妻 Aさん
夫
Aさんは、夫が急に家から出ていき、離婚を求められたため、どのように対応するか相談にいらっしゃいました。
当事務所では、夫との間で生活費の取り決めがないということで、まず婚姻費用分担調停を申し立てることとしました。
その後、相手方が離婚調停を申し立ててきたため、離婚条件について協議し、最終的には自宅を財産分与してもらい、住宅ローンの支払いをAさんが引き受けることで離婚が成立しました。
住宅ローンの残っている自宅をどのようにするか、離婚・財産分与で問題になることが多くあります。
売却してローンを返すこともありますが、実際にいくらで売れるか不明なことと、住居をどうするかという問題があります。
場合によっては、住宅ローンを支払うということで、住宅の名義を変更してもらう場合もあります。
約1年
夫 Aさん 50代
妻 50代
配偶者が不貞行為を行ったため、それに耐えかねて別居をしました。すると配偶者がAさんに対して、婚姻費用分担調停を申立て、生活費の支払いを求めてきました。
そこでAさんは、その調停への対応のため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、配偶者からの請求に対して、不貞行為の証拠を提出し、配偶者の請求が信義則違反・権利濫用である旨を主張し、最終的には一般的な裁判所基準の半額程度の婚姻費用に減額することができました。
婚姻関係を破綻させた側からの生活費(婚姻費用)の請求は、信義則違反として認められない場合や、一般的な水準から減額される場合があります。
しかし、証拠の有無、別居までの事情など様々な要素が関係しますので、必ずしも信義則違反が認められるとは限らない点に注意が必要です。
約6か月
夫 Aさん
妻
Aさんは、配偶者との生活に耐え兼ね、別居をしたタイミングで離婚についてご相談にいらっしゃいました。自分では配偶者と直接話すことが耐えられないということで、当事務所が代理して離婚の交渉に当たりましたが、配偶者からは婚姻費用分担の調停を申し立てられました。
婚姻費用分担調停では、Aさんが配偶者の住む家の住宅ローンを支払っていたり、配偶者の生活費を口座振替などで負担していたことから、住宅ローン負担分などを調整した上、最終的にはその家から引っ越してもらい、婚姻費用額の合意ができました。
婚姻中の夫婦の間では、収入額や子供の人数によって婚姻費用(生活費)を分担する義務が生じます。その際に、片方が住宅ローンを支払っている住宅にもう片方が住んでいる場合や、片方がもう片方の生活費を負担している場合に、そのような費用負担をどのように精算するか問題になり、時間がかかることもあります。
約6か月
夫 Aさん 20代
妻(別居中)30代
子 1人
Aさんは、配偶者が一方的に別居したため、それ以上は結婚生活を続けられないと思い、配偶者に対して離婚の調停を申し立てました。それに対して、配偶者側からは、婚姻費用の調停が申し立てられ、どのように対応したらいいか分からず、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
離婚に関しては、配偶者が離婚について判断できないということで、早々に不成立で終わりました。婚姻費用に関しては、配偶者側が以前からAさん名義のクレジットカードの家族カードを使っていたり、別居の時期と婚姻費用調停申立ての時期がずれているなど、いくつかの争点がありました。
最終的には、過去分のクレジットカード利用料の精算をAさんが求めない代わりに、配偶者からの請求額をやや少なくするということで、合意が成立しました。
現在の一般的な裁判所の運用では、婚姻費用調停の申立てがあった月から、過去の婚姻費用を精算するという運用が多いと思われます。別居の時点や婚姻費用調停を申し立てた月が異なる場合、過去に一部の費用・生活費を負担していた場合などは、争いの程度が大きくなる場合があります。
約4か月
夫 Aさん 20代
妻(別居中)30代
Aさんは、配偶者との離婚を前提に別居しましたが、配偶者が話を翻し、婚姻費用の調停を申立ててきました。そのため、Aさんはどのように対応をしたらいいか分からず、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
調停では、配偶者が育児休業の給付を受けていたため、配偶者側ではその金額を基に、一般的な婚姻費用の算定式に当てはめて婚姻費用額を計算していました。しかし、育児休業の給付の場合には、一般的な算定式に含まれる費用のうち職業費がかからないことが見落とされていましたので、その点を主張し、もともとの配偶者からの請求額よりも低い金額で合意することができました。
そこで、裁判所から、調停に代わる審判を出すことを提案され、Aさんにとって受け入れ可能な決定内容が出されたことから、お互いに異議を申し立てず、確定しました。
婚姻費用(生活費)は、現在は裁判所の一般的な算定方式によって計算されることが大半でしょう。しかし、この算定方式の考え方をある程度理解しておかなければ、減額できる要素を見落とす可能性もあります。
約6か月
夫 Aさん 50代 男性
妻(別居中) 50代 女性
Aさんは、配偶者との生活に耐えられず別居し、妥当な生活費を支払っていましたが、配偶者から婚姻費用分担の調停を申し立てられました。それに対する対応が分からず、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、Aさんの代理をした上で、配偶者側からの請求に対して反論を行い、婚姻費用の減額要素となる点を主張しましたが、お互いの主張額にかなりの 開きがありました。
そこで、裁判所から、調停に代わる審判を出すことを提案され、Aさんにとって受け入れ可能な決定内容が出されたことから、お互いに異議を申し立てず、確定しました。
婚姻費用分担調停は、当事者双方の主張に開きが大きく、話がまとまらない場合には、不成立となり、原則としては自動的に審判が出されます。ただ、その場合にはさらに時間がかかることから、裁判所から調停に代わる審判を出し、裁判所が妥当と考える方法で決着をつけることを提案される場合もあります。
約6か月
夫 Aさん 50代
妻(別居中) Bさん 50代 女性
子 二人
Aさんは、配偶者から多額の生活費を請求されていたことから、そのままでは生活が成り立たないと考え、別居を機に生活費を明確にするよう、当事務所に相談にいらっしゃいました。
当事務所では、ご事情をお聞きし、年収などから妥当な生活費(婚姻費用額)を計算して、別居とともに配偶者にその金額を連絡し、支払を行う方法を提案しました。
これに対して、配偶者からは不満があったため、婚姻費用分担調停を申し立てされましたが、協議の結果、当初の提案額から端数を切り上げる程度での調停が成立し、解決しました。
生活費(婚姻費用)に争いがある場合、一般的には受け取る側から婚姻費用分担調停を申し立てることが大半です。逆に、支払う側から明確にしたいという場合には、支払う側からの婚姻費用分担調停を申し立てるという方法も考えられます。
約6か月
夫 Aさん 40代 公務員
妻(別居中) Bさん 40代 女性
子 一人
婚姻期間:7年
Aさんは、自営業をしていましたが、突然、妻から家を追い出され、その上で婚姻費用(生活費)を請求する調停を申し立てられました。そのため、弊所に対応を相談しにいらっしゃいました。
既に調停が申し立てられていたことから、調停の代理を受け、Aさんの意向を主張しました。
最終的には、話合いで解決せず、調停は不成立となり、裁判所の決定(審判)で婚姻費用の額が決まりました。
生活費(婚姻費用)の問題であっても、自営業等で収入が不安定な場合、住居費や水道光熱費などの負担・精算の問題がある場合、話し合いがつかない場合など、長引くことがありますので、注意が必要でしょう。
約1年6か月
夫 Aさん 30代 公務員
妻(別居中) Bさん 30代 女性
子 一人 未成年
婚姻期間:5年
Aさんは、妻が別居する際に、Aさんのクレジットカードとキャッシュカードを持ち出され、別居した後も使用を続けられていました。生活費について折り合いがつかなかったため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
代理でクレジットカードやキャッシュカードを返還し、定額の婚姻費用を支払うという交渉をしましたが、相手方が応じないことから、通常は支払う側から婚姻費用分担調停は申し立てませんが、金額を明確にするため、Aさんの方から婚姻費用分担調停を申し立てました。
結果として、クレジットカード・キャッシュカードは調停の際に返還された上、使用したクレジットカード利用料が婚姻費用と同額程度であったため、過去の婚姻費用はそれで精算されたものとし、将来に向けて一定額の婚姻費用を支払うという審判が出され、金額が明確になりました。
婚姻費用分担調停は、通常、支払を求める側から申立てをすることが圧倒的に多いと思われます。
しかし、婚姻費用でどうしても折り合いがつかず、婚姻費用を受け取る側から調停を申し立てないような場合には、金額を明確にするために支払う側から調停を申し立てることも可能です。
これによって裁判所が金額を明確にしてくれれば、1つの争いに決着がつくことになります。
約1年
夫 Lさん 50代 男性
妻 Mさん 女性
婚姻期間:25年
Lさんは、長年別居していた妻から、突然、婚姻費用を支払うことを求める調停を申し立てられました。
Lさんは、手続きの流れ等が分からなかったことから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、妻の収入の確認やLさんが妻の保険料を支払っていたこと等の事実関係を整理し、婚姻費用額は裁判所の算定表程度で合意しましたが、過去の婚姻費用からAさんが支払っていた妻の保険料を控除することも合意し、婚姻費用に関する問題を解決しました。
婚姻費用の分担を調停で求められることがあります。
この場合、いつの婚姻費用から精算するかとなると、一般的な裁判所の運用としては、婚姻費用分担の調停を申し立てた月からとすることが多いでしょう。
そのため、婚姻費用の分担を求める場合には、翌月になる前に調停を申し立てた方がいい場合もあります。
約6か月
Aさん(妻・50代・女性・会社員)
夫(別居中)
Aさんは、浮気をした配偶者と別居する際に、生活保障という意味合いで、一般的な基準よりも高めの婚姻費用の合意をしていました。しばらくして、浮気をした配偶者から、定年退職して収入が下がるから婚姻費用を減額するよう求める調停が起こされました。
Aさんから依頼を受けた当事務所では、配偶者が、もともとの婚姻費用を取り決めた際の事情を無視し、単に定年退職後の収入額だけで減額後の婚姻費用額を主張していましたので、事情変更されている部分とされていない部分を分け、事情変更されていない部分もあるので、単純な収入の比較によって減額すべきではない旨を主張しました。
その結果、当初の婚姻費用額よりも下がりましたが、配偶者が主張する金額よりも大幅に上乗せされた婚姻費用額が、裁判所により決定されました。
婚姻費用の減額は、事情の変更があれば認められる場合があります。きちんと減額を取り決めるのであれば、裁判所の調停手続によって申立した方が無難でしょう。ただし、もともとの婚姻費用額、その金額を取り決めた事情によっては、単純には決まらないこともありますので、注意が必要です。
約6ヶ月
Aさん(夫・依頼者様)
妻(義務者)
子供二人(高校生・中学生)は父親である依頼者様と同居
本件は、夫が自宅を出るかたちで妻と別居し、子らは夫(子らにとっては父親)と同居している事案でした。
