不倫が発覚したとき、多くの方が悩まれるのが、
「誰に慰謝料を請求できるのか」「いくら請求できるのか」という点です。
このページでは、
不倫慰謝料を請求できる相手の範囲と、金額の目安をわかりやすく解説します。
慰謝料を請求する相手としては、
という3つの場合が考えられます。
いずれを選ぶかは、不倫をしたことについて悪質性が強いのはどちらか、どのような証拠があるかなどによって決めていくことになります。
③を選んだ場合、不貞をした配偶者とその不倫相手は、共に不貞行為をした者として共同して責任を負いますので、双方合わせて適正な額の慰謝料を請求することになり、不貞した配偶者と不倫相手へ二重に慰謝料の請求をすることはできません。
不倫相手の氏名・住所や連絡先が簡単に分からないケースや、不倫相手の悪質性が低いケースなどでは、配偶者にのみ慰謝料請求することが考えられます。
ただし、事案の内容により、配偶者に対する請求が認められるケースと認められないケースの両方があります。
離婚する・しないに関わらず、
不倫の事実がある限り、配偶者に慰謝料請求することは可能です。
裁判で配偶者に対する不倫慰謝料の請求が認められた事例は、数多くあります。
慰謝料額の相場は、夫婦が離婚に至った場合で100万円~200万円程度、離婚に至らなかった場合で数十万円~100万円程度です。ただし、不倫の内容や期間、不倫開始時の夫婦関係の状況、婚姻期間、その他にも様々な事情によって慰謝料額は増えたり減ったります。
| 裁判所 | 東京地裁 |
| 判決年月日 | 平成16年9月14日 |
| 事件番号 | 平成13年(ワ)第5034号 |
| 婚姻期間 | 昭和36年11月~平成10年(離婚成立時) 約35年 |
| 不倫期間 | 昭和43年~平成10年※離婚成立後も継続 約30年 |
| 裁判所 | 東京地裁 |
| 判決年月日 | 平成31年2月26日判決 |
| 事件番号 | 平成29(ワ)44039号 |
| 婚姻期間 | 平成18年~平成29年(裁判離婚) |
| 交流期間 | 平成27年1月~4月 |
不倫開始時において夫婦関係がすでに破綻していた場合には、配偶者に対する慰謝料請求は認められません(東京地裁昭和63年10月12日判決など)。
その理由は、すでに夫婦関係が破綻している場合には、配偶者の不倫によって平和な婚姻生活を侵害したことにはならず、不法行為が成立しないためです。
もっとも、夫婦関係が完全に破綻していることの証明は一般的に簡単なものではありません。裁判で配偶者に対する慰謝料請求が認められなかった事例としては、証拠が不十分で不倫の事実を立証できなかったケースが多いのが実情です。
| 裁判所 | 東京地裁 |
| 判決年月日 | 令和3年11月29日 |
| 事件番号 | 令和2(ワ)26249号 |
| 婚姻期間 | 平成29年~令和2年 |
| 不貞期間 | 同居中の風俗店利用 |
配偶者に支払い能力がないケースや、離婚はしないけれど不倫相手には責任をとってほしいというケースなどでは、不倫相手にのみ慰謝料請求することが考えられます。
ただし、やはり請求が認められるケースと認められないケースの両方があります。
なお、請求が認められるケースでは、不倫・浮気をした配偶者と不倫相手は、適正な額の慰謝料を連帯して支払う義務を負います。そのため、不倫相手が慰謝料全額を支払った場合には、原則として半額を配偶者に対して求償できるようになります。
不倫相手に対する請求が認められるのは、不倫によって夫婦関係を破綻させることについて「故意または過失」があり、「因果関係」も認められる場合です。
あなたの配偶者が既婚者であることを不倫相手が知らなかった、かつ知らなかったことに落ち度がなかった、という場合は、故意も過失もないことになります。
不倫・浮気の事実はあっても、それ以前から夫婦関係が既に破綻していた場合には、因果関係が認められません。
