調停委員
田中
前回課題となっていた慰謝料と養育費について、花子さんのお考えはどうなりましたか。
今まで夫と私と娘で住んでいたマンションに、離婚後は私と娘で住みたいと思っています。
それで
マンションを私の所有にして、夫にはローンの残りを支払ってもらいたいです。
これを聞いてもらえるなら慰謝料は夫にも不貞相手にも要求しません。
養育費はこれから教育費が増えることも考えると9万円は欲しいです。
申立人
山田花子
調停委員
中村
花子さんのご意見はわかりました。
太郎さんにお伝えして、ご意見を伺いますので、一度待合室でお待ちください。
調停委員
中村
花子さんは、今まで太郎さんと住んでいたマンションに、愛さんと二人で住みたいそうです。
そのためマンションの所有者を花子さんにして、太郎さんに引き続きローンを支払ってほしいとのことです。
これを受け入れてもらえれば、慰謝料を太郎さんにも相手の女性にも要求しないとのことでしたが、いかがですか。
花子や愛の将来のことを考えても、私もその方がいいと思っていました。
それで結構です。
相手方
山田太郎
調停委員
田中
養育費については月額9万円は欲しいとおっしゃっていますが、いかがですか。
離婚後は家族手当がなくなる上、自分は家を借りなければならないので家賃もかかるため、養育費は月額8万円以上払えません。
証拠として、現在の給与明細を提出します。
相手方
山田太郎
(調停委員へ給与明細を手渡す)
調停委員
中村
分かりました。
太郎さんからのご意見を花子さんにお伝えしますので、もう一度待合室でお待ちください。
調停委員
田中
太郎さんは、家の件は花子さんの意見でいいとのことでした。
ただ養育費は月額8万円が限界とのことで、証拠として給与明細を提出されました。
(調停委員が花子さんへ給与明細を見せる)
調停委員
田中
離婚後、今までもらっていた家族手当がなくなるそうです。
裁判所の算定表に従っても、月額8万円が相場と思われますが、いかがでしょうか。
分かりました。
養育費は8万円ということでお願いします。
申立人
山田花子
その後も離婚の条件についての話し合いが続けられ、話し合いの結果、 「子どもの親権は申立人、面会交流は月一回、養育費は月額8万円、 財産分与として相手方が家のローンを全て返済後、申立人へ名義変更、 預貯金は半々、年金分割する」 ということで合意した。
裁判官
加藤
担当裁判官の加藤です。
申立人の山田花子さんと相手方の山田太郎さんですね。
調停については、調停委員から様子を聞いています。
調停の合意ができたということですので、確認します。
どうですか。間違いありませんか。
はい、間違いありません。
申立人
山田花子
間違いありません。
相手方
山田太郎
裁判官
加藤
では、これで調停が成立しました。
調停で決定された内容は、裁判で確定した判決と同じ効力があり、守られなかった場合には強制執行を受けることがあります。
お二人は離婚されてもお子さんのご両親ということは変わりません。
これからもお子さんのために協力し合われることが大切です。
よろしくお願いします。
それでは、調停を終わります。
調停委員
田中
前回、試行的面会交流を行いましたが、太郎さんはどのような感想を持たれましたか。
愛は最初は少し恥ずかしがってましたが、時間が経つにつれて慣れてきたみたいで、学校の話や友達の話などいつものように色々話してくれました。
とても元気に学校に行っているようです。
直接話ができて、本当に安心しました。
また、今回の試行的面会交流を通じて、自分の気持ちもとても落ち着いて整理することができました。
離婚を進めていこうと思います。
親権者は花子で構いません。
相手方
山田太郎
調停委員
田中
分かりました。
それでは、花子さんにその旨お伝えいたします。
調停委員
中村
太郎さんは前回、試行的面会交流を行ったことで、気持ちの整理がつき、離婚を決意されたそうです。
親権者も花子さんで構わないとおっしゃっています。
前回の面会交流の後、愛ちゃんの様子はいかがでしたか。
裁判所から帰るときに、愛に「お父さんどうだった?」ときいたら、「楽しかったよ」と言っていました。
私たち夫婦が一緒に生活するのはもう無理ですが、それでも父親としての存在は子どもにとって非常に重要なのだと痛感しました。
申立人
山田花子
調停委員
田中