依頼者様である夫は、別居後、暫く婚姻費用を請求していなかったのですが、離婚の紛争が長期化してきたことや妻の収入が安定してきたこともあり、婚姻費用の請求に踏み切りました。
本件は、妻が自宅に子供を呼び、結構な頻度で食事を食べさせたり、日用品の購入をしているという事情がありました。
妻側は、この点を主張して、かなりの額の減額を求めてきました。
調停では、双方の主張の開きが大きかったため、審判に移行しました。
本件は、そのほかにもいくつか大きな争点がある事案でしたが、結果として、夫側の主張が大幅に取り入れられるかたちで審判が出ました。
その後、妻側は即時抗告しましたが、最終的には、妻側が即時抗告を取り下げたため、本件は終了しました。
本件は、妻側が極端な主張をしすぎなければ、審判の内容よりも妻に有利な形での和解もできたのではないかと思っています。
そういう意味では、弁護士として、審判になった場合の予測と落としどころを見極めるのは大切だと、改めて思いました。
Aさん
Aさんは、夫や子と普通に生活していましたが、夫から突然、好きな人ができたから離婚するように求められ、自宅を追い出されることになりました。
Aさんは、生活費も受け取れず、生活のあてがありませんでしたので、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんのご意向をお聞きし、離婚自体は構わないというご意向でしたので、速やかに離婚調停と婚姻費用分担の調停を申し立て、まずは婚姻費用を受け取ることにしました。
離婚調停では、夫は、浮気を否定したり、自宅を売ると言ったり、様々な行動をとりましたが、粘り強く交渉した結果、慰謝料を含む解決金を受け取り、年金分割もして、解決しました。
別居した場合に、生活費を支払ってもらえないことがあります。
そのような場合には、速やかに婚姻費用分担調停を申し立てるなど、生活費を確保するための行動が必要でしょう。
1年
Aさん 会社経営者
Aさんは会社経営者であり、多額の役員報酬を得ていました。
妻のBさんとは長年別居していましたが、生活費は支払っていました。
ある時、突然、AさんとBさんの子供が私立大学医学部に合格したので、年間数百万円に上る学費を支払うように求められ、婚姻費用分担調停が申立てられました。
Aさんは対応に困り、弊所にご相談にいらっしゃいました。
婚姻費用分担調停で協議をしましたが、支払額の合意ができず、最終的には審判で裁判官が決めることになりました。
会社経営者の場合で収入が多いときや、私立大学医学部などの高額な学費を負担する義務があるかどうかといった争点が多くありました。
Aさんは、医学部に進学することは知らなかった等として争いましたが、審判では、Aさんの収入や子との関係から、学費の大部分の負担が認められることになりました。
これに対して不服申し立てをして、高等裁判所で争ったところ、学費は認められましたが、審判よりも減額した金額で結論が出されました。
収入が多い場合、婚姻費用の額も多くなりますが、どこまでも高額になるとは限りません。生活費として使われる部分には限りがあると思われるためです。
収入が多い場合や私立大学医学部の学費など特殊・高額な学費といった論点が多くなりますと、結論が見通しにくくなってきます。
1年
Aさん
夫:会社経営者
Aさんの夫は、会社を経営しており、多くの役員報酬を得ていました。
しかし、突然、夫が役員報酬を下げ、生活費の減額をしたことから、Aさんは弊所にご相談にいらっしゃいました。
突然、役員報酬を下げ、生活費の減額をされた場合には、任意での話し合いが容易ではないと思われましたので、速やかに婚姻費用分担調停を申し立て、調停の中で協議をすることにしました。
調停では、夫は、会社が赤字になった等の主張を行い、対立が大きかったため、裁判所の判断を求めることになりましたが、一審では役員報酬の減額による婚姻費用の減額は認めない結果になりました。
夫が不服申し立てをして、最終的には、高等裁判所で、役員報酬を減額した場合としなかった場合の中間辺りの金額で和解をして解決しました。
会社員の給与であれば、簡単に減らすことができませんし、仮に減ったとしてもやむを得ない収入減少だとして、婚姻費用の算定に反映しやすいと考えられます。
他方、役員報酬は、代表者であれば比較的減らしやすいと考えられます。
このような場合に、婚姻費用の争いでは、会社業績が赤字である等、合理的な理由があれば役員報酬の減額後の報酬額を基に婚姻費用が計算される傾向にあると思います。
逆に、会社業績に変動がないのに役員報酬を減額しても、減額後の金額を基に婚姻費用の減額が認められるとは限りません。
1年
Aさん
Aさんは、普段、夫の預金口座のキャッシュカードを預かって、必要な生活費の引き出しをしていました。
しかし、突然、夫がキャッシュカードを使えなくしたため、Aさんは生活費を引きだすことができなくなりました。
困ったAさんは、弊所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんは夫の源泉徴収票の写しを持っていましたので、源泉徴収票の金額を基にした婚姻費用額を請求しました。
すると夫から、源泉徴収票に記載された金額には、月数万円の交通費が含まれているから、婚姻費用の計算は源泉徴収票に記載された金額どおりでは計算できないという反論がなされました。
それに対して、非課税の範囲での交通費であれば源泉徴収票には含まれないはずだと反論し、給与明細の開示を求め、内容を検討したところ、最後には夫が反論を撤回して、源泉徴収票に記載された金額を基に計算した婚姻費用の額で合意できました。
婚姻費用や養育費の額は、会社員であれば、通常は源泉徴収票に記載された額を基に計算されます。
しかし、交通費が含まれていたり、住宅や保険料など所得の計算に含まれるけれども現金で支給されるわけではない金額が源泉徴収票に記載された金額に含まれていることもあります。
そのような場合には、反論をするにしても、何が、いくら支払われているのか分かる資料が必要になります。
4か月
Aさん 40代 女性 パート
夫:50代 団体職員
婚姻期間:15~20年
子ども:なし
Aさんは、4年前から夫と別居をしていました。別居中に、Aさんと夫とが連絡を取り合うことはほとんどありませんでした。そのため、Aさんは、夫との婚姻関係を継続していくことに疑問を覚えました。そこで、婚姻を継続するか離婚をするかについての話し合いの場を設けたいと考えていましたが、その場を設けることができていませんでした。
Aさんは、離婚に関して迷いがありましたが、どのようにしたら夫婦関係についての話し合いをすることができるかどうかについて相談にいらっしゃいました。
Aさんは、夫から婚姻費用を一切もらっていないとのことでしたので、まず、婚姻費用分担調停の申し立てを行いました。
調停は1回で成立し、婚姻費用を獲得することができました。
離婚については、お互いに急を要していないことから、すぐには結論を出さず、しばらく別居を続け、当事者間で話し合いを継続することになりました。
婚姻費用分担調停の申立ては、お金を必要とするからではなく、あくまでAさんと夫との話し合いの契機を作るという目的でなされました。
夫は、調停申立てを受けることで、Aさんが自分に真剣に向き合ってくれていると感じ婚姻費用の支払いに応じるとともに、今後は当事者間でしっかりと話し合いをしていきたいと言っていました。Aさんは、結論が婚姻継続であれ、離婚であれ、話し合いをすることができるようになって良かったとおっしゃっていました。
調停が当事者間の話し合いを進める機能も果たすことが確認できたケースでした。
3か月
Aさん 40代 女性 夫経営会社の従業員
夫:40代 会社役員
婚姻期間:約12年
子ども:2人
Aさんは、夫のBさんと2人の子供たちと共に平穏な夫婦生活を送っていました。
Bさんは会社役員であることから接待等で帰宅が遅くなることは日常的でしたが、ある年の年末から自宅にほとんど帰宅しなくなり、年が空けると別居を宣言しました。
BさんはCさんという女性と不倫を関係にあり、離婚を要求してきましたが、未成年の2人の子供の生活を考えてAさんは離婚に応じませんでした。するとBさんの会社から給料名目で支払われていた生活費が止められてしまい、生活に困ったAさんは解決のためにご相談に来られました。
Aさんからの依頼を受けて、婚姻費用分担請求調停を申立てました。
合計3回の調停で、Aさんも納得できる金額で婚姻費用の合意ができ、解決終了しました。
約5か月
Bさん 60代 女性 無職
夫:60代 経営者
婚姻期間:30年~
子ども:2人(成人)
Bさんは、長年、自己中心的な夫との性格の不一致に苦しんで来られたところ、3年前からはご自分の病気のために闘病生活に入っておられました。このようなBさんの状況にもかかわらず、夫の思いやりに欠ける態度に変化が感じられなかったことから、Bさんは夫と別居状態になっておられました。
Bさんにはわずかな年金しかご収入がなかったこともあり、離婚の可否についてご相談にいらっしゃいました。
別居期間中の生活費を得るために、婚姻費用を分担する家庭裁判所の調停を申し立てたところ、相手方にも弁護士がつき、短期間で調停が成立しました。
ご夫婦の収入・資産などを勘案して、直ちに離婚を勧めることはせず、まずはBさんの収入を確保することを優先して提案いたしました。
熟年の夫婦であり、子どもさんが既に独立されていたことから、婚姻費用分担については早期に解決することができてよかったと思います。
2か月
Zさん 40代 男性 会社員
妻:40代 パート
婚姻期間:10~15年(別居期間 2か月)
子ども:2人
Zさんは、自身が家を出る形で別居しました。
その際、婚姻費用と住宅ローンを月々支払うことを口頭で妻と合意しました。
しかし、1か月後、妻は算定表の2倍近い高額な婚姻費用を支払うよう要求してきました。
Zさんがこれを拒否すると、妻はZさんの会社に電話するなどの行動をとってきたため、ご相談にいらっしゃいました。
調停外での交渉が難しい状況だったため、婚姻費用分担調停を申し立てました。
Zさんと妻の家計状況から、別居の際に取り決めた婚姻費用が適正な金額を上回ることを主張しました。
結果として、婚姻費用は当初の取り決めどおりの金額とすることで、申立から約3か月で調停が成立しました。
6か月
40代 女性 会社員
Aさんは、夫のBさんからの言葉の暴力に耐えかねて、2012年12月から子供と共に自宅を出て別居を開始しました。
別居後も親子で交流を持ち続けAさんは穏やかなこの状況が続くと考えていましたが、2014年夏になり、BさんはAさんに離婚を迫ってきました。
Aさんが未成年の子供のことを考えて離婚に応じなかったところ、Bさんは自宅に押しかけてくるようになり、また、生活費が支払われなくなったため、Aさんは解決のためにご相談に来られました。
Aさんからの依頼を受けて、当事務所は婚姻費用分担請求調停を申立てました。するとBさんが離婚調停を申立てて対抗してきました。
Bさんは、当初、離婚を求めていましたが、調停で事情を話し合った結果、離婚についてはBさんが取り下げることで回避することに成功し、婚姻費用も合意がまとまり、解決終了いたしました。
約6か月
離婚における金銭的な給付として、
主に①財産分与と、②慰謝料が問題となります。
①財産分与
婚姻期間中に夫婦が共同で形成した共同財産は、原則として2分の1ずつ分与されることになります。
②離婚に伴う慰謝料
離婚によって身体的・精神的苦痛を受けたと認められる場合、例えば、「相手方配偶者の不貞行為やDⅤなどによって離婚するに至った」と認められる場合には、慰謝料請求が認められます。
では、離婚の際に併せて行われることが多い、
法定の親子関係を消滅させる「離縁」の場合には、
①財産分与や②慰謝料を請求できるのでしょうか?
