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退職金と財産分与

退職金夫はあと3年で定年退職を迎えます。
定年まで我慢しようと思いましたが、限界になったため、退職を待たずに離婚したいと思います。
この場合、今後夫に支払われる予定の退職金は財産分与の対象になりませんか?

質問に対する法的な回答

通常退職金が支払われているような会社であれば、退職まであと3年との状況では退職金も財産分与の対象となる可能性が高いでしょう。まずは、具体的分与額等につき、夫婦間で話し合いましょう。

その理由・根拠

財産分与の中心的要素は、夫婦が婚姻中に協力して形成した財産を離婚に際して清算するという清算的要素であると解されています。また、退職金は、一般的に労働対価である賃金の後払的性質を有すると解されています。
したがって、労働の対価的側面を有する退職金は、夫婦の他方による家事労働等を含めた種々の協力を通して勤務を継続できたからこそ獲得できたものとして、財産分与の対象となります。
たとえ妻が専業主婦であった場合でも、家事労働などにより夫婦の婚姻中の財産形成に寄与したものとして、退職金のうち婚姻中の労働の対価と評価される分については財産分与を請求することができるのです。

もっとも、昨今の経済情勢からすれば、勤務先の倒産、給与の減額といった事態や、予期せぬリストラや懲戒解雇による退職ということも考えられ、将来確定的に退職金が支払われるとは断定できません。
そのため、実務の取扱としては、将来の退職金については、支給される蓋然性が高いことを条件に清算対象財産になるとしています。

退職金の具体的な分与額算定方法は裁判例によっても分かれています。
まず、ひとつの考え方として、離婚(別居)時に自己都合退職した場合の退職金の額から、婚姻前の労働分を差し引いた額を算定するというものがあります。このような考え方は、定年退職よりかなり前に離婚する場合でも退職金を財産分与の対象として扱うことができます。

次に、定年まであとわずかな場合の離婚においては、定年退職時の退職金から、別居後の労働分を差し引いて、中間利息を控除して算出するという方法が採られることがあります。

どうすればよいのか?

財産分与の対象となる退職金がいくらなのかは、まずは夫婦間で話し合いをして下さい。もし話し合いがまとまらなかったり、夫が話し合いに応じなれば、調停をすることも考えられます。離婚調停に併せて調停することもできますし、財産分与請求調停を申し立てることもできます。
すでに述べたように、将来の退職金は支給される蓋然性が高いことが条件となっており、また、財産分与額算定方法が明確に決まっているものではないことから、仮に離婚できた場合に、夫の退職金を含め、財産分与としていくらくらい請求できそうなのか等一度専門家に相談することをおすすめします。

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