わかりました。
では、離婚について具体的に考えていきましょう。
最初、花子さんは離婚の際に慰謝料、養育費、財産分与をしたいとおっしゃっていましたが、具体的に何か考えていらっしゃいますか。
まだ、具体的には何も考えていませんでした。
夫にどれくらい財産があるのかもよくわからないですし。
申立人
山田花子
期日間で双方財産目録を提出する
お互いに財産を開示し、慰謝料、養育費、財産分与を検討することで第3回の調停終了。約1か月後に第4回の調停が設定される。
調停委員
田中
前回の第1回の調停から約1か月経ちましたが、今のお気持ちはいかがですか。
あれからいろいろ考えましたが、ケンカの際、私は花子にひどいことを言ってしまったかもしれません。
花子がショックを受けるのも信頼をなくしたのも分かる気がします。
離婚もやむを得ないかなと思い始めました。
でも子どものことが心配でやっぱり踏み切れません。
子どもに会わせてもらえるなら、離婚ももう少し前向きに考えられるかもしれません。
相手方
山田太郎
調停委員
中村
離婚するかどうかと、お子さんと会う会わないとは別に考えなければいけません。
太郎さんとしては、離婚については検討していただけているということでよろしいですか。
やっぱり子どもに会ってからじゃないと判断できません。
花子が本当に一人で育てられるのかも不安で仕方ありませんから。
相手方
山田太郎
調停委員
田中
太郎さんは面会交流という制度をご存知ですか。
親権者とならなかった親が子どもと会うことを「面会交流」といいます。
太郎さんと愛ちゃんが会えるような場面を設定する方法もありますので、一度考えてみてはいかがでしょうか。
お願いします。
どうしても心配で心配で。
相手方
山田太郎
調停委員
田中
では、花子さんに太郎さんに愛ちゃんと会わせることについて、ご意向を確認してみましょう。
一度、待合室でお待ちください。
調停委員
田中
太郎さんからお話を伺いました。
離婚についても検討されているとのことです。
ただ、愛ちゃんのことをとても心配されていて、現在の愛ちゃんの様子などを直接会ってお話ししたいと強く希望されています。
本当ですか。
ほとんど子どもの世話なんかしなかったのに。
申立人
山田花子
調停委員
田中
太郎さんとしては、愛ちゃんに会えるのが離婚を検討する第一条件なようです。
私たちとしては、太郎さんが愛ちゃんに会うのは、愛ちゃんにとって太郎さんは父親ですし、子どもが健全な発育をするためには両親の協力も不可欠だと思います。
太郎さんと愛ちゃんが会うことを「面会交流」というのですが、それをしてみてはどうかと思います。
面会交流を実施してみて、太郎さんが今後も愛ちゃんに会えるという実感がつかめないと離婚のお話し合いも前に進まないと思うのですが、いかがでしょうか。
愛に会わせたら、連れさられてしまいそうな気がして、心配なのですが。
申立人
山田花子
調停委員
田中
心配もおありだと思いますが、太郎さんが今後も愛ちゃんと関わっていけるという実感を持てないと、離婚の話し合いも進みません。
ご本人同士だけで不安ならば、裁判所で家庭裁判所の調査官が立ち会って面会させる「試行的面会交流」という方法もありますよ。
裁判所の方が一緒なら大丈夫かもしれませんが。
……わかりました。一度夫へ会わせてみます。
申立人
山田花子
調停委員
中村
分かりました。
では、試行的面会交流を実施しましょう。
家庭裁判所で調査官立会いの下、面会が行われる。
面会の状況は、調査官によって報告書が作成され、申立人、相手方調停委員が確認する。
調停委員
中村
それでは、1回目の調停を始めます。
申立人の山田花子さんですね。
私は調停委員の中村と申します。
よろしくお願いいたします。
調停委員
田中
調停委員の田中です。よろしくお願いいたします。
まずご本人確認をさせていただきたいので、本人確認証を見せていただけますか。
(申立人が運転免許証を提示する。)
調停委員
田中
ありがとうございます。
調停委員
中村
まず調停についてご説明させていただきます。
調停とは、裁判と違って、どちらが良い悪いを裁判所が判断するということではなく、話し合いを通じて、できるだけお互いが納得のいくような解決策を見つけていこうとするものです。
私たち調停委員は、そのためのお手伝いをさせていただきます。
調停委員