まず、離婚の場合においては、以下のとおり
①財産分与を請求できることが民法で規定されています。
【民法第768条 財産分与】 | |
---|---|
1項 | 協議上の離婚をした者の一方は、 相手方に対して財産の分与を請求することができる。 |
2項 | 前項の規定による財産の分与について、 当事者間に協議が調わないとき、 又は協議をすることができないときは、 当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。 ただし、離婚の時から二年を経過したときは、この限りでない。 |
3項 | 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。 |
これに対して、「離縁」の場合には明文規定や準用規定がありません。
なぜ明文規定がないのかというと、
養親親子関係は夫婦関係ほど濃密なものではなく、養子が年少であることが多い。
そのため、養子が養親とともに財産形成に寄与することは観念し難いため
であるとされています(「民法改正に関する国会関係資料」家裁資料34号225頁)。
このように離縁の場合においては財産分与を認める明文規定がないことから、裁判においても離縁による財産分与請求権は認められていません。
たしかに離縁調停や離縁訴訟の和解においては、財産分与を考慮して金銭給付の合意をすることは可能です。
しかし、それ以外の審判や訴訟において財産分与が認められた裁判は1件にすぎません(静岡家審昭和37年4月27日家月47巻11号86頁、ただし、離縁による財産分与を認めた根拠については触れられていません。)。
また、平成以降の裁判でも、離縁における財産分与については、
現行民法には、離婚による財産分与請求に関する規定を、
離縁について準用する旨の規定はない。
これを実質的意義から考えても、
夫婦間においては、「互いに協力して財産を形成する関係」があるのに対して、
養親子間においては、これと同様の関係は存しないのであるから、
両者を同一視することはできない。
そこに準用規定を置かなかった立法者の意思があるものと考えられる。
として、財産分与の規定がないことを理由に認めませんでした(東京地判平成5年12月24日家月47巻11号86頁)。
そのため、離縁においては財産分与請求は認められず、立法的解決を待つほかはないことになります。
他方で、離縁による慰謝料請求については、離婚の場合と同様に、「縁組当事者の一方は、有責な相手方に対して慰謝料請求ができる」ことに争いはありません。
その請求理由としては、
㋐悪意の遺棄、暴行といった離縁の原因となった個別的行為に対する精神的苦痛
㋑離縁そのものにより被った精神的苦痛
が挙げられます。
このうち㋑については、前掲東京地判平成5年12月24日においても、以下のように、離縁そのものについても慰謝料請求権が発生する場合があることを認めています。
離縁についても、
縁組によって期待された合理的な親子関係が破綻したことによって
精神的な苦痛を被った場合には、
慰謝料請求権が発生するというべきである。
しかし、養親子関係は、夫婦関係と異なって人間関係の緊密度が比較的薄く、
破綻によって受ける苦痛の程度も、離婚の場合に比較して一般的に低いということができる。
上記のように、この裁判例では、離縁による慰謝料請求権が発生することは認められました。
もっとも、
この裁判例の事案では、
として、結論としては、
養子から養親に対する慰謝料請求は認められませんでした。
なお、離縁によって法定親子関係が消滅して当然に相続権は失われるものであるから、相続に対する期待を「期待権」とし、この「期待権」の侵害を理由として不法行為に基づく損害賠償請求をできないとされています。(横田勝利「離縁に伴う慰謝料・財産分与」判タ747号251頁)
慰謝料の算定にあたっては様々な事情が考慮されますが、特に養親子関係の破綻原因、有責割合、縁組(同居)期間、双方の収入、資産、年齢等が重視されます。(前掲横田・251頁)
また、上記以外の事情でも、財産分与や扶養されることの期待も考慮されます。
ただ、どの程度の財産的利益が期待でき、法的に保護すべきであるかを慎重に判断しなければならないとされています。
さらに、前掲東京地判平成5年12月24日でも判断されたように、離縁の場合は、法定の親子関係の解消であることに加え、人間関係の緊密の程度が夫婦関係に比べて希薄であることが多いと考えられています。
そのため、養親子関係の破綻により当事者が受ける精神的苦痛の程度も、一般的に低く評価されることになります。
以上のとおり、離縁においては財産分与は認められていませんが、慰謝料請求は認めれています。
ただ、慰謝料請求についても、離婚の場合と比較して、実際に認められるためのハードルは非常に高いと思われます。
もっとも、紛争の全体的・一回的解決のために、離縁調停や離縁の訴えにおける和解において、養親子の財産形成に対する貢献等を考慮し、財産分与的な給付がなされることも多いです。(東京弁護士会法友全期会家族法研究会「離婚・離縁事件実務マニュアル」(第3版、ぎょうせい、2015年))
そのため、
「離縁において財産分与は認められない」
「慰謝料請求はハードルが高いから」
といって諦めず、まずは弁護士に相談してみることをお勧めいたします。
弁護士が、縁組に至った事情、縁組の目的、財産形成への貢献度、離縁に至った事情、離縁に至る原因の帰責性、離縁後の生活状況(経済状況)等の事情を踏まえ、財産的給付を主張いたします。ぜひお気軽にご相談ください。
『人口動態統計』をご存知でしょうか。厚生労働省が作成している統計で、厚生労働省のホームページには「出生・死亡・婚姻・離婚及び死産の5種類の「人口動態事象」を把握し、人口及び厚生労働行政瀬策の基礎資料を得ることを目的」とした統計になります。毎月の速報値から概数、そして年間の確定した値が追って厚生労働省のホームページに掲載をされていきます。
今年6月上旬に令和2年(2020年)の人口動態統計月報年計(概数)が発表されました。昨年は「コロナ離婚」という言葉も出てきましたが、平成31年・令和元年(2019年)と比較し、離婚件数はどう変化したのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
令和2年の離婚件数は19万3251組でした。平成31年・令和元年の離婚件数は20万8496組でしたので、離婚件数自体は減っているということになります。また前年比は約92.7%となります。
また厚生労働省が作成したグラフを見ると、令和2年の離婚件数の減少は近年と比較すると減少幅が大きくなっていることもわかります。「コロナ離婚」という言葉は出てきたものの、実際数字で見てみると、離婚件数は減少しており、離婚原因の一つとして、目新しいものとして騒がれただけかもしれませんね。
また都道府県と政令指定都市別にも離婚件数の概数が発表されています。 令和2年の愛知県の離婚件数(概数)は1万1713件、名古屋市の離婚件数(概数)は3897組でした。(離婚届が提出された都道府県、政令指定都市を数えたものになります。)全国離婚件数の内、約5.94%が愛知県、約2.02%が名古屋市となります。また、愛知県内の離婚件数の内、約33.3%が名古屋市となります。
平成31年・令和元年の愛知県の離婚件数は1万2342件、名古屋市は4144件でした。愛知県と名古屋市の離婚件数の前年比を見てみると、愛知県は約94.9%、名古屋市は約94.0%となるので、全国の前年比に比べると若干高くなる結果となりました。
令和2年は2月後半以降から新型コロナウイルスの影響で自粛ムードが世の中に広がり、外出する機会も今までに比べると減ってしまった方が多いと思います。そのことで自宅にいる時間が長くなり、些細なすれ違いが離婚原因になったというお話も伺うことがあります。 もし離婚を決意されて、今後どう進めていけばいいか、配偶者と離婚について揉めて困ってしまった等、離婚についてのお困りごとがあれば、ぜひ弊所までご相談くださいませ。
先日、スポーツ選手夫婦の離婚発表が話題になりました。
なんでも、二人のお子様は
「共同親権」
になったそうです。
日本でも最近、時々、耳にするようになった「共同親権」
夫婦が離婚するときに、未成年の子どもがいる場合は、必ず、夫か妻かどちらが親権をもつか決めなければ、離婚届が提出できません。
親権の一部に監護権があります。
監護権とは子どもの近くにいて、子どもの世話や教育をする親の権利義務です。
冒頭に述べた夫婦の場合、夫と子どもが日本国外に住んでいて、妻が日本に住んでいるため、共同親権と言っていますが、おそらく監護権は夫が持つと思われます。
ここまでの報道はされていないうえ、外国籍の人と日本国籍の人との離婚は、日本国籍同士の離婚とは決まりに違いがあり、これ以上はわかりませんが。
日本国内では、それより前、単独親権は憲法違反として損害賠償請求を求めた訴訟では、請求が棄却されました。
とはいえ、法務省の法制審議会の中では、離婚後も父母双方が親権を持つ共同親権導入の是非もテーマに含まれ、検討されてはいるようです。
海外ではどうでしょうか。 法務省の公表によると、調査した主要24か国中22か国で共同親権が認められているという結果でした。
共同親権には、
というメリットもあります。
今後も共同親権の是非がさらに議論されることでしょう。
離婚事件の事務をしていますと、面会交流を実施することに纏わるいろいろな場面をたびたび目にします。
法務省のHPによると、
「面会交流」とは、子どもと離れて暮らしている父母の一方が子どもと定期的、継続的に、会って話をしたり、一緒に遊んだり、電話や手紙などの方法で交流することをいいます。(詳しくはこちら)
面会交流を実施するにあたり、あらかじめ父母たる夫婦(元夫婦)で取り決めをするのですが、
ましてや、コロナ下、外出自粛や、県をまたいでの移動の自粛などを理由に、会わせる側の親が面会交流の実施を拒むケースが多いと聞きます。
そもそも、 面会交流は、子どもの健やかな成長のために重要なものです。
まずはそこを考慮したものでなければなりません。
また、法務省のHPによると、子供の安全を確保することが困難を生じるならば、面会交流の方法の変更を検討する必要があります。
従前は直接会う形の交流が続けられてきた場合でも、一定期間、通信機器等を利用しての代替的な方法に変更することを勧めています。(詳しくはこちら)
今の時代、電話やビデオチャット、手紙、写真やビデオなど便利な方法があります。
いずれにせよ円滑な交流のためには話合いが必要になります。
名古屋総合法律事務所では面会交流に関する事例も多く取り扱っておりますので、お困りのことがございましたら、お気軽にご連絡ください。
弁護士 杉浦 恵一
夫婦間や婚約者間など一定の関係がある当事者間では、例えば浮気があった場合に、将来の慰謝料(損害賠償)の予定をすることが散見されます。
今回は大目に見て許すけど、次は罰(慰謝料)を決めて防止したい
将来の浮気を防止するために高額の慰謝料の予定をすること、例えば、
次に浮気をしたら慰謝料1000万円を直ちに支払います。
などといった誓約書を書いてもらうという場合も見られます。
このような将来の慰謝料(損害賠償)の金額を予め決めておくことは、どのような場合・金額でも有効なのでしょうか?
まず、民法420条では、以下のように定められています。
1 | 当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。 |
---|---|
2 | 賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。 |
3 | 違約金は、賠償額の予定と推定する。 |
このように、民法では、債務の不履行、つまり約束が破られた場合の損害賠償を予定することを認めています。
将来的に浮気をした場合の慰謝料額を決めておくことも、民法上は有効です。
ただし、特別法で賠償額の予定ができない場合もあります。
労働基準法では、
「従業員に賠償額の予定や違約金の額を定めてはならない」
とされています。
では、どのような金額の慰謝料(損害賠償)の予定も有効だと認められるのでしょうか?
