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弁護士がそのお悩みにお答えします!
新たな人生のスタートを安心して迎えるために、財産分与の取り決めを確実にしておきましょう。

財産分与とは

離婚する際に、財産をわけることを「財産分与」といいます。
財産分与の目的は、それまでに夫婦が協力して築き上げてきた財産を公平に分配することです。
これには様々な要素が含まれます。

財産分与の種類

質問者

「財産分与を決める際に、分配の割合の決め手になる要素ってなんですか?」

弁護士

「専業主婦/主夫でも分けてもらえます!」

原則2分の1

一般的な夫婦なら5:5

不動産や預貯金等、自分名義のものは離婚後も自分のものだと考えてしまいがちです。
しかし、「どちらの名義であるか?」ということだけで、財産分与を判断してしまうと、一方に財産が 偏ってしまうことも多く、公平な精算になりません。

財産分与は基本的に、「夫婦それぞれの財産形成に対する貢献度によって決まる」という考え方が取ら れています。
では、どうやって貢献度を決めるのでしょうか?

貢献度の決め方

夫が働いて得た収入で家計を支え、妻は家事・育児に専念して生活を支えるという場合 や、夫婦共働きで家事や子育てを分担している場合など、それぞれの夫婦で生活形態は大 きく異なります。それぞれの家庭の状況に応じて、財産形成に対して、どちらがどれだけ 貢献したかを判断するのは、非常に難しい問題です。

そのため、これまでの例をみていると、収入額だけでなく、家事労働も評価の対象として、5:5として認められる傾向にあります。
むしろ一般的な夫婦では、5:5以外の割合となる方が珍しいようです。
たとえ、夫のみが収入を得ている場合でも、妻が家事育児を行い、夫の生活を支えている場合は、専業主婦でも半分もらえる場合が大半です。

どんな財産が財産分与の対象となる?

相談者

「…妻にバレないようにためたヘソクリは財産分与の対象にならないですよね?」

弁護士

「結婚後に貯蓄したへそくりは財産分与の対象です」

財産分与の対象となる財産

財産分与の対象となる財産は大きく2種類あります。

① 共有財産

共有名義のマイホームなど、結婚後に夫婦が協力して築いた共有名義の財産です。
タンス貯金やヘソクリ、結婚後に購入した家財道具などもこれに含まれます。

② 実質的共有財産

預貯金、株、不動産、自動車など、結婚後に夫婦が協力して築いた財産の内、一方の名義のものです。
離婚の際には、名義にかかわらず、結婚期間中に夫婦が協力して築き上げてきた財産は分与の対象となります。

財産分与の対象とならない財産

結婚前にためた預貯金や結婚前に購入した家具、結婚と関係なく親兄弟から贈与されたものや相続遺産 などは、「特有財産」といい財産分与の対象になりません。
ただ、一方の特有財産であっても、その財産の維持などに他方が積極的に協力していた場合には、特有財産にも部分的に財産分与が認められることもあります。

債務も財産分与の対象です

プラスの財産/マイナスの財産

債務については、共同財産にプラスの財産とマイナスの財産がある場合、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いた残額に分与割合をかけて精算するのが一般的です。

また、借金の原因をどちらが作り出したか原因の程度に応じて負担割合をきめ、取得すべき財産から負担すべき債務を控除して財産分与額を計算し、負担を命じた例もあります。
この判決によると、債務超過の場合も債務のみについて負担割合を定める財産分与が可能ということになりそうですが、争いもあります。
一般的には、全体として負債の方が多い場合、財産分与を双方しないという結論もあります。

将来受け取るであろう退職金は財産分与の対象になる?

退職金は、給与の後払い的な性質があると考えられており、給与同様、財産分与の対象になりえます。

財産の価値はどのように決められる?

財産分与の対象となる財産の範囲を確定する基準時は、夫婦の協力関係を喪失した時(多くは「別居時」)であるとされています。
一方で、対象となる財産の評価の基準時は、原則として「裁判時」であるとされています。
具体的な評価方法は、当事者間の合意により決定しますが、合意できないときは裁判所が決めます。

未払い婚姻費用との関係性

財産分与だけで取り戻せない費用→別途請求

過去に支払われていない婚姻費用がある場合は、離婚時の財産分与の取り決めをする際に、合わせて精算することがあります。
精算する額としては、なぜ支払われていなかったのか、現実にかかった生活費、子の養育の状況などの事情を考慮して定められる場合もありますが、財産分与では精算できない場合もあります。
原則としては、別途請求する方が無難です。

財産分与の際に子の養育費は考慮されるのか?

子の将来の生活費・教育費は養育費の問題であり、基本的に財産分与では考慮されません。 しかし、異例ではありますが、財産分与において子の将来の生活費・教育費を考慮した裁判例もあります。

離婚の原因が自分にある場合、財産分与は請求できる?

離婚の原因を作った者からの離婚請求は、認められない可能性がありますが、仮に認められた場合財産分与の請求は可能です。
ただし、財産分与請求においても有責配偶者である事実は考慮される可能性もありますのでご注意ください。

自宅の財産分与はどうすればいいか?

