離婚する夫婦に未成年の子のいる場合には、
の3点について決めておく必要があります。
特に、協議離婚・調停離婚・裁判離婚のいずれの場合でも、親権者を決めない限り離婚することはできないことには注意しましょう。
今回は、離婚の際の親権者・監護権者について、それを決める方法、決める基準について解説します。
親権とは、未成熟であり独立して生活できない未成年の子について、その財産を代理して管理する権限(財産管理権)と成熟するために必要となる養育を施す権限(身上監護権)のことをいいます。
つまり、監護権は親権の一部です。
通常、子どもを養育する者により、その子の財産は管理すべきですから、親権者と監護権者は同じ人物になります。
但し、子の財産を適切に管理できない者でも、養育については適任者である場合には、例外的に親権者と監護権者を分離させることもあります。
離婚後の親権者は夫婦の話し合いにより決めることができます。
その場合には、夫婦間の話し合いにより決まった親権者を離婚届の親権者欄に記載して提出します。
夫婦の話し合いにより親権者を決める際の注意点としては、離婚の成立を最優先するあまりに適当に親権者を決めてしまうと後々に親権者の変更についてトラブルになる場合があるということです。
親権者を決める際には子どものことを最優先に考えて慎重に決めるようにしましょう。
それでは、夫婦の話し合いでは親権者を決めることができない場合はどうすればよいのでしょうか。
夫婦間の対立の激しい場合には、親権者を決める際に揉めてしまい、お互いに子を奪い合うようなこともあります。
このような場合には、まずは家庭裁判所に離婚調停の申立を行い、家庭裁判所の調停員を交えて、親権者の話し合いをします。
そして、調停でも親権者を決められない場合には、最終的には裁判官の判断により親権者を決めることになります。
なお、協議離婚・調停離婚することができなかったために裁判離婚を起こした場合には、その裁判において親権者を決めることになります。
それでは、実際に親権者を決める際には、どのような基準により決めるのでしょう。
このとき重要になるのは、子どものことを最優先に考えるということです。
つまり、両親のうち、どちらの親に子を養育させることが子の利益の観点から最善であるかという観点から親権者は決まります。
具体的には、従前の養育実績、離婚後の養育の意思・能力、養育環境、子の意思等を考慮して決めます。
また、おおむね10歳以上の子であれば子の意思が考慮されます。
子が一緒に暮らすことを望んでいない親に養育させることは不適切だからです。
ときどき、親権者を決める際に不貞をした親には子の養育など任せられないと主張する方がいます。
しかし、不貞は夫婦間の問題ではあるものの子の養育の能力に直結する問題ではありませんから、そのような主張は必ずしも説得力があるとはいえません。
もちろん、浮気相手と会うことを優先して子の養育を放置していたなどの事情のある場合には子の養育者として不適切な事情として考慮されます。
一般的には、親権は母親が取るものだと考えられています。
実際、離婚後の親権者として父親より母親が選ばれるケースは多いです。
とはいえ、それは母親だからというより、婚姻中の養育は主として母親が担当していることが多く、別居する際に母親が子どもの面倒を見るケースが多いため、現状尊重の観点から母親が親権者に選ばれやすいということに過ぎません。
親権者を決める際に一番重要になるのは従前の監護の実績です。
ですから、もし、離婚後の子どもの親権者を希望するならば、婚姻中あるいは別居中に子どもの養育の実績を作っておくことが大切です。
但し、そのために無理やり子どもを相手から強引に奪うようなことは絶対にダメです。
このような子どもの強奪は子の利益より自分を優先する親だとみなされ、養育者として不適切であると判断されてしまうからです。
親権・監護権とは、未成年の子を養育しながら、その子の財産を代理して管理する権限のことです。
離婚するには、必ず親権者を決めなければなりません。
親権者を決める方法としては、両親の話し合いによる方法と家庭裁判所における調停・審判・離婚により決める方法があります。
親権者を決める際の基準は子の利益の観点から養育者として適任である者になります。
具体的には、従前の養育実績、離婚後の養育の意思・能力、養育環境、子の意思などを考慮して決めます。
もし、離婚に際して、親権の問題について悩んだ場合には、まずは離婚問題に精通した弁護士に相談するようにしましょう。
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令和6年4月10日に名古屋家庭裁判所に婚姻費用分担調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月3日に名古屋家庭裁判所岡崎支部に離婚請求事件 について審判が出ました。
令和6年4月2日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月2日に岐阜家庭裁判所に離婚等請求事件 について審判が確定しました。
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