過去の裁判例では、
二度と浮気をしないという約束とともに、この約束を破って浮気をした場合には、5,000万円を賠償するという誓約書を作成した事例
で、この賠償の約束に基づいて5000万円の支払いを求める裁判を起こしたところ、裁判所は、このうち1000万円の支払いを認めた。
という裁判例があります。
この裁判例では、裁判官は、
つまりこの裁判例では、
という内容です。
ここで出てくる民法90条は、
公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。
という条文です。
つまり、あまりに高額な慰謝料は、公の秩序又は善良の風俗(略して「公序良俗」)に反して無効だと判断されたということです。
日本の裁判所は、前述のような
「民事関係の法律一般に用いることができる社会通念」
を使って、一部の法律行為を無効とする場合があります。
他には、民法1条3項で、
権利の濫用は、これを許さない。
という条文もありますので、この条文を使って一部の法律行為を無効とする場合もあります。
賠償額の予定をしている以上、請求する権利はあると言えます。
しかし、実際に裁判に訴えて取り立てるところまでいくと、権利を濫用しているという判断になりそうです。
前に挙げた裁判例では、訴えられた方は、
「民法93条但し書きや民法94条によって無効だ」
とも主張していました。
しかし、この裁判例では、この主張は認められませんでした。
民法93条とは、いわゆる心裡留保(しんりりゅうほ)と言われるものです。
条文は、
意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。
ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意でないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
というものです。
例えば、将来の慰謝料の予定で言えば、
高額な慰謝料の約束をしたのはあくまで浮気を防止するためのもので、お互いに高額な慰謝料が取れるとまでは思っていなかった
という場合、将来の慰謝料の約束は無効になる場合もあります。
また、民法94条は、いわゆる通謀虚偽表示(つうぼうきょぎひょうじ)と言われるものです。
条文は、
相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
というものです。
これを将来の浮気の慰謝料にあてはめて考えるのは簡単ではありません。
しかし、例えば、
① 浮気相手に対して、
「浮気をしたら配偶者が高額な慰謝料を支払うから浮気をやめるよう」
と言って警告するため
② お互いに慰謝料を支払うことがないと認識して作られた誓約書
のような場合は、当てはまるのではないかと思われます。
このように、将来の浮気の慰謝料(損害賠償)の予定は、一般論としては有効です。
しかし、あまりに高額だと一部無効になる可能性もありますので、注意が必要でしょう。
弁護士法人名古屋総合法律事務所
弁護士 後藤 奈津季
高額所得者が別居する際の婚姻費用について解説いたします。
算定表では、
を年収の上限としています。
では、当事者の年収がこれらを上回るような、いわゆる高額所得者の場合、婚姻費用は、どのように算定したらよいのでしょうか。
この問題については、次の通り、いくつかの考え方があります。
義務者の年収が、2,000万円(自営業者の場合は1,567万円)を上回る場合であっても、算定表の額を上限とする考え方があります。
一般的に、義務者の年収が、算定表の上限周辺(プラス500万円程)の場合にこの考え方が取られることが多い傾向にあるようですが、下記のように、上限から約900万円を超える場合にもかかる考え方が採用された例もあります。
大阪高決平17.12.19
別居状態 | 年収 | 認められた婚姻費用 | その他の事情 |
---|---|---|---|
夫 | 2,880万(歯科クリニック経営) | 月額37万円 (旧算定表) |
夫は、妻が住む自宅の住宅ローン月額10万円を負担 |
妻 子2人(15歳未満) |
71万円(雑収入) |
大阪家審平22.1.25
別居状態 | 年収 | 認められた婚姻費用 | その他の事情 |
---|---|---|---|
夫 | 2,895万円(役員報酬) | 月額35万円 (旧算定表) |
|
妻 子2人(15歳未満) |
300万円(給与) |
婚姻費用は、総収入から、
という考え方により算出しています。
具体的には
❶ | 基礎収入を算出 |
---|
総収入×基礎収入割合
❷ | 世帯収入を算出 |
---|
義務者の基礎収入+権利者の基礎収入
❸ | 世帯収入のうち、権利者世帯に割り振られる婚姻費用を算出 |
---|
(義務者の基礎収入+権利者の基礎収入)×権利者側の指数の合計権利者側、義務者側の指数の合計
❹ | 義務者の分担額を算出 |
---|
権利者世帯に割り振られる婚姻費用-権利者の基礎収入
大変すぎる…
上記の通り、基礎収入さえ決まれば、あとは流れに沿って計算していくことができます。
先ほどもお話ししましたが、基礎収入というのは、総収入から必要不可欠な支出(公租公課・職業費・特別経費)を控除したものとなります。
ただ、事案ごとに必要不可欠な支出を控除して基礎収入を算出していく作業は大変ですので、総収入に下記の通りの基礎収入割合をかけることで、基礎収入を簡単に算出する方法が取られています。
給与所得者(万円) | 割合(%) |
---|---|
0~75 | 54 |
~100 | 50 |
~125 | 46 |
~175 | 44 |
~275 | 43 |
~525 | 42 |
~725 | 41 |
~1,325 | 40 |
~1,475 | 39 |
~2,000 | 38 |
自営業者(万円) | 割合(%) |
---|---|
0~66 | 61 |
~82 | 60 |
~98 | 59 |
~256 | 58 |
~349 | 57 |
~392 | 56 |
~496 | 55 |
~563 | 54 |
~784 | 53 |
~942 | 52 |
~1,046 | 51 |
~1,179 | 50 |
~1,482 | 49 |
~1,562 | 48 |
この点、基礎収入割合は、上記の表のとおり、給与所得者で38%、自営業者で48%までしか類型化されていません。
しかし、算定表の上限を超える高額所得者の場合も、基礎収入割合を修正し、特定できれば、基礎収入を算出することができるといえます。
高所得者の場合は何%?
ただ、どの程度修正するのかは明確な基準はありませんので、難しいところですが、年収6,000万円の給与所得者の養育費の事案で、基礎収入割合を27%として計算した裁判例があります(福岡高決平26.6.30)。
先ほど、総収入から、生活していくうえで必要不可欠な支出(公租公課・職業費・特別経費)を控除したものが、基礎収入だとお話ししました。
高額所得者の場合には、収入のうち貯蓄・資産形成に回る部分が大きくなることから、さらに、貯蓄率を控除したものを基礎収入とすべきだとする考え方があります。
神戸家尼崎支審平19.10.5
別居状態 | 年収 | 貯蓄率 | 認められた婚姻費用 |
---|---|---|---|
夫 | 3900万円(給与収入1410万円、不動産収入等約2500万円) | 18.8% | 月額60万円 |
妻 子(10歳) |
無収入 | 考慮せず |
大阪高決平20.6.9
別居状態 | 年収 | 貯蓄率 | 認められた婚姻費用 |
---|---|---|---|
夫 | 4855万円(事業所得4749万円・給与所得150万円) | 21.2% | 不明 |
妻 子2人(15歳未満) |
250万円(給与収入) | 考慮せず |
東京高決平28.9.14
別居状態 | 年収 | 貯蓄率 | 認められた婚姻費用 |
---|---|---|---|
夫 子二人(大学生の長男と同居、一人暮らしの大学生の長女の生活費を負担) |
3940万円(給与収入2050万円・不動産収入等約1522万円) | 7% | 月額20万円 |
妻 | 約75万 | 考慮せず |
上記裁判例で、他の2つの裁判例と比べ、東京高決平28.9.14の貯蓄率が7%と低くなっているのは、算定表の上限内の世帯においても、貯蓄率がゼロというわけではないため、統計上の高額所得者の貯蓄率から、標準算定方式の範囲内の世帯の貯蓄率を控除するという考え方がとられたためです。
同居中の生活状況、実際に支払われていた婚姻費用、現在の権利者の支出状況等から、個別具体的に決めていくという方法があります。
義務者の年収が億単位の場合には、このような方法がとられる傾向にあるようです。
婚姻費用は、あくまで生活費であり同居中の贅沢な生活をそのまま保障しようとするものではないとの考えから、婚姻費用の上限は、100万円程度に留めるべきだとする考え方があります。
一方で、義務者と同程度の生活を保障するものだという側面を重視すると、婚姻費用に上限を定めることに反対する見解もあります。
実際のケースでは、月額100万円以上の婚姻費用の合意がなされることも少なくはないようです。
離婚をする際に年金分割の手続きをする方が多数いらっしゃいますが、年金分割の手続きをする際にはいくつか注意点があります。
主な注意点は以下のことが挙げられます。
1 | 年金分割は合意や裁判手続き上の決定等が出ただけでは、分割されないこと |
---|
年金分割についての合意や裁判手続き上の決定等の書面等を持って、最寄りの年金事務所に行き、年金分割請求の手続きを取らないと年金分割はされません。
2 | 年金分割請求には離婚から2年以内に実施すること |
---|
年金分割請求ができるのは、原則として離婚した日の翌日から2年以内です。特例もありますが、原則2年と覚えておきましょう。
3 | 当事者の一方が年金分割の合意、あるいは裁判手続き上の決定した後に死亡した場合は、1か月以内でないと分割請求が認められないこと |
---|
離婚後、知らない間に元配偶者が死亡し、手続きのため戸籍を取得したら亡くなっていた…ということもあるかもしれません。
このほかにも注意点はあると思いますが、大きくこの3点が主な注意点ではないでしょうか。
「2年以内に分割請求をすればいいから、後回しでもいいかな…」
と思ってしまったら、いつの間にか年月が過ぎていた…なんてこともあるかもしれません。
離婚し、必要書類がそろったらすぐにでも年金事務所に行くことをお勧めします。
また、年金事務所では来所する際に予約を実施しているので、スムーズに手続きを進めるためには事前に予約をするのがベターではないでしょうか。
詳しくは年金事務所のホームページを確認してみましょう。
依頼者 夫Aさん
相手方 妻Bさん
Aさんは、いきなり配偶者から離婚調停を申し立てられましたが、離婚に納得できなかったため調停が不成立に終わりました。その後、配偶者から離婚訴訟を提起されたため、自分では対応できないと考え、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所で離婚訴訟の代理をしましたが、原告(配偶者)からは、不貞行為の慰謝料や養育費、財産分与を請求されていました。
Aさんからお話をお聞きし、不貞行為については否認し、財産分与については配偶者が明らかにしなかった財産を指摘したところ、最終的には養育費を相場よりも多めに支払うという内容で和解ができました。
離婚訴訟では、離婚のみではなく、親権者を誰にするか、養育費の金額、財産分与の金額や方法、離婚原因と関係のある慰謝料、年金分割といったことを一緒に決めるように求められることがあります。
裁判所の判決では柔軟な解決を図ることは難しいですが、裁判でも和解により、それ以外の内容を取り決めることも可能ですので、和解ができれば柔軟な解決を図ることができる場合もあります。
約2年
依頼者 夫Aさん
相手方 妻Bさん
Aさんは、配偶者から離婚訴訟を起こされましたが、ずっと自分で対応していました。本人尋問まで自分で行い、最終的に裁判官から和解提案がされましたが、その内容はAさんの主張が考慮されていませんでした。
Aさんは、自分一人ではどうしようもないと思い、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんのお話をお聞きしたところ、Aさんは主張はしているがその裏付け資料がなく、調査嘱託の申立てをするという話はしたけれども、やり方が分からずに実際に申立てをしていなかったということが分かりました。