田中
調停では、ご自身のお考えやお気持ちをお話しください。
調停で話された内容については、家庭裁判所外部に漏れることは一切ありませんが、相手方には伝わりますので、相手方に伝えたくないことはそのようにおっしゃってください。
調停委員
中村
では、今回山田花子さんから提出された申立書の内容について確認させてください。
花子さんが提出された申立書の趣旨のところに、「相手方と離婚する、長女の親権者は申立人」とありますが、間違いありませんか。
間違いありません。
夫との関係は修復不可能だと感じており、
一日でも早く夫と離婚したいと考えています。
申立人
山田花子
調停委員
田中
申立の実情に記載された内容に間違いはありませんか。
間違いありません。
夫は3か月ほど前から帰らない日が何日かあり、また休日にも家族に黙って外出するようになりました。
今思うとこのころから浮気をしていたんだと思います。
このようなことがたびたび続いたため、先日夫を問い詰めたところ、夫は逆上して、私や子どもに対して暴言をはき続けました。
そのことがショックで私は離婚を決意し、子どもを連れて実家に戻りました。
その後、何度か話し合いの場を持とうと思いましたが、その時の夫の態度がとても怖かったので、夫と直接話し合いをする勇気が持てませんでした。
そのため、離婚調停を申し立てました。
私としては、夫との離婚ももちろんしたいですが、申立書にも書いた通り慰謝料の請求をしたいです。あと、離婚までの生活費(婚姻費用)を払ってもらいたいです(このあと婚姻費用の取り決めについては省略します)。
また、あのような態度をとる夫を子どもには会わせたくないです。
申立人
山田花子
調停委員
中村
お話しいただいてありがとうございます。
ご事情は理解できました。
今お話しいただいた内容を相手方の太郎さんにもお伝えし、太郎さんのご事情も伺いたいと思います。
一度、申立人待合室でお待ちください。
調停委員
中村
はじめまして。
相手方の山田太郎さんですね。
私は調停委員の中村と申します。
よろしくお願いいたします。
調停委員
田中
調停委員の田中です。よろしくお願いいたします。
まずご本人確認をさせていただきたいので、本人確認証を見せていただけますか。
ありがとうございます。
(相手方がマイナンバーを提示する。)
調停委員
田中
ありがとうございます。
調停委員
中村
裁判所から突然、調停期日通知書と申立書の写しが届いてびっくりされたでしょう。
調停とは、裁判と違って、どちらが良い悪いを裁判所が判断するということではなく、話し合いを通じて、できるだけお互いが納得のいくような解決策を見つけていこうとするものです。
なかには申立人から訴えられたという被害感情を持たれる方がいらっしゃいますが、調停は家庭裁判所の場を使って話し合うというご理解をいただけたらと思います。
私たち調停委員は、そのためのお手伝いをさせていただきます。
調停委員
田中
調停では、ご自身のお考えやお気持ちをお話しください。
調停で話された内容については、家庭裁判所外部に漏れることは一切ありませんが、ここでお話しいただくことは、相手方には伝わりますので、伝えてほしくないことはそのようにおっしゃってください。
調停委員
中村
先ほど、申立人の花子さんより今回調停を申し立てた事情などを伺いました。
花子さんからお聞きした内容としては、太郎さんがある女性と付き合われるようになってから、無断外泊などがあり、不信感や不満を持っていらっしゃったそうです。
そのことを花子さんに問い詰められた際に、太郎さんが非常に高圧的な態度をとられたことについて、かなりショックを受けられ、太郎さんと面と向かってお話合いできなくなってしまったそうです。
調停委員
田中
これを聞いて、太郎さんのご意見はありますか。
そうですか。
私がほかの女性とお付き合いしていたことは、事実です。すみません。
でも、言い訳になってしまいますが、会社でのストレスがたまってて。
家に帰っても妻も子どもも全然相手をしてくれなかったので、つい同僚の女性で優しくしてくれる人にふらりと気持ちがいってしまいました。
そのことについては、申し訳ないと思っています。
でも、離婚なんておおげさじゃないですか。
相手方
山田太郎
調停委員
中村
花子さんは、太郎さんを問い詰めた際の太郎さんの態度に、非常にショックを受けているようですが。
