイトのご案内
事務所サイトをご覧ください。

当事務所の専門サイトのご案内
事務所サイトをご覧ください。

交通事故サイト

所内蔵書から「男女関係(離婚カウンセリング・DVなど)」カテゴリを表示しています

所内蔵書から「男女関係(離婚カウンセリング・DVなど)」カテゴリを表示しています


名古屋総合法律事務所のご紹介

Copyright © 名古屋総合リーガルグループ All right reserved.
運営管理:名古屋総合法律事務所 弁護士 浅野了一  所属:愛知県弁護士会(旧名古屋弁護士会)

〒460-0002愛知県名古屋市中区丸の内二丁目20番25号 丸の内STビル6階 TEL: 052-231-2601(代表)  FAX: 052-231-2602 初めての方専用フリーダイヤル:0120-758-352
■提供サービス…交通事故,遺言・相続・遺産分割・遺留分減殺請求・相続放棄・後見,不動産・借地借家,離婚・財産分与・慰謝料・年金分割・親権・男女問題,債務整理,過払い金請求・任意整理・自己破産・個人再生,企業法務,契約書作成・債権回収,コンプライアンス,雇用関係・労務問題労働事件,対消費者問題,事業承継,会社整理,事業再生,法人破産■主な対応エリア…愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市瀬戸市,尾張旭市,長久手市津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町 蟹江町 飛島村),一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町)愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市) 愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市) 岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,恵那市,中津川市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町 関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)