そこで当事務所では、離婚訴訟の代理をして、Aさんが考えていた調査嘱託申立を行い、配偶者の財産に関する資料を取得、証拠提出したところ、裁判官の考えも大幅に変わり、当初の裁判所案の10倍以上の財産分与を取得する内容で和解が成立しました。
離婚調停をご自身でされる方はそれなりにいるようですが、離婚訴訟になるとご自身でされる方は大きく減ると思われます。離婚訴訟では、調停と異なり、裁判官が判断をする手続きのため、証拠の有無が重要になってきます。
約6か月
依頼者 妻Aさん
相手方 夫Bさん
Aさんは配偶者からのモラハラ等に耐え兼ね、 別居して婚姻費用を請求しました。また並行して離婚と財産分与の支払を求めました。しかし、配偶者が財産分与を嫌がり、離婚を拒否したため、離婚調停は不成立となり、離婚訴訟に移行しました。
離婚訴訟では、配偶者が離婚を拒否しつつ、財産分与についてもAさんに浪費があったから、50%を大幅に下回る金額しか分与しないと主張しましたが、最終的には裁判所の判断により約50%の財産分与が認められました。
財産分与で、分与の割合を50%(2分の1)から変更することが難しい場合が多いようです。過去の浪費などを主張する場合もありますが、 過去の話であれば実態が不透明ですので、現状の裁判所の運用では、そのような主張が裁判所に採用される可能性は低いと言わざるを得ません。
3年
相談者Aさん
相談者の夫Bさん
相談者のAさんは、結婚して同居中は、Bさんと一緒に仕事していました。
しかし、しばらくして、Bさんが、理由もはっきりせずに、突然、家を出て行き、お互いに別々に暮らすようになり、お互いに別の仕事をするようになりました。
その後、別居生活が長期間になり、ある日、突然、夫から離婚を求める調停の申立てをされました。
Aさんは、調停の対応に困り、弊所に相談にいらっしゃいました。
2人の婚姻期間は20年以上ありましたが、半分以上の期間は、別居をしていました。
Aさんは、別居中に婚姻費用を請求することができるとは知らなかったため、早急に、婚姻費用の支払いを求める調停の申立てをしました。過去の未払期間の婚姻費用は認められませんでしたが、申立てをした月からの婚姻費用の請求は認められました。
離婚調停は、決裂したため、離婚訴訟になりました。
長期間の別居により、別居時の財産資料が散逸しており、財産分与が認められるかどうかが争いになりました。年金分割の割合に関しても、長期間の別居をしていることから、Bさんから、0.5(半分)にするべきではないという主張が出ました。
財産分与に関しては、財産資料がないことから困難を極めましたが、早期解決を双方が目指したことから、BさんがAさんに解決金を支払うことで和解ができました。
また、年金分割に関しては、長期の別居の場合でも年金分割の割合を0.5(半分)とした裁判例(大阪高等裁判所決定令和元年8月21日判時2443号53頁)を提出するなどした結果、年金分割の割合を0.5とする内容で和解ができました。
婚姻費用の請求は、請求した時から認められると考えられておりますので、別居をした場合には、早期に請求をすることが重要です。
また、請求をしたかどうかがはっきりしないと争いになりますから、基本的には、婚姻費用調停の申立てをして、請求をしたことを明確にした方が良いです。
また、婚姻費用調停で婚姻費用が決まれば、強制執行が可能になりますから、回収可能性を上げるためにも、調停を利用することが望ましいといえます。
長期間の別居で失われた時間は戻ってきませんが、裁判所の手続きの中で、しっかりとした主張をすることで、認められる権利がある場合もありますので、弁護士に相談することをお勧めします。
1年3ヶ月
依頼者 妻 Aさん
相手方 夫 Bさん
子ども 既に成人済み
婚姻期間 28年
AさんはBさんから身体的暴力を受け、過去に大けがを負ったこともありました。 それ以前もAさんはBさんからモラハラを受けており、これ以上婚姻生活を続けることができないと思い、 自宅を出て別居を開始することになりました。 今後の離婚の進め方や慰謝料・財産分与を請求するにあたり、どうしたらいいのかを弁護士に相談したいとのことでお越しいただきました。
受任後すぐに婚姻費用分担と離婚の調停を申し立てましたが、Bさんが離婚自体を拒否されたため、調停は不成立に終わりました。
Aさんの離婚の意思は固く、調停不成立後すぐに訴訟を提起したところ、Bさんに代理人弁護士が就きました。
訴訟では自宅の評価額や今後Bさんが受け取る退職金等についてどのように評価するかが争点になりました。
不動産鑑定も辞さない方向で対応していたところ、Bさんより解決金の提示があり、訴訟内にて和解での離婚が成立しました。
AさんはBさんから暴力を受けていたこと等から別居先の住所の秘匿措置を行政に申し出ていましたので、 住所等の個人情報が出るような書類を提出する際は細心の注意を払いマスキングをする等の対応をしました。
また、不動産は、査定会社により金額も大幅に異なってきます。 裁判所で鑑定をする場合、鑑定費用もかかってきますので、 双方査定額が異なることを前提にどこで互いに折り合いをつけるかも重要になるものと思われます。
1年10ヶ月
依頼者 妻 Aさん
相手方 夫 Bさん
子ども 既に成人済み
婚姻期間 35年
過去にBさんに不貞疑惑があったことからAさんはBさんに対し疑念を抱くようになりました。その後Bさんが単身赴任となり、状況は落ち着いていましたが、単身赴任から戻り一緒に暮らしていく中で再度Bさんに不貞の疑惑が生じ、Aさんとしては離婚を決意し、今後のことについて弊所に相談にいらっしゃいました。
Aさんはすでに別居しておりましたので、受任後すぐに婚姻費用分担と離婚の調停を申し立てました。
Aさんは離婚を考えた理由につき調停委員を通してBさんに伝えましたが、Bさんは離婚の意向はなく、婚姻費用分担額も折り合いがつかなかったため調停は不成立となりました。
婚姻費用については審判で決まりましたが、決まった額をBさんは支払ってくれませんでしたので、離婚訴訟に踏み切り、離婚を進めていくことになりました。
訴訟では離婚自体の争いはなくなりましたが、財産分与で大きな隔たりが生じました。
Aさんは早期の離婚を望んでおり、未払婚姻費用等も踏まえた内容での和解条件を提示し、最終的に双方折り合いをつく形で話し合いが整いましたので、訴訟内での和解で離婚が成立しました。
離婚の受け止め方はそれぞれ異なると思います。
一方の当事者にとっては到底一緒の生活が困難と思っても、他方の当事者も同じように考えているとは限りません。
離婚をするかどうかというのは、当事者の今後にとって、とても重大な問題となりますので、早期の離婚を目指しつつも、1つ1つ丁寧に進めていくことが大切だと感じた事案になります。
1年9ヶ月
夫 Aさん 20代
妻 30代
Aさんは、別居した配偶者から離婚調停を申し立てられました。対応方法が分からなかったため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、離婚には争いがなかったことから、離婚を前提に交渉をしましたが、配偶者側が離婚しなくてもいいなどと主張したため、離婚調停を打切り、速やかに訴訟を提起しました。
結果として、養育費を一括で支払うという内容で離婚の和解が成立し、早期に解決を図ることができました。
離婚調停はあくまで話し合いの場ですので、話し合いが成り立たないような場合には、速やかに調停を不成立とし、離婚訴訟を提起するという方法もあります。
ただしその場合には、判決でどの程度離婚がみとめられる可能性があるか注意する必要があります。
また、交渉材料として養育費を一括で前払いすることで、毎月支払う場合よりも結果的に少ない金額で和解できる場合もありますが、将来的な変動を反映できない可能性がありますので、注意が必要です。
6ヶ月
妻 30代
夫 40代
小学生2人
依頼者は、別居後の夫との離婚交渉が難航しているとのことで、弁護士を通じての協議を希望して、相談にいらっしゃいました。
依頼者が当事務所に相談にいらしたのは、別居間もない頃でした。別居後の夫の態度が威圧的で、今後は、全て弁護士を通じて進めたいとのことでした。
弁護士が、夫との交渉を試みたところ、夫も弁護士をつけたため、双方が弁護士を通じての離婚交渉となりました。
本件では、面会交流や婚姻費用、養育費、財産分与など、全てにおいて争点が多い事案でした。特に面会交流については、実施の前後を通じて、問題が発生することが多く、代理人間で頻繁に調整を試みました。
また、養育費や財産分与についても、協議、調停を通じて、何度も協議を重ねました。結果的には、どうしても折り合いが付けられない点が2つほど残り、訴訟となりました。
訴訟となった時点では、争点も相当に絞られていたため、裁判官に和解案を出してもらい、当事者がそれを受け入れるかたちで、比較的早期に解決することができました。
約4年間もの間、継続的に代理人間で夫婦間の問題を調整しました。代理人間のやり取りは、多数回にわたりましたが、丁寧に時間をかけたことで、互いが納得のうえ和解することができた事案だと思っています。
約4年間
Aさん(夫 50代男性)
配偶者(50代女性)
Aさんは、配偶者がアルコール依存症であり、また性格も合わなかったことから、単身赴任を機に別居しました。
しばらくした後、離婚の話をしましたが、配偶者が応じなかったことから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、配偶者に離婚の意思がないことがはっきりとしていたことから、速やかに離婚調停を申し立て、不成立になると速やかに離婚訴訟を提起しました。
最終的には控訴審まで進みましたが、控訴審になると配偶者側が離婚しないことを断念し、成人した子の扶養料を取り決める代わりに、離婚の和解が成立しました。
相手方が離婚に応じない場合、離婚までにかなりの時間がかかることがありますので、注意が必要です。
また、単身赴任をした場合、婚姻関係が破綻した結果の別居とは判断されない傾向がありますので、この点も注意が必要です。
約3年間
Aさん(夫 30代男性)
配偶者(30代女性)
Aさんは、配偶者から離婚を求められ、一方的に別居されました。そこでAさんから配偶者に離婚に応じる旨を伝えたところ、今度は配偶者が離婚したくないと言い出しました。
対応に困ったAさんは、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、配偶者が別居前には自分から離婚を求めていたことを確認の上、相手方が交渉に応じないことから、粛々と離婚調停の申立て、離婚訴訟の提起と進めていきました。
離婚訴訟では和解の話になりましたが、配偶者の反応が悪いことから、裁判所と協議し、調停に代わる審判によって離婚の審判を出してもらい、相手方から異議が出なかったことで、離婚が成立しました。
現在の裁判所の運用では、離婚の和解をする場合には、当事者双方が裁判所に出席し、裁判官から直接、離婚の意思を確認される必要があるようです。
このとき当事者の一方が仕事や病気などで裁判所に来ることが難しい場合には、離婚訴訟を調停に付し、調停で審判を出すという方法もあります。
約2年間
Aさん(夫 60代男性)
配偶者(60代女性)
Aさんは、配偶者と別居し、離婚を求められ、最終的には訴訟を提起されました。
訴訟の中で、不動産の持分譲渡と多額の財産分与を求められましたので、自分では対応できないと考え、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、請求された内容を検討し、不動産の評価額が安すぎることが分かりましたので、査定書を取って証拠提出し、最終的には当初請求された金額の半額以下で和解することができました。
婚姻期間が長くなり、財産が形成されますと、財産分与で多額の分与をせざるを得ない場合があります。
そのような場合でも、財産の評価額によっては分与額が変わることがありますので、評価額にも着目する必要があるでしょう。
約1年間
Aさん(夫 40代男性)
配偶者(40代女性)
Aさんは、配偶者との生活に耐えられなくなり、転勤の打診があったことを機に別居をしました。
その後、離婚調停の申立て、離婚訴訟の提起と進みました。
配偶者からは、離婚自体について争われ、別居はしておらず単身赴任であるとか、財産分与の基準時は離婚時点であるなどと主張されましたが、別居期間がある程度経過していたことから、離婚が認められ、財産分与として配偶者名義であった自宅の建物名義の変更や配偶者の自宅からの退去も認められました。
特に夫婦のどちらかに離婚の原因があるわけではない場合(又は双方に相応の責任があるような場合)、夫婦の一方が離婚することに反対だと、最終的に離婚が認められるまで、相当程度の時間がかかることになります。
例えば、単身赴任など仕事や家庭の事情で離れて暮らした場合でも、その際に離婚の話が明確になっていない場合(調停を申し立てていない等)、婚姻関係の破綻につながる別居とは考慮されないことが多いと思われますので、注意が必要です。