たぶんお酒を飲んでいたと思うので、あまり覚えていません。
花子も言い方がきついときがあるので、ついムカッと来たのかもしれません。
夫婦でケンカになることなんてよくあることじゃないですか。
そんなにめずらしいことじゃないですよ。
相手方
山田太郎
調停委員
田中
でも花子さんにとっては非常にショッキングな出来事だったようですよ。
はあ。
私には理解できませんが。
相手方
山田太郎
調停委員
中村
お互いの感じ方に大きな隔たりがあるようですね。
先ほど花子さんとお話した限りでは、花子さんは離婚の意思は固いようですが。
先ほども言いましたが、こんなことで離婚なんて、考え直してほしいです。
子どももいますし、私としては今まで通り家族3人、仲良く暮らしていきたいです。
あの日以来、子どもにも会っていないので愛が元気なのかとても心配しています。
相手方
山田太郎
調停委員
田中
太郎さんのお気持ちはわかりました。
今お話しいただいたことを、花子さんにお伝えし、愛ちゃんのことも聞いてみます。
もう一度、相手方待合室でお待ちください。
調停委員
田中
お待たせいたしました。
先ほど、花子さんからお聞きした内容を太郎さんにお伝えしました。
太郎さんは行動については謝罪されており、家庭内のコミュニケーション不足や仕事上のストレスが背景にあったそうです。
離婚については花子さんにもう一度考え直してほしいとのことです。
あと、お子さんにずっと会っていないので、とても心配されていました。
夫の意見はわかりました。
でも私としては、夫を信用することができないので、やり直すつもりはありません。
愛はちゃんと元気でいますし、ちゃんと学校にも行っています。
夫に会わなくてもちゃんと私が育てていきます。
申立人
山田花子
調停委員
中村
離婚された後、今後どうやって暮らしていこうとお考えですか。
まだ愛ちゃんも小さいので、経済的な心配はあるかと思うのですが。
離婚の際に慰謝料、財産分与、養育費はきっちり決めておこうと思います。
あとは、私が仕事をなるべく早く見つけて、安定した収入を得られるようにしていこうと思っています。
それから、自分の両親も健在ですので、多少支援を受けられると思います。
申立人
山田花子
お互いに、今後について考えてくるということで第1回目の調停終了。
申立人と相手方の都合を確認した上で、第2回期日が約1か月後に指定された。
当事務所を御利用いただいたお客様へのアンケートから、掲載許可をいただいたものについてご紹介しています
⇒ インターネットで検索時常にトップページに表示され離婚案件の取り扱い実績が多かった。
⇒ 思う。何を決めておかなければならない事、可能性の有無をわかりやすく説明して下さったので。
⇒ ほかの弁護士相談ではすぐに費用面の話になったり離婚をすすめられるような感じでした。こちらではどちらにしたらこの例が多くみられるか、個々の内容次第だけども、とわかりやすい説明でした。書面の書き方なども教えていただき少し落ち着くことができました。
熟年離婚の場合、夫婦共有財産の財産分与と相続の問題は密接に関係しています。
以下は、事例に基づいて財産分与と相続を比較してみましょう。
事例
夫婦の間に成人した2人の子ども(長男と長女)がおり、
夫婦共有財産として自宅の土地建物(3000万円相当、夫名義)、預金2000万円、車1台(現在価値200万円、夫名義)がある場合
財産分与は、離婚時又は別居時の夫婦の共有財産を折半するものですので、上記財産の合計額5200万円を、夫と妻で2600万円ずつになるように分与します。
ただ、土地建物や車は現物を半分にするわけにはいきませんので、仮に妻が土地建物を取得する場合には、土地建物の名義を妻に変更したうえで(名義変更費用は、名義変更を受ける側、この例では妻が負担することが多いです。)、土地建物の半額に当たる1500万円を夫に支払うことになります。
なお、離婚後に夫又は妻が死亡した場合には、長男と長女が相続人となるため、夫又は妻の死亡時の財産を、長男と長女それぞれが2分の1ずつ相続することになります。
夫が死亡した場合、妻が2分の1、長男が4分の1、長女が4分の1の財産を相続することになります。すなわち、妻が2600万円、長男が1300万円、長女が1300万円となるように財産を分けます。この場合も、土地建物や車などの現物を分けられないものについては、土地建物または車を取得した人が、本来受け取るべき相続分を上回る部分を現金で支払うなどの方法を考える必要があります。
