離婚をするにあたり、また離婚した後も、未成年の子どもに関することは重要な問題です。
親権は父、母のいずれに決めるか
面会交流の方法、頻度、連絡方法をどのように決めるか
ただでさえ、夫婦の関係がよくないため離婚する(した)わけで、双方が勝手な意見を言い合ってしまうものです。
子どもが健やかな成長を遂げるために、できるだけ悪影響を与えまいとするのが子の福祉における基本的な考えです。
つまり、子どもにとって不利益とならないように、父と母は配慮し話合いをするべきです。
また、子どもは、父と母の話合いに対して、自分の意見を表明して、手続きに参加する権利があります。
父親、母親どちらかに対しても、目の前にしている親を立てた思いや考えを話すのが子どもです。
調停になった場合、裁判所は、子どもの思いや考えを聞く機会を設け、調査官調査を行います。
「調査官」という中立な立場の職員が、親抜きで子どもに実際はどう思っているか話を聞きます。
それだけでは十分ではない場合もあります。
子どもがほんとうはどう思っているのか、ある程度の年齢になれば、自分の考えをもっと聞いてほしいと思うのではないでしょうか。
こんな事例がありました。
面会交流調停において、監護している親の代理人が、子どもの年齢等を考慮し、子どものために子どもの手続き代理人選任を提案しました。
その提案に、非監護(監護していない)親の代理人も了承したため、裁判所は、子どもをこの面会交流調停に職権参加させ、国選の手続き代理人を選任しました。
これにより、子どもの意見や気持ちを家庭裁判所の手続きの中に届けることができました。
また、別の事例です。
親権者宅で生活していたのですが、そこの家を出て非親権者宅で生活していた子ども自ら、弁護士会の子ども相談窓口に電話をかけてきました。
「現在、親権者変更の審判をしていて、調査官調査の調査官に自分の気持ちを伝えたが、心配なので、自分にできることはないか。」 という相談でした。
その話を聞いた担当弁護士は、私選の子どもの手続き代理人として、この親権者変更の審判に利害関係参加許可を申立て、許可されました。
子どもの意見や気持ちを掬い取ることができ、子どもにとって良い結果になったのではないでしょうか。
参考までに
離婚調停で面会方法が成立調書の中に定められました。
しばらくは定められた面会交流を実施しました。
しかし、ある時点から実施されなくなり、母側から、面会交流調停を起こされました。
このケースは面会をなくしたい調停です。
父母の離婚調停において、調査官の調査を受けた中学生の子どもが、自ら弁護士による相談窓口に電話をかけて、 担当した弁護士に、不安な気持ちや進路について、打ち明けたそうです。
この弁護士を、「子の手続き代理人」に選任し、父母の離婚調停に利害関係人として参加許可の申立てを行いました。
子どもの意見や気持ちを家庭裁判所の手続の中で届けることにより、子どもに寄り添った結果を導き出すことができるのでしょう。
家庭裁判所では、離婚するときに未成年の子どもについて、 子どもの親権者を父母のどちらかに決めるか、 別居している親と子どもの面会に関する条件をどう決めるか、 などの手続が行われています。
これらの手続は父母の間で取り決められますが、決められたことは子どもにとって大きな影響を与えることになります。
そのため、子ども自身が「自分の意見を聞いてほしい。」と思うこともあるでしょう。
また、子どもと一緒に暮らしていない親からすると、「子どもがどう思っているのか?」、「子どもの本心を知りたい。」と思うこともあるでしょう。
一方、子どもと一緒に暮らしている親からすると、「子どもが自分に気兼ねして本当の気持ちを話せていないのではないか?」、あるいは、「子どもは本心を話しているのに、 相手に信じてもらえないのではないか?」など、不安に思うこともあるでしょう。
そのようなとき、子どもが家庭裁判所の手続に参加でき、子どものための代理人弁護士を選んでもらうことができる「子どもの手続代理人」という制度があります。
子どもの手続代理人は、父母どちらの味方でもなく、あくまでも子どもだけの代理人として、子どもに寄り添って、子どもの意見や気持ちを家庭裁判所の手続の中で届けます。
子どもは、父母が何についてどのような手続をしているのかよく分からないまま、不安に感じていることも多くあります。子どもの手続代理人は、父母が行っている手続の内容や、 子どもが手続に参加するに当たって必要な情報、子どもの生活に関する情報を、子どもに分かりやすい言葉で説明し、子どもの相談に乗ったり、子どもに寄り添いながら一緒に考えたりします。
その上で、子どもの意見や気持ちを家庭裁判所の手続の中で届けます。
このように、子どもの手続代理人は、子どもが手続に参加して自分の意見を表明する権利(子どもの意見表明権、子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)12条)を守り、 実現するお手伝いをします。
<参考>
※ 外務省の「児童の権利に関する条約」全文のページはこちら
子どもの手続代理人は、具体的には、次のような活動を行います。
子どもと面談して、子どものことをよく知り、子どもの疑問に丁寧に答えて、子どもが自分の意見を伝えやすい関係を作ります。
子どもが自分の意見を決めたら、書面などで裁判所に伝えるとともに、家庭裁判所の手続期日に出席して、必要に応じて子どもの意見を説明します。
子どもの気持ちを尊重しつつ、これまでの家庭裁判所の手続の経過を踏まえて、子どもの手続代理人から、子どもの利益を中心とした調停案を提案することもあります。
家庭裁判所の手続が行われた後には、子どもにその内容を分かりやすく説明し、子どもの疑問にも答えます。
こうした活動に当たっては、父母に協力をお願いする場合もあります。
子どもの手続代理人を担当した弁護士の費用(報酬)は、多くの場合、子どもは支払うことができないので、父母が支払うこととされています。
家庭裁判所の手続が終了したら、裁判所が子どもの手続代理人の報酬額を決定しますので、裁判所の決定に従って父母が報酬を支払うことになります。
父母が経済的理由から費用を負担することが難しい場合は、子どもが日本弁護士連合会(日弁連)の「子どもに対する法律援助」を利用することもできます。「子どもに対する法律援助」を利用した場合、子どもは費用を負担する必要がありません。
<参考>
日弁連の「法律援助事業」のページへのこちら (「子どもに対する法律援助」は、日弁連の「法律援助事業」の一つです。)現在、家庭裁判所で離婚、面会交流などの手続をされていて、子どもの手続代理人が必要かもしれないとお考えの方は、手続を依頼している代理人弁護士がいれば、 その弁護士にご相談ください。
依頼している代理人弁護士がいないなど、相談する弁護士がいない場合は、愛知県弁護士会 法律相談センターが実施している子どもの人権相談でご相談ください (相談料は無料です。相談方法など、詳しくは、リンク先をご覧ください。)。
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令和6年4月25日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
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令和6年4月3日に名古屋家庭裁判所岡崎支部に離婚請求事件 について審判が出ました。
令和6年4月2日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月2日に岐阜家庭裁判所に離婚等請求事件 について審判が確定しました。
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