約2年間
Aさん(夫 50代男性)
配偶者(60代女性)
Aさんは、長期間別居していた配偶者から、急に離婚調停及び婚姻費用分担調停を申し立てられました。
それまで調停手続を知らなかったAさんは、どのように対応すればいいのか相談をするため、当事務所にいらっしゃいました。
調停申立書には、身に覚えのない暴力があると主張されており、とても自分では対応できないと考え、当事務所で代理することになりました。。
婚姻費用は通常の基準で合意をしましたが、離婚に関しては、配偶者側が暴力があると主張して慰謝料を譲らなかったため、離婚調停を不成立とし、早期に離婚訴訟を提起しました。。
その中で、暴力がないこと(暴力があったとは矛盾する事情)を主張立証し、最終的には慰謝料のない和解が成立しました。
離婚の争いの中では、慰謝料を請求されることがありますが、その根拠となる事実を証明できるかどうかの問題も重要になってきます。
2年間
Aさん(夫 50代男性)
Bさん(妻 50代女性)
Aさんは、配偶者との性格の不一致が著しく、別居した後、離婚調停を何度か申立てしましたが、配偶者が離婚には応じないという頑なな態度をとっていました。
別居からある程度の期間が経過したため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、配偶者が離婚に応じていないことから、協議をしても解決は難しいと考え、速やかに離婚訴訟を提起しました。
その訴訟の中で、配偶者側にも代理人がつき、別居期間がある程度経過していたことも踏まえて、一般的な財産分与をすることで、離婚の和解が成立しました。
離婚を求める場合、当事者のどちらかに専ら非があるという場合でなければ、別居してすぐの離婚は困難ですが、ある程度の期間別居しますと、裁判で離婚が認められやすくなる傾向にあります。
この場合でも、財産分与を求められることがありますので、注意が必要です。
約6ヶ月
Aさん
Aさんは、配偶者との間で性格の不一致が著しく、別居した後、離婚調停を申し立てました。
配偶者も離婚は応じるものの、財産分与について合意できず、調停が不成立に終わりました。
Aさんは、離婚するための訴訟を考えて、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、事前に調停が行われ、財産分与で合意できないということは、それ以上、当事者同士で話をしても解決が難しいと考えられましたので、速やかに離婚訴訟を提起し、最終的には判決で財産分与を決めるつもりで手続きを進めました。
途中、子供の預貯金の帰属、結婚前の財産の額及び範囲、財産分与の対象となる財産の評価時点といった点で争いになりましたが、証拠等を提出し、最終的には裁判官の和解案で離婚の和解が成立しました。
財産分与が争いになった場合、結婚前の財産も結婚後の財産と混ざってしまい、区別がつかなくなることがあります。
結婚年齢が上昇しますと、それまでに形成された財産も増えていく傾向があると考えられます。
いざ離婚の話が出てから対策をとることは難しいですので、今後の社会では、結婚時に、離婚も想定した財産の分別管理が想定される社会になっていく可能性もあります。
約1年
Aさん(夫 50代男性)
相手方Bさん(妻 50代女性)
子供二人(15歳以上)
Aさんは、精神疾患のある妻(症状は改善されている)との離婚を希望して、弊所に相談にいらっしゃいました。
Aさんから事情をお聞きしたところ、妻とはすでに別居しており、Aさんが子らを監護している状態でした。
離婚調停を申立てましたが、妻の離婚拒絶の意思が強く、不成立となりました。そのため、離婚訴訟を提起しました。
訴訟では、当時、精神疾患のある妻を残して別居したことが、悪意の遺棄にあたり、有責配偶者として離婚は認められないとの主張がなされました。
これに対し、Aさんとしては、別居せざるを得なかった事情、別居に至るまでのAさんの献身的な努力、婚姻関係の破綻の程度、妻の現在の生活状況等を丁寧に主張立証していきました。
結果、判決により離婚が認められました。
本件では、別居当時は、確かに妻は重い精神疾患状況にありました。
しかし、調停、訴訟段階では妻の症状が改善されており、仕事にも復帰していたこと、判決までの過程で別居期間が4年ほど経過していたこと、別居に至る経緯にも相応の事情が認められたことが考慮され離婚が認められたのだと思われます。
約2年
Aさん
Aさんは配偶者と離婚の争いが生じており、話し合いでは解決できず、裁判になってしまいました。
しかし、裁判の管轄上、遠方の裁判所で裁判を行うことになってしまい、仕事などもあって裁判所にはなかなか行くことができない状況でした。
争い自体は、和解内容がまとまりましたが、離婚事件で和解をする場合、原則として当事者が裁判所まで行き、裁判官の面前で和解する必要がありました。
このような場合に、離婚の時期は先に延ばしたくないというのが当事者双方の希望でしたので、裁判所と進め方を協議し、裁判所が決定を出して離婚とその条件を決め、離婚を成立させることができました。
離婚の裁判は、当事者(原告・被告)双方どちらの住所を管轄する裁判所でも行うことができます。当事者双方がどちらも離婚を希望している場合には、先に離婚訴訟を起こした方の裁判所で裁判をすることが一般的だと思われます。
また、同時期に、別の裁判所で離婚訴訟が提起された場合には、移送手続をして、どちらかの裁判を、他方の事件の係属している裁判所に変更することが一般的でしょう。
離婚の裁判で和解する場合には、原則として裁判所に両当事者が出席して、和解する必要がありますが、当事者の一方が遠方にいる場合には、なかなか裁判所に集まる日程が決まらないこともあります。
このような場合、裁判所によっては、異議を出さないという前提で、離婚及びその条件の決定を出してくれる場合もありますので、そのような場合には裁判所に相談してみた方がいいでしょう。
2年
Aさん 男性 50代
妻:50代
Aさんは、財産分与を決めないまま離婚をしましたが、元配偶者から、離婚後に、結婚中に借金で建てた賃貸物件(ただし土地は相続)の賃料の分配を求めて訴えられました。
Aさんは対応を相談するため、ご相談にいらっしゃいました。
この事案では、元配偶者の側は、負けても現状維持で損はなく、勝てば利益になるという事案でしたので、話し合いでの解決が困難な事案でした。
そのため、Aさんの物件は、遺産(特有財産)をもとに借金で建てていて、夫婦の事業として行っていたわけではないことを主張し、最終的にはAさんの主張が判決で認められました(判決では元配偶者が敗訴)。
結婚中に借金で賃貸物件を建てたような場合、離婚する際にどのような清算をするかは難しい問題です。
明確な決まりはありませんが、財産分与で清算する場合も考えられます。
借金をして賃貸物件を建てるような場合、清算をどのようにするかも考えておいた方がいいでしょう。
1年
Aさん 男性 50代
妻:50代
Aさんは、妻と長い間別居し、妻との間で離婚の協議をしていましたが、メールで伝えた内容を曲解され、浮気をしていると主張されていました。
このような対応に出たため、どのように対応するかご相談を希望され、ご来所されました。
Aさんの話をお聞きし、別居期間が長かったことから、浮気が事実認定されなければ、別居期間の点で婚姻関係の破綻・離婚が認められる可能性があったため、離婚訴訟を提起することにしました。
妻は、離婚訴訟の中で、Aさんとの間のメールを提出し、内容を曲解したまま浮気があったと主張しましたが、以前からのメールのやりとりを対抗で提出し、経緯を説明したことで、裁判官は妻の主張を採用せず、判決で離婚が認められました。
別居期間が長くなっても、浮気をする等により婚姻関係を破綻させた原因がある側からの離婚請求は、信義則に反するということで認められない可能性が十分考えられます。
当事者間のメールは、有利にも不利にも使われる可能性がありますので、日常的に内容には注意した方がいいでしょう。
1年
Aさん 男性
子ども:1人
Aさんは、以前から妻が不貞行為を行っていることを知っていましたが、子供が小さいため、そのことを言えずにいました。
子供がある程度大きくなったこともあり、Aさんは妻に対して、不貞行為をしていることを理由に離婚を求めましたが、妻は不貞行為を認めませんでした。
Aさんは自分で離婚調停を申し立てましたが、妻は離婚を拒否して、不成立になりましたので、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんからお話を聞き、話し合いでの解決が困難であったことから、離婚と親権者となることを求めて、離婚訴訟を起こしました。
妻は、不貞行為を認めず、離婚や親権者も争いましたが、子が15歳以上であったことと、両者とも子と同居して離婚訴訟で争っていたことから、裁判所から子に対して、親権者に関する意見を聞く手紙を送ってもらいました。
最終的には、子の意思を尊重して、妻を親権者として、和解で離婚することになりました。
子が15歳以上になると、親権者に争いがあった場合、裁判所は子の意見を聞く必要があります。
子がどちらか一方の親と同居していれば、誰を介して意見を聞くかさほど争いはないと思われますが、当事者双方が子と同居しながら裁判所で争っているような場合には、どのような方法で意見を聞けば公平なのか難しいところがあります。
1年
Aさん 男性
妻:別居中
子ども:2人
Aさんは、妻と再婚し、その妻の子と養子縁組をしました。また、Aさんと妻との間には、新しく子が生まれました。
しばらくは普通に生活をしていましたが、妻の束縛が激しくなってきたため、同居生活に耐えられず別居し、Aさんが自身で離婚調停を申し立てました。
しかし、妻は全く離婚する意思がないということでした。
Aさんはしばらくそのまま別居し、別居期間がある程度の期間になったため、離婚訴訟を起こすため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、Aさんのお話を聞き、裁判を起こさずに解決することが難しいようでしたので、速やかに離婚訴訟・離縁訴訟を起こしました。
離婚訴訟では、妻も代理人を選任し、裁判を進めつつ並行して話し合いをしたところ、判決よりも早く和解で離婚・離縁することができました。
ただ、Aさんの持ち家に妻と子が住んでいましたので、一定期間はその家に住まわせる等の合意をしました。
離婚する場合、離婚した後のことが問題になることがあります。
具体的には、夫の名義で、夫がローンを支払う家に離婚後も住んだり、住民票がどこにあるかによって、離婚後の公的手当が受給できない場合がありますので、注意が必要です。
1年
Aさん 子供:15歳未満
Aさんは、もともと妻と仲が悪かったところ、同居している状態で、妻から離婚を求められ、離婚の調停を申立てられました。
その対応が分からなかったので、Aさんは弊所にご相談にいらっしゃいました。
代理をして調停に臨むと、妻は、離婚のほか、妻が子の親権者となること、養育費を支払うこと、財産分与、慰謝料の支払いを求めました。
Aさんは、妻が子を育てることに不安があったことから、親権者を争ったところ、調停は不成立に終わり、妻から離婚訴訟を起こされました。
そのまま同居の状態で裁判を続け、親権者を争って調査官調査を求めましたが、子が15歳未満だったことや同居中だったことも考慮され、調査官調査はなされませんでした。
最終的には、妻からの財産分与や慰謝料請求は認められませんでしたが、子の親権者は同居中の状態も考慮し、妻となりました。
離婚訴訟をする場合、同居しながら離婚訴訟を続ける場合は少ないと考えられます。一般的には、仲が悪くなった場合に別居することが多いためです。
ただし、子の環境を変えないため、同居のまま離婚や親権者について争うこともあります。このような場合、子の年齢が高ければ子の意思も考慮されますが、あまり年齢が高くなければ、子の意思は確認されず、裁判所が親権者を指定することも多くあります。
3年
Kさん 50代 女性 会社員
夫:50代 パート
婚姻期間:20~25年(別居期間:12年)
子ども:2人(成人)
結婚後10年経った頃から、Kさんに対する夫の言葉や態度が暴力的になりました。そんな状況が2年続き、我慢できなくなったKさんは子供2人を連れて別居しました。別居後、離婚調停を申し立てましたが、折り合いがつきませんでした。
婚費をもらいながら、そのまま別居を続け、10年が経った時、夫から離婚する意思が書かれた手紙と離婚届が送られてきました。Kさんは自分の思い通りの形で離婚を進めたいと思い、相談にいらっしゃいました。