注意すべき点は、財産分与の場合と異なり、相続の対象となる財産は夫婦共有財産だけでなく、夫が夫の両親から贈与を受けた特有財産も対象になるということです。例えば、夫が母親から1000万円の預金を贈与されていれば、夫の財産の合計額は6200万円となり、妻の取得分は3100万円、長男及び長女の取得分はそれぞれ1550万円となります。
以上のように、財産分与の場合と相続の場合では、子どもに財産が移転する順番が異なります。
また夫婦のいずれかに特有財産がある場合には、配偶者の取得する財産の額が変わってくるなど、結論が大きく異なります。
「夫(妻)が亡くなったときのことを考えるなんて…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今後の生活のためにお金の問題は避けて通れません。そして、熟年離婚では、離婚に伴うお金の問題が相続と密接に関わってしまうことはやむを得ないことなのです。
夫婦の年齢、配偶者の財産をあなたがどれくらい把握しているのか、夫婦それぞれの子どもとの関係など、熟年離婚で考えるべきことはたくさんあります。
「あの時ああしておけばよかった…」と後で後悔しないためにも、お早めに弁護士にご相談ください。
婚姻費用の額は、原則として話し合いで決めるものであり、明確な基準はありません。
しかし、現在は、家庭裁判所の示す
婚姻費用算定表がありますので、これを参考にするとよいでしょう。
夫婦間で自由に決める事ができる婚姻費用ですが、通常は以下の事情を考慮して金額が決定されます。
支払う側の年収が多ければ多いほど、婚姻費用の金額も大きくなります。
受け取る側の年収が少なければ少ないほど、婚姻費用の金額も大きくなります。
ですので、専業主婦の場合は婚姻費用も比較的高額になる傾向があります。ちなみに、婚姻費用を請求する側には、収入があっても問題ありません。少しでも収入に差があれば婚姻費用の請求は可能です。
婚姻費用には子どもの養育費が含まれます。そのため、子どもの人数が多いほど婚姻費用も高額になる傾向があります。
婚姻費用には子どもの教育費も含まれます。子どもの年齢が高いほど教育費がかかる傾向にあるため、それに伴い婚姻費用も高額になる傾向があります。
婚姻費用の算定表は裁判所HPから見ることができます。
算定表は、算定される婚姻費用の額を、義務者が極めて低収入の場合は1万円、それ以外の場合は2万円の幅を持たせて整理し、子の人数(1~3人)や年齢(0~14歳と 15~19歳の二区分)に応じて用意されています。
⇒
養育費・婚姻費用算定表(裁判所HP)
では、例をあげて具体的にみていきましょう。
「表13 婚姻費用・子2人表(第1子及び第2子0~14歳)」を選択します。
支払う側が給与所得者か自営業かによって、使用する縦軸が変わります。
ここも支払う側と同じように給与所得者か自営業かにより、使用する横軸が変わります。(2)と同様に選択してください。
今回はパートで年収100万円なので、外側の横軸「給与」を使用し、「100」を基準として選択します。
支払う側と支払われる側の年収を確認したら、年収のラインが交差するマスを確認します。
以上より、 婚姻費用の目安は12~14万円 となります。
※掲載内容は改定等により、現在とは異なる場合がございますのでご注意ください。
夫婦間の協議で婚姻費用の分担額を決定し、支払ってもらえれば一番よいのですが、なかなかそうもいかないのが現実です。
このような場合、家庭裁判所の調停を利用することができます。
婚姻費用の分担請求調停の申立てに必要な書類は以下の通りです。
その他、進行に応じて、追加書類の提出が求められる場合があります。
相手方に現在の住所を知られたくないなどの事情がある方は、住所上申書を提出することにより、住所を記載しないことが可能です。
調停を申立てた場合、相手側に書類を郵送する必要から切手代を裁判所に提出することになります。金額は各家庭裁判所により異なりますが、おおよそ900円前後です。
申し立てをする家庭裁判所は、相手方の住所地の管轄、または、お互いの合意によって任意に定めることができます。