相談者

「自宅にローンが残っています。それでも財産分与の対象になりますか?」

弁護士

「自宅も財産分与の対象ですが、注意が必要です」

自宅についても基本的に他の財産と区別することなく、財産分与の対象となります。
もし、住宅ローンが残っている場合は、自宅の評価額から住宅ローンの残額を差し引いた残額が精算対象となります。

しかし、自宅は生活の拠点となる財産であるため、単なる財産の精算だけでなく、離婚後の扶養的観点を考慮する必要があります。

また、自宅が借地または借家の場合、財産分与で貸主と思わぬトラブルになる可能性もあります。
借地上の建物は、売却する場合も、そのまま住み続ける場合も注意が必要です。

ペットに伴う問題

相談者

「離婚する際、かわいがっているペットを自分が引き取りたいのですが、どうしたらいいでしょうか?」

猫ちゃん

「ペットの幸せを第一に考えた選択を考えていきましょう」

家族の一員として大切にされているペット。
ペットは、法的には「物」になるので、財産分与の対象になります。ただ、ペットは生き物ですので、半分に分けることはできません。ペットが幸せでいられるような解決策を模索するほかないでしょう。

離婚時の財産分与と税金

相談者

「財産分与で、自宅不動産と預貯金の一部を受け取ることになりました。税金なんてかからないですよね?」

弁護士

「受け取る際、財産が多すぎる場合以外はかかりません」

離婚時に受け取る財産は、原則として贈与税の対象になりません。
ただし、分与された財産が多すぎる場合など、贈与税の対象となるケースがあります。

また、自宅など不動産の財産分与に関しては、分与する側に税金がかかることがあります。 ケースによって、かかる税金かからない税金がありますので、確認しておきましょう。

財産分与の種類

相談者

「財産分与を決める際に、分配の割合の決め手になる要素ってなんですか?」

財産分与を決める要素として、以下の3つがあります。

①婚姻中の共同財産の清算的要素
·清算的財産分与

結婚している間に、夫婦で協力して形成した財産を共有財産とし、それぞれの貢献度に応じて公平に分配

②離婚後の扶養的要素
·扶養的財産分与

離婚後に夫婦の一方が生活に困窮する可能性がある場合に、生活を補助するための財産の分与

③離婚による慰謝料的要素
·慰謝料的財産分与

離婚原因などで夫婦の一方から他方へ慰謝料を支払う場合、その慰謝料を含めた財産の分与

財産分与の手続きと期限

相談者

「夫婦喧嘩から、きちんと財産の取り決めもせず、勢いで離婚してしまいました。今から財産を分けてもらうことはできるのでしょうか?」

弁護士

「離婚後2年以内ならば可能ですが、2年を過ぎてしまうと…」

財産分与の手続きは通常、離婚の際に行います。
離婚する前に取り決めが行われなかった場合も、離婚後2年以内であれば手続きが可能です。

財産分与3つの手続き

協議による財産分与

調停・審判による財産分与

離婚訴訟の付帯処分

離婚の前に
夫婦で話し合う

①がだめなら
家庭裁判所で話し合う

②がだめなら
離婚訴訟をする

離婚後でも財産分与は可能です

離婚時に分与していない場合、離婚後に財産分与の請求が可能です。
ただし、前述の通り離婚後2年以内に請求する必要があります。
離婚後2年以内に財産分与の調停・審判等を申し立てていれば、調停成立・審判確定時に離婚時から2年を経過していたとしても財産分与は可能です。

みんないくらくらい?財産分与の相場

令和2年の司法統計によりますと、離婚調停・審判事件において、婚姻期間別の財産分与支払額は以下のようになっております。 やはり、婚姻期間が⻑くなればなるほど、財産分与の金額も大きくなる 傾向にあります。

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財産分与に関する名古屋総合法律事務所の解決事例のご紹介

財産分与に関してよくあるご質問

離婚をすることになりましたが、家のローンがまだ残っています。
離婚後も妻と子供が家に住みたいと言っており、私も異論はないのですが、
ローンの支払いはどうしたらいいでしょうか?

家のローン契約は、ローン名義人と金融機関との間の契約ですので、夫婦の事情のみで名義などの変更はできません。
もし、ローンの名義変更をする場合などは、金融機関の承諾が必要です。

離婚をすることになりましたが、自分は専業主婦で収入がありません。
特に資格もないので、今後の生活が不安です。
どうしたらいいでしょうか?

専業主婦の方でも財産分与を請求することが可能です。
専業主婦の場合も、収入を得る夫と財産形成においては平等であるという考えが主流となっておりますが、婚姻期間内の実際の働きによってその割合が異なる場合があります。

財産分与に関するブログのご紹介

財産分与のことなら名古屋総合法律事務所へ

「離婚して人生の新たなスタートを切りたい!でもお金が心配」
新たな生活を始めるためにも、どうしてもお金は必要となってきます。
財産分与する側・される側がともに新しい人生を豊かなものにしていくために、離婚時の財産分与をしっかり検討しましょう。
また、財産分与には不動産の知識、税金の知識など、離婚だけではない知識が必要となってきます。

名古屋総合法律事務所では、不動産、税金に強い弁護士と、不動産に強い司法書士、税金に強い税理士がチームを組んで1つ1つの案件に対応いたします。

新しい人生のスタートを万全な形で迎えるために、財産分与のことなら私達プロにお任せください。