Kさんは、離婚調停を申し立てましたが、お互いの条件が合わず、不成立となりました。すぐに離婚訴訟を申し立てました。双方、離婚の意思はありましたが、財産分与が争点になり、1年間もの訴訟期間を経て、和解離婚が成立しました。
結果として、裁判所の財産目録案に基づき決まった金額を離婚に伴う解決金として夫が支払う内容の和解条項がまとまりました。
夫は、Kさんに支払うべき財産はないとの主張を強くしていました。しかし、調停、裁判の手続の中で何度も、弁護士、調停委員、裁判官から財産分与の制度について説明し、最終的には、裁判官の提案した和解で解決することができました。
1年8か月
Aさん 20代 女性 専業主婦
夫 20代 男性 会社員
交際中にAさんは夫である相手方との間に子どもを授かり,結婚することになりました。交際中から,
夫との性格の不一致で悩んでいましたが,次第に夫と生活することが苦痛になり里帰り出産と同時に別居を始めました。
その後,ご自身で離婚調停を申し立てましたが,夫が代理人をつけたので,当所にご相談にいらっしゃいました。
双方代理人がついていたので,早期解決のために調停外でも離婚条件の交渉を続けました。
離婚については双方同意しているものの,慰謝料と財産分与の面で折り合いつがず,結局不成立になってしまいました。
その後,訴訟を提起し,最終的には,慰謝料と財産分与をある程度譲歩する形で和解することで,離婚することができました。
本件では,いわゆる性格の不一致が原因で離婚を請求し,慰謝料を請求するという事案でした。
互いに金銭面での条件が折り合わず、和解期日も相当時間をかけて話し合いをしました。
最終的には、双方譲歩をした形で和解をすることができました。
長期間の争いとなりましたが、離婚後は、すぐに落ち着いた生活に戻ることができました。
2年5か月
Aさん 30代 女性
婚姻期間:5-10年
子ども:2人
Aさんは、夫のBさんから、頻繁に暴力をうけていました。ある時、BさんはAさんと子どもにも暴力を振るい、怪我を負ってしまいました。Aさんは、その後被害届を提出し、Bさ んは逮捕。Aさんはこれ以上Bさんに関わりたくなかったので、当事務所に代理人依頼ということでご相談に来られました。
まずは、接近禁止及び婚姻費用の支払い等を相手方の刑事弁護人と交渉しました。その後離婚を進めるにあたり、調停を申立てましたが、Bさんは不出頭で不成立になり、訴訟を 提起することになりました。訴訟も出頭せず、結果的に離婚が認められ、無事離婚成立しました。
今回は、警察や検察、弁護人も介入しているわかりやすいDV事案でした。Bさんは釈放されたあと、知人宅を転々としており、住所地が定まらず、訴状の送達に問題が生じました 。しかし、「Bさんの自宅とされる場所に現地調査をする」、「刑事弁護人に居場所を聴取する」、「Bさんの親族状況を確認する」などを行うことで、公示送達にすることができ、訴訟提起から約3ヶ月で離婚判決を勝ち取れました。
1年6か月
※個人特定の恐れがあるため、一部地域、内容を変更して掲載しております。
Aさん 40代 男性
妻:30代
Aさんは、妻の浮気が発覚しました。妻が突然、家を出て行ったため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんの意向は、早く結論を出したいということでしたので、離婚の調停と慰謝料の裁判を同時並行で行いました。
離婚の調停では、妻が離婚を拒否しましたので、直ちに調停を打ち切って終了し、速やかに離婚訴訟を提起しました。
また、離婚訴訟よりも先に慰謝料請求の訴訟を提起し、その中で妻の浮気が認められたため、それも理由に速やかに離婚訴訟を進め、最終的には、財産分与と一部の慰謝料を相殺するような形で和解が成立しました。
離婚の手続きでは、通常は裁判よりも先に調停を申し立てる必要があり、調停では決着がつかずに終わった後で、裁判を起こします。
そのため、調停で時間がかかった上で結論が出ないのであれば、早めに調停を終わらせ、裁判を起こすことも選択肢の1つに考えておいた方がいいでしょう。
1年6か月程度
Aさん 50代 男性 その他専門職
妻:40代 その他専門職
Aさんは、相手方(妻)と婚姻期間15年ほど経った頃、相手方が子供を置いて別居した上、代理人を通じて離婚の申出をされたことから、弊所にご相談に来られました。
当初、Aさんとしては、関係の修復を希望していたことから、夫婦関係円満調停を申し立てました。
しかし、相手方からは離婚調停を申し立てられ、結果的に両調停は不成立となりました。その後、相手方から離婚訴訟を提起されました。
離婚訴訟の中でも離婚原因はないとの主張をしましたが、別居期間がある程度経過していたことから、相手方の離婚請求が認められる可能性が高そうでした。
そこで、可能な限り財産分与額を下げるため、こちらから積極的に和解条件を提示し、結果的に法律上認められる可能性のある財産分与額よりも大幅に減額した金銭を相手方に支払うことで離婚するとの和解が成立しました。
本件では、Aさん名義の不動産の取得原資について特有財産が含まれるか否かが争点の1つになりました。
婚姻後に取得した財産について、特有財産であると主張するには、主張する側が取得した原資について客観的資料をもって説明する等して立証に成功しない限り、共有財産であると推定されます。
本件のように、婚姻期間が長期にわたる場合には、自宅の購入原資に関する客観的資料がない、あるいは不十分であることが多く、立証が困難なケースが多いです。
本件でも、立証のハードルが高く、判決になるとAさんが工面することが困難な金額になりそうだったので、和解によって現実的な金額で解決できたことは、Aさんにとってよい結果になったと思われます。
2年5か月程度
男性(30代)
Aさんは、妻(Bさん)との関係が良好でない中、同じ職場の同僚であった女性(Cさん)と交際していました。その後、Aさんは、妻(Bさん)に離婚を求めましたが、Bさんが離婚しないとの対応であったため、Cさんと一緒に愛知県に引っ越すこととなりました。その後、Bさんの代理人弁護士から、慰謝料等の請求をする内容証明郵便が届き、弊所にご相談に来られました。
相手方の請求に対し、元々夫婦関係が良好でなかったことや婚姻期間が短いこと、子供がいないこと等から、相手方の請求額は相当ではない旨の主張をしました。
結果的には、Aさん自身に財産がなく、まとまった金銭を支払うことも難しい状況であることを相手方に考慮してもらい、当初請求された金額より大幅に減額した金額をCさんに支払うことで離婚することができました。
有責配偶者から離婚を求める場合、相手方としては、すぐに離婚して別の人と結婚したい等がない限り、感情的に応じたくないというだけではなく、特に婚姻費用もらえる立場であれば離婚して養育費をもらうよりも多く婚姻費用をもらえると考えると、離婚に応じないと考えることがよくあります。そのため、相手方に離婚に応じてもらう交渉はなかなか難しいものとなります。
本件では、有責配偶者自身に財産がないことを相手方に理解してもらえたこと、
相手方の年齢がまだ若いことや子供がいないため早期に離婚する方がよいと考えた可能性もあることから、比較的早期に解決することできたものと思われます。
8か月
Yさん 40代 男性 会社員
妻:30代 無職
婚姻期間:10年(別居期間:4年)
子ども:1人(未成年)
Yさんは、婚姻直後に借金があることを妻に知られました。そのことをきっかけに妻が必要以上にお金の管理をするようになり、窮屈を強いられました。
また、子供の教育方針について、妻の意見を一方的に通された結果、子が遠方の学校に通うことになり、別居が始まりました。Yさんは妻によるお金の管理や日常生活のすれ違いが原因で離婚を考えていたのですが、別居が長くなるにつれ疎遠になったことから、さらに強く離婚を考えるようになりました。
そこで、ご自身で離婚調停を申し立て、数回調停をしましたが、思うように進行せず、調停を取り下げられました。
その後、離婚に向けて訴訟をしたいというご意向でしたので、当事務所が離婚訴訟の受任をし、離婚訴訟を提起しました。
て、妻の要求額より減額された養育費を支払うこと、自動車の名義を妻に移して、自動車の残ローンをYさんが支払うこと等で合意し、和解離婚が成立しました。
本件は、判決になったときには離婚できない可能性が高い事案でしたが、和解離婚をした方が相手方にとって有利となる内容の離婚条件を提示することによって和解離婚を成立させることができました。
Yさんは早期の離婚成立を最優先としていたので、ご本人のご意向に沿う解決ができたと思います。
1年6ヶ月
Sさん 70代 女性 無職(年金収入)
夫:70代 定年退職後に自営業
婚姻期間:40年(別居期間:15年)
夫の無計画な投資や借り入れに加え、身内への資金援助のため、家計は毎月赤字でした。Sさんが特有財産を崩して補ってきました。
また、上記の状況の中、夫から謝罪も労いの言葉をかけられることもなく、逆に、家族に対して嫌味を言われたりしました。
それまで我慢してきましたが、ある事件が起き、家族も傷ついてしまったことをきっかけに、Sさんは別居しました。
別居後、夫からの生活費の支払いは不定期でした。その上、別居中にもかかわらず、Sさんは夫に呼び出され、生活費の支払いを途絶えさせられては困るため、親戚ともども夫の機嫌をとり、意に沿わない行動をさせられ、耐えていました。
Sさんはついに我慢できなくなり、離婚を決意し、夫と話し合いましたが、自分勝手な夫とは話し合いでは決まらず、相談にいらっしゃいました。
Sさんは離婚調停を申し立てましたが、不成立となったため、すぐ、離婚訴訟を申し立てました。夫は世間体を重視して、法律的な話とは無関係な離婚条件の提示に終始していました。
最終的には、2回めの期日で和解離婚が成立しました。
依頼者の話を聞いている限りでは、裁判外での話合いで解決できるように思われました。しかし、実際に対面してみると、自分の要求を呑む以外に決着はないと言わんばかりで、話を聞けばわかる、という態度でした。
離婚協議にあたり、特にモラハラ気質のある人からは、本人同士話せばわかる、という言い分をよく聞きます。実際には、自分に一部の否も認めません。こういう人は、権威には従いますので、調停や裁判でなければ早期解決は難しいように思われます。
特に、本件は長期間の別居がありましたので、淡々と手続を進めたことが解決を早めました。
8か月
Aさん 50代 男性 会社員
妻:50代 パート
婚姻期間:35~40年(別居期間:10年)
子ども:2人
妻は多額の浪費により多重債務に陥り、自己破産しました。
Aさんは離婚を申し出ましたが、妻が離婚には応じなかったため、離婚には至りませんでした。
別居期間が10年近くなっても離婚に応じなかったことから、離婚を考え、ご相談にいらっしゃいました。
Aさんは離婚調停を申し立てましたが、合意が得られず不成立になり、離婚訴訟を提起しました。
妻は当初、離婚したくないという考えでしたが、双方の主張と並行して、預貯金、金融資産、退職金などの財産資料の開示を進めていきました。
結果として、交渉により、早期解決のために、妻の要求額よりも減額された解決金をAさんが分割で支払うこと、年金分割の按分割合を0.5とすることで合意し、訴訟上の和解が成立しました。
妻からは、離婚したくないと言われつつ、最終的には財産分与を含む解決金を支払うことで離婚が成立しました。
当初は離婚したくないと主張されていても、裁判まで行けば和解で離婚が成立する可能性も出てきます。
1年10ヶ月
Aさん 男性
Aさんがある日、自宅に帰ると、妻Bや子供達がいなくなっており、突然、代理人から離婚等を求める内容証明が届きました。そこで、対応方法が分からなかったAさんは、弊所に相談にいらっしゃいました。
お話を聞き、相談した結果、Aさんは、離婚自体はやむを得ないということでしたので、慰謝料、養育費、財産分与といった離婚条件を中心に交渉することになりました。
妻Bから離婚調停・婚姻費用分担調停を申立てられ、さらに離婚訴訟を提起されたため、離婚訴訟で主張・立証活動をしつつ、和解に関する協議も続けました。
その結果、最終的には、子供のアルバイト等の状況を考慮して、大学学費は負担しない等の、妻Bの主張よりも減額した和解が成立しました。
離婚事件の場合、離婚そのものを争う場合と、離婚自体は争わないけれども離婚の条件は争う場合の、2つに大別されると思われます。
財産分与が争点になる場合、結婚時の財産、財産分与の基準時、両親からの贈与、不動産の評価額など、争点が多岐にわたり、非常に長い時間がかかる場合もあります。
約2年
Aさん 男性
Aさんは、突然自宅から出て行った妻Bから、離婚調停を起こされました。実は、Aさんは、以前から妻Bが不倫相手と、不倫を認めるメール等をしていることを知っていて、その証拠も残していましたので、調停でそのことを伝えたのですが、妻Bは不倫の事実を認めず、調停は不成立になりました。