愛知県内の家庭裁判所は4つあります。
| 裁判所 | 住所 |
|---|---|
| 名古屋家庭裁判所(本庁) 家事受付センター | 〒460-0001 名古屋市中区三の丸1-7-1 |
| 名古屋家庭裁判所 一宮支部 | 〒491-0842 愛知県一宮市公園通4-17 |
| 名古屋家庭裁判所 半田支部 | 〒475-0902 愛知県半田市宮路町200-2 |
| 名古屋家庭裁判所 岡崎支部 | 〒444-8554 愛知県岡崎市明大寺町奈良井3 |
| 名古屋家庭裁判所 豊橋支部 | 〒440-0884 愛知県豊橋市大国町110 |
調停手続きは、裁判官・調停委員らによって、双方の意見を調整しながら話し合いによって合意に達するよう進められます。夫婦間で婚姻費用の合意ができれば調停が成立しますが、折り合いがつかず、又は調停期日を数回開いても、相手方が出頭しないようなときには調停は不成立となり終了します。
調停では、2名の調停委員を介して話し合いをするため、直接相手方と話し会う必要がありません。相手方と顔を合わせずに意見を言うことができるので、「相手方の前では言いたいことが言えない」とか「相手方と顔を合わせたくない」と考えている方にとって調停はとても良い手続きです。
仕事で出頭することが難しい方などは、弁護士に代わりに出てもらうことが可能です。もっとも、弁護士を代理人につけてもできるだけ具体的な事情を調停委員等に伝えた方がよいので、本人も弁護士と共に参加することが望ましいです。
申立てをすると、第1回の調停期日の日が記載された呼出状が申立人と相手方に届きます。呼出状が届くのは申立てから2週間ほど経過した頃です。通常、第1回の調停の期日は申立てから1ヶ月~1ヶ月半後となります。
第1回の調停では、算定の基礎となる申立人及び相手方の源泉徴収票や直近3ヶ月分程度の給与明細の持参を求められることが多いです。

第2回目以降の調停についても、ほぼ第1回と同様の流れで進みます。
以後、合意に至るまで行われます。
調停が成立すると、調停案が作成されます。内容に問題なければその後1~2週間で調停調書が郵送されます。調停調書があると、後に相手方が婚姻費用を支払ってくれないという事態になっても強制執行することができます。夫婦間の協議による合意の場合はこうはいきません。必ず強制執行文言付の公正証書を作成しましょう。
一方、調停が不成立となった場合には自動的に審判に移行するケースが多いです。
審判では、裁判官が調停に提出された資料などを総合的に判断して婚姻費用を決定します。
家庭裁判所での勧告や命令にも一定の効果がありますが、これらをしたにもかかわらず支払わないときに、直接生活費を取り立てるには、強制執行しかありません。
預金や給料に対する差押えが効果的です。
婚姻費用については、差押えが強化されており、未払いがあった場合には、定期的に支払時期が来るものについては、未払分に限らず、将来支払われる予定の、まだ支払日が来ていない分(将来分)の請求権についても差し押さえることができます(民事執行法151条の2第1項)。
さらに、給料差押えの場合、通常は給料を差し押さえられる場合でも給与の4分の1までで、4分の3(この額が33万円を超えるときは33万円)を超えては差し押さえることはできませんが、養育費や婚姻費用の場合は、給料の2分の1までの差し押さえが認められています(民事執行法151条、152条3項・1項・2項)。
「離婚をするかしないかの話で精一杯で、養育費について取り決めをしていなかった。離婚は成立したが、さらに
養育費の支払いを求めたい。」
「離婚後、毎月定額の養育費を支払っているが、収入が下がったので
養育費の減額を請求したい。」
このような場合、話し合いによって元配偶者が支払うことや、減額に応じてくれればよいのですが、なかなかそうもいかないのが現実です。 このような場合、家庭裁判所の調停を利用することができます。
養育費請求調停とは、家庭裁判所で調停委員の立会のもと、当事者双方から事情を聴いたり、必要に応じて資料等を提出してもらうなどして、解決案を提示したり、助言をしたり、合意を目指し話し合いを進めていく制度です。
養育費請求調停では、主に、子供のことや収入をベースに話が進みます。