不倫相手に「故意または過失」と「因果関係」も認められる場合には慰謝料請求が可能ですが、事案の内容により慰謝料額は増減されます。
| 裁判所 | 東京地裁 |
| 判決年月日 | 平成22年10月7日 |
| 事件番号 | 平成22(ワ)8009号 |
| 婚姻期間 | 平成15年~平成22年(約7年) |
| 不倫期間 | 平成21年8月頃~平成22年2月(約半年) |
| 裁判所 | 東京地裁 |
| 判決年月日 | 平成30年1月23日判決 |
| 事件番号 | 平成29(ワ)375号 |
| 婚姻期間 | 平成14年~平成28年(約14年) |
| 不倫期間 | 平成28年1月頃~(短期間) |
不倫開始時に夫婦関係が完全に破綻しており、不倫相手に対する慰謝料請求が認められなかった事例として、最高裁平成8年3月26日判決があります。
ただ、裁判例の傾向としては、不倫関係の事実があった以上は、少額でも不倫相手に対する請求を認めるケースが多いです。「故意または過失」や「因果関係」の証明は簡単でないことが多いからです。
不倫相手に対する請求が認められなかった事例の多くは、やはり、証拠が不十分で不倫の事実を立証できなかったケースです。
| 裁判所 | 最高裁 |
| 判決年月日 | 平成8年3月26日判決 |
| 事件番号 | 平成5(オ)281号 |
| 婚姻期間 | 昭和42年~昭和62年(約20年) |
| 不倫期間 | 昭和61年頃~昭和63年頃(約2年) |
不倫をした配偶者と不倫相手は連帯して慰謝料の支払い義務を負いますので、両方に対して同時に慰謝料を請求することが可能です。
配偶者の不倫が原因で離婚する場合(関係修復を考えていない場合)は、できる限り両方に対する慰謝料請求を検討するとよいでしょう。
不倫をした配偶者と不倫相手の両方に対する慰謝料が認められた裁判例は、数多くありますが、認定された慰謝料額は事案の内容により様々です。
| 裁判所 | 東京地裁 |
| 判決年月日 | 平成21年4月8日判決 |
| 事件番号 | 平成18(ワ)25901号 |
| 婚姻期間 | 昭和55年10月~平成17年(約25年) |
| 不倫期間 | 平成4年頃~平成18年(約14年) |
両方に対して慰謝料請求をしたケースでも、既に婚姻関係が破綻していたり、不倫関係を立証する証拠が不十分であったりして、請求が認められなかった事例も存在ます。
| 裁判所 | 東京地裁 |
| 判決年月日 | 令和3年9月6日判決 |
| 事件番号 | 令和2(ワ)5476号 |
| 婚姻期間 | 平成9年10月14日~(約24年)※ただし実質的には平成24年頃から別居状態 |
| 不倫期間 |
遅くとも平成22年8月頃~同24年2月頃からは同居し継続 (その後も不倫相手と同居を継続) |
不倫の慰謝料請求は、
「誰に対して、どれだけ請求できるのか」
という判断ひとつで、その後の手続きや結果が大きく変わってきます。
さらに、
など、慰謝料の可否・金額に影響を与える要素は非常に多く、
ご自身で判断することが難しい場合も少なくありません。
当事務所では、
「請求できるかどうか」だけでなく、
「より適切な請求方法は何か」
「証拠が十分か」
「請求相手をどう選ぶべきか」
といった実務的なポイントまで丁寧にサポートいたします。
不倫問題に直面されている方は、
不安や怒りだけではなく、
「この先どう動けばよいのか」という迷いを抱えているケースがほとんどです。
そのようなときこそ、専門家の力を借りることで、
最も負担の少ない方法で解決へ踏み出すことができます。
「請求できるのか知りたい」
「いくら請求できそうか見てほしい」
「相手と直接やりとりしたくない」
という方は、お気軽にご相談ください。
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