夫婦は離婚により独身に戻ります。
そして、離婚後、新しいパートナーと再婚する場合には、いくつか注意すべき点があります。
女性は法律上の再婚禁止期間の規定により離婚後一定期間は再婚できません。
また、再婚により新しい家庭での生活が始まると養育費の支払いに影響することがあります。
この点は、再婚した相手と連れ子との養子縁組の問題と関連します。
今回は離婚後の再婚に関する注意点について詳しく解説します。
女性は原則として離婚してから100日経過しなければ再婚できません(民法733条1項)。
これは離婚時に前の夫の子を妊娠していた場合、離婚後にすぐ再婚することを認めてしまうと出産した子の父親が前の夫なのか、再婚後の夫なのか、分からなくなってしまうからです。
かつては女性の再婚期間は6ヶ月間でしたが、平成28年の民法改正により100日間に短縮されました。
民法には、婚姻から200日後または離婚から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものとして、その子の父親は夫であると推定する規定が置かれています(民法772条)。
そのため離婚から100日経過すれば父親の特定に問題は起きないことから再婚禁止期間は100日間に短縮されたのです。
ちなみに再婚禁止期間は父親の特定に混乱を生じさせないための制度ですから、
(1)離婚時に懐胎していなかった事実を証明した場合、
(2)離婚後に出産した場合
には適用されません(733条2項)。
離婚した夫婦に未成年の子がいる場合には親権者にならなかった親は養育費の支払義務を負います。
この養育費の支払義務は生活保持義務といい、相手に自分と同じ水準の生活を送ることができるようにすべき義務と考えられています。
それでは、子どもを養育する親が再婚した場合には、新たな家庭において子どもを養育することになるため、養育費をもらえなくなってしまうのでしょうか。
ここでポイントになるのは再婚相手と連れ子との養子縁組の有無です。
なぜなら養子縁組した場合には法律上の親子になるため、扶養義務が発生するからです。
過去には再婚相手が連れ子を養子にしたケースにおいて再婚相手に十分な収入があるとして養育費の支払義務を否定した裁判がありました。
もちろん、再婚相手に扶養義務があるとはいえ、十分な収入がなければ養育費の減額は認められるとしても一切の負担を免れることにはなりません。
他方、再婚相手が連れ子を養子にしなかった場合には、再婚相手には扶養義務は発生しませんから、再婚の事実自体は養育費の支払義務に影響しません。
とはいえ、再婚後の生活状況により親権者である親の収支は影響を受けますから、養育費の支払額に影響を与えることはあります。
再婚相手の収入が少ない場合には、むしろ親権者の収入が再婚相手の生活費として流れるため、むしろ養育費の増額が認められることもあるのです。
離婚して子どもと一緒に暮らさない親と子どもの面会交流を実施することがあります。
そのような場合に親権者である親が再婚して、前の夫と子どもを会わせたくないとのことから面会交流を拒否するケースは少なくありません。
それでは親の再婚は面会交流を拒否する理由になるのでしょうか。
そもそも面会交流は両方の親との交流して双方から愛情をもらうことが子どもの健全な成育にとって不可欠であることから認められるものです。
ですから、いくら再婚したとはいえ、子どもの利益の観点から面会交流を否定する事情のない限り、面会交流を拒否することはできません。
但し、たとえば、親権者である親が、婚姻中の浮気相手と再婚したため、子どもと一緒に暮らさない親が、再婚相手に対する悪感情から、面会交流において再婚相手に対する罵詈雑言を子どもに聞かせるなど子どもの精神衛生上悪影響を及ぼすような事態が起きた場合には面会交流を制限する理由になります。
離婚後に再婚する場合にはいくつか注意すべきことがあります。
まず、女性には再婚後に出産した子の父親を特定できなくなる問題を避ける関係から離婚後100日間は再婚できないという再婚禁止期間のルールがあります。
また、再婚後の再婚相手と連れ後との養子縁組の問題や再婚による家計状況の変化を理由とする養育費の支払義務の変更の問題があります。
さらに、再婚を理由に面会交流を拒否することの可否の問題が生じることもあります。
こうした離婚後の再婚に伴う問題については簡単には解決できない法律上の問題を含んでいますから、悩んだときはすぐに弁護士に相談するようにしましょう。
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令和6年4月25日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月10日に名古屋家庭裁判所に婚姻費用分担調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月3日に名古屋家庭裁判所岡崎支部に離婚請求事件 について審判が出ました。
令和6年4月2日に名古屋家庭裁判所に夫婦関係調整(離婚)調停申立事件 について家事調停を申立てました。
令和6年4月2日に岐阜家庭裁判所に離婚等請求事件 について審判が確定しました。
令和6年4月1日に名古屋家庭裁判所一宮支部に離婚等請求事件 について人事訴訟を提起しました。
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