調停委員は、養育費相場の資料として上記の養育費算定表を示して話を進めることが多いようです。たいていは、源泉徴収票や過去3ヶ月くらいの給与明細書などの収入を証明する資料を用意して欲しいと言われます。それらを元に話は進められます。
この養育費請求調停は、通常は養育費をもらう側が申立てをするものですが、払う側としては、いかに無理なく支払える金額を提示できるかがポイントとなりますので、正当な理由を用意しておきましょう。
もっとも、基本的には算定表上の金額がベースとなりますので、ご注意ください。養育費が望む金額になるかどうかは、算定表上の金額をベースとしつつ、どんな支払い方法を提示できるかという案があるのとないのでは状況は変わってきます。
養育費を受け取る側としても基本的には算定表上の金額がベースとなります。そのうえで、今後も任意の支払いを促すためには、無理に支払いを押し付けるよりも、滞納されにくいであろう金額で合意して支払い続けてもらうほうが得策かもしれませんので、調停では相手の立場や傾向を分析する必要があります。
その他、進行に応じて、審理のために必要な場合は、追加書類の提出が求められる場合があります。
相手方に現在の住所を知られたくないなどの事情がある方は、住所上申書を提出することにより、住所を記載しないことが可能です。
自分で養育費請求調停を申し立てる場合、以下の通り2000円程度かかります。
連絡用の郵便切手が必要となります。金額は各家庭裁判所により異なりますが、おおよそ900円前後です。
申し立てをする家庭裁判所は、相手方の住所地の管轄、または、お互いの合意によって任意に定めることができます。
愛知県内の家庭裁判所は5つあります。
| 裁判所 | 住所 |
|---|---|
| 名古屋家庭裁判所(本庁) 家事受付センター | 〒460-0001 名古屋市中区三の丸1-7-1 |
| 名古屋家庭裁判所 一宮支部 | 〒491-0842 愛知県一宮市公園通4-17 |
| 名古屋家庭裁判所 半田支部 | 〒475-0902 愛知県半田市宮路町200-2 |
| 名古屋家庭裁判所 岡崎支部 | 〒444-8554 愛知県岡崎市明大寺町奈良井3 |
| 名古屋家庭裁判所 豊橋支部 | 〒440-0884 愛知県豊橋市大国町110 |
養育費請求調停が不成立となった場合には、自動的に審判手続が開始されます。
審判は、裁判官が一切の事情を考慮して判断します。
審判が下されると、審判書というものが作成されます。これがあれば、判決や調停調書や公正証書と同じで強制執行(差し押さえ)が可能となります。
もちろん調停はご自身でもできますが、第三者である調停委員や裁判官に理解してもらえるような主張・立証ができるかどうかが重要となってきます。
ただ養育費が必要と主張するだけでは説得力に乏しいため、具体的な事実や根拠を挙げながら説明することが大切です。
うまく事情を理解してもらえるよう有用な主張を組み立てるためには、個人ではどうしても限界があります。養育費で損をしないためにも、愛知・名古屋での離婚事件の経験豊富な弁護士へご相談ください。
【ご相談予約専門ダイヤル】
0120-758-352
平日・土日祝 6:00-22:00
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| 土曜 | 9:30-17:00 |
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愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)
愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町
東栄町 豊根村))
岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町
関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))
三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))
三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)
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