妻Bが離婚訴訟を起こしたため、Aさんは、訴訟は自分で対応するのは難しいと考え、弊所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんの持っている資料を確認した上、妻Bが起こした訴訟に対して、不倫の慰謝料を請求する反訴(逆に訴えること)を起こしました。
裁判の中で、妻Bと不倫相手の間で不倫を認めたやりとりがあること、妻Bの説明が不合理であることを主張しました。
最終的には、裁判官が、妻Bに対して、不倫が認められる旨の心証を開示し、判決とほぼ同額の慰謝料を妻Bが支払う内容で和解が成立しました。
不倫がある場合でも、その証拠がなければ、裁判で勝つことは困難です。
今回は、配偶者と浮気相手の間で、不倫をしたことを認める内容のやりとりの記録があり、それが不倫関係を認める証拠となりました。
メール等のやりとりを証拠とする場合には、その内容が重要になってきます。
約1年6か月
Tさん 30代 男性 会社員
妻:30代 パート
婚姻期間:5~10年
子ども:1人
Tさんは、性格や価値観の違いから婚姻が困難となり、別居を開始しました。
離婚調停を申し立てましたが、妻から多額の慰謝料を要求され、調停を取下げました。
その後、妻から離婚訴訟を提起されたため、ご相談にいらっしゃいました。
離婚自体に争いはなく、双方の財産を開示しました。
結果として、早期解決のために、子どもの親権者を妻とし、相当額の養育費をTさんが支払うこと、妻の要求額よりも減額された財産分与をTさんが支払うことで合意し、訴訟上の和解が成立しました。
比較的早い段階で和解での解決を想定して準備を始め、早期に妥当な和解提案をしたことで、妻の譲歩につながったものと思われます。
10ヶ月
Aさん 40代 男性 会社員
妻:40代 無職
婚姻期間:15~20年
子ども:1人(未成年)
Aさんは、離婚を合意して別居していた妻が、何の連絡もなくいきなり戻ってきて、浮気したと言いがかりをつけ、離婚するといった約束も反故にされた上、毎日のように暴言等の嫌がらせを受けていたことから、当事務所に相談にいらっしゃいました。
相談を受けて、妻とは話し合って解決する余地がないと思われたことから、速やかに離婚調停を起こし、調停も不成立にして、離婚訴訟を起こしました。
離婚訴訟では、同居中でも婚姻関係が破綻しているかどうかが大きな争点になりましたが、妻が大声でAさんに向かって暴言等を言っている複数の録音を提出したことで、裁判官も婚姻関係を続けることができないと判断し、裁判で離婚が認められました。
3年6ヶ月
Bさん 40代 男性 会社員
妻:40代 パート・無職
婚姻期間:20~25年(別居期間:6年)
子ども:3人(未成年)
Bさんは、金銭感覚などの価値観の相違から離婚を考え、別居を開始しました。
自身で離婚調停を申し立てたものの、同居する旨の調停が成立しました。
しかし、同居は再開できず、離婚の話し合いも進まなくなったため、ご相談にいらっしゃいました。
離婚調停を再び申し立てましたが、不成立となり、離婚訴訟を提起しました。
妻は、条件次第で離婚に応じる意向に変化しました。
結果として、妻の要求額より減額された養育費を支払うこと、末の子どもが20歳になる月まで自宅不動産を無償で妻に貸し出し、残ローンはBさんが支払うことで合意し、訴訟上の和解離婚が成立しました。
1年
Aさん 50代 女性 その他専門職
夫:50代 会社員
婚姻期間:30~35年
子ども:2人
Aさんの夫は単身赴任が長く、女性問題がありました。
夫から離婚調停を申し立てられましたが、不成立となり、夫が離婚訴訟を提起したため、ご相談にいらっしゃいました。
夫が離婚原因としてAさんの借金問題を主張したことに対して、浪費ではなく、子どもの教育費にお金がかかったこと、婚姻関係の破綻とは認められないことを主張しました。
双方、財産を開示し、主張立証しましたが、財産分与の基準日、分与の割合、年金分割の按分割合に争いがあり、裁判所から和解案が提示されました。
結果として、夫が預貯金と退職金の約4割の財産分与を支払うこと、年金分割の按分割合を0.5とすることで合意し、訴訟上の和解離婚が成立しました。
1年2か月
Sさん 30代 男性 会社員
妻:30代 パート・無職
婚姻期間:1~5年
子ども:1人(未成年)
Sさんは、妻と入籍後、一度も同居していませんでした。
妻の親が結婚に反対され、妻と不仲になり、お互いに離婚に合意しました。
妻から離婚調停が申し立てられ、ご相談にいらっしゃいました。
養育費と慰謝料に関して、妻が過大な要求をしてきたため、離婚調停は不成立となり、Sさんから離婚訴訟を提起しました。
妻の代理人は、夫婦関係が破綻していないこと、Sさんが有責配偶者であることを主張してきました。
結果として、妻の要求額より少ない養育費を支払うこと、お互いに慰謝料や財産分与の支払はしないことで、和解離婚が成立しました。
1年9か月
Tさん 30代 男性 会社員
妻:30代 会社員
婚姻期間:5~10年
子ども:1人(未成年)
Tさんは、性格の不一致から妻と不仲になり、妻から数々の嫌がらせを受け、家から出て行くよう妻から言われたため、別居を開始しました。
当事者のみでの離婚の話し合いが進まなくなったことと、子どもの面会交流が行われなくなったことから、ご相談にいらっしゃいました。
離婚調停を申し立てました。
妻は離婚自体には合意したものの、面会交流や慰謝料などの条件が折り合わず、調停は不成立となりました。
離婚訴訟を提起し、その中で主張・立証し、和解を前提に試行的面会交流が行われました。
結果として、早期解決のためにTさんが和解金を支払うこと、子どもが20歳になるまで養育費を支払うこと、半年間の間接面会交流の後、直接面会交流を行うことで、和解離婚が成立しました。
調停、訴訟を通じ、裁判所、双方代理人が、面会交流に消極的だった妻に対し粘り強く説得を続けました。裁判所内で試行的面会交流が行われた際、数年ぶりに会ったお子さんとTさんが何の戸惑いもなく仲良く遊ぶ様子を見て、子どもとTさんの面会交流の機会の重要性を再度認識しました。
段階的面会交流の提案をしたことがきっかけで、離婚訴訟が早期に和解で解決し、面会交流も安定的に実施できるようになりました。
1年6か月
Uさん 40代 男性 公務員
妻:40代 その他専門職
婚姻期間:20~25年(別居期間:15年)
子ども:2人
妻が子どもを連れて家を出て数年後、Uさんは妻から離婚の申出を受けたため、離婚届を記入して郵送しました。
Uさんは、離婚届が当然提出されたものと思っていたところ、その後、戸籍謄本を確認した際、離婚が成立していないことを知りました。
Uさんから改めて離婚を申し出たところ、妻から金銭の支払を求められ、ご相談にいらっしゃいました。
妻との交渉が困難だったため、離婚調停を申し立てました。
妻は離婚に応じるとしましたが、高額な金銭を要求したため、調停が不成立となりました。
離婚訴訟を提起しましたが、妻は出頭せず、書面の提出もしませんでした。
結果として、長期間の別居により、離婚を認められる判決が出ました。
妻の行動には不可解な点が多く、そのために交渉や調停が難航した部分がありましたが、訴訟になれば離婚判決が出ることが明らかな事案でしたので、終始強気で臨むことができました。
1年2か月
Tさん 50代女性 主婦
夫: 50代 経営者
婚姻期間: 25~30年(別居期間8年)
子ども: 2名
Tさんは、夫の浮気が原因でうつ病に罹患し、日常生活に支障が生じるようになりました。 夫は家を出て行き、別居の開始から約8年後に夫が離婚を申し出ました。
Tさんが応じなかったため、夫は離婚調停を申し立てましたが、慰謝料などの条件が折り合わず、調停は不成立となりました。
その後、夫から離婚訴訟を提起されたため、ご相談に来られました。
夫が離婚請求を認められない有責配偶者であるかという点に争いがありました。
夫の浮気がきっかけで別居が始まったものの、約8年間で婚姻関係の破綻が進行し、修復の見込みはないとされ、離婚が認められる判決が出ました。
そこで、Tさんは慰謝料の支払いと、年金分割を求めて控訴しました。
結果として、別居が長期間にわたることから減額はあったものの慰謝料の請求が認められ、年金分割を0.5とする判決が出て、離婚が成立しました。
不貞行為からら8年経っていたこともあり、立証が困難な部分があったものの状況証拠を集めて、一定の解決金を取得することが出来たのでよかったです。
1年
Iさん 40代女性 主婦
夫: 40代 会社員
夫の交際相手Jさん: 20代 女性 会社員
婚姻期間: 15~20年(別居期間半年)
子ども: 2名(未成年)
Iさんの夫は、数年前から出張、飲酒量、暴言などが増え始め、突然別居を言い渡してきました。
また、夫には交際中の女性がいることが判明しました。
Iさんは離婚したくありませんでしたが、夫の態度が威圧的になり、話し合いが進まなくなったため、ご相談にいらっしゃいました。
夫にも代理人弁護士がつき、交渉を進めましたが、合意にいたりませんでした。
夫は離婚調停を申し立てましたが不成立となり、離婚訴訟を提起してきました。
婚姻関係の破綻の原因が夫の不倫によるものであり、有責配偶者からの離婚は認められないこと、同居期間にたいして別居期間が短いこと、未成年の子がいることなどから、離婚は認められませんでした。
また、Jさんに対して、不倫の慰謝料請求の交渉を試みましたが、合意に至らず、訴訟を提起しました。
結果として、多少の減額はあったものの、慰謝料を一括で獲得することができました。
2年
Fさん 30代 男性 経営者
妻: 20代
婚姻期間: 5~10年
子ども: 3名
Fさんは、妻から一方的に離婚を切り出されました。
以前から不自然な点があったため、子どもの1人GさんのDNA鑑定をしたところ、Fさんの子どもではありませんでした。
妻が子どもを連れて家を出ていき、離婚調停を申し立てたため、相談にいらっしゃいました。
Fさんは親子関係不存在確認調停を申し立て、調査としてDNA鑑定が行われ、結果として、GさんがFさんの子であることが認められないという審判が確定しました。
また、Fさんは子どもとの面会を妻に対して要求しましたが受け入れられないため、面会交流調停も申し立て、結果として年に数回の面会交流が認められました。
離婚調停は不成立となり、その後、訴訟上の和解離婚が成立しました。
子どもの安定のために、妻が親権者となり、実子2人が20歳になるまでの養育費をFさんが支払うこととなりました。
財産分与として、現金を獲得したほか、共有だった不動産の名義をFさんに移転させ、また預金と保険は確保することができました。
50代女性 主婦
夫: 50代 会社員
婚姻期間: 20~25年 (別居期間約15年)
子ども: 2名(未成年)
Dさんは、結婚した翌年に第一子をもうけ、翌々年に第二子を身ごもりました。
夫は、血液型の知識不足からDさんの浮気を疑いました。Dさんは、夫とその親から離婚を要求され、第一子は施設に預け、妊娠中の第二子は中絶するように言われたため、間もなく別居を開始しました。夫は、調停で取り決められた婚姻費用を送金し続け、妻は実家で2人の子供を育てました。そんな生活が10年以上続いたある日突然、夫から離婚調停が申立てられました。Dさんは拒絶して不調に終わりましたが、夫は直ちに離婚訴訟提起してきました。
ご依頼を受け、離婚棄却判決を求めました。
一審は離婚請求棄却、控訴審で夫は妻に財産分与金500万円を一方的に振り込んできて、離婚認容判決が出ましたが、Dさんは上告しました。しかし、上告棄却により離婚が確定しました。
私たちはDさんの年金分割請求をし、年金分割の割合は0.5に決定しました。次に、夫に財産分与を求め審判を申し立てました。審判手続き中 に、夫が200万円を支払うことで和解が成立いたしました。
このケースは、夫が年金分割を免れるために突然、離婚調停を申立て、不調となるや直ちに離婚訴訟を提起した事案で、別居期間は既に長期に渡っていた事案でした。
年金分割ができ、財産分与として計700万円を取得し、将来の生活設計が出来ました。大変助かりました。
40代女性 主婦
夫: 50代 職業不明
婚姻期間: 20~25年 (別居期間約10年)
子ども: 2名(成人)
Hさんは約10年前に夫と別居し、女手一つで2人の子を育てました。別居中に夫は行方不明となり、離婚したくてもどうしたらよいかわからず相談にいらっしゃいました。
夫の住まいを探しましたが、住民票は職権削除となっており、住民票から現在の住所地を探すことはでませんでした。 そこで、弁護士が夫の親戚に連絡を取りましたが、所在を知る人はいませんでした。
そのため、家庭裁判所に離婚訴訟を提起し、夫が長年行方不明であることを主張して、無事に離婚の判決を得て、離婚するにいたりました。
30代男性 自営業
妻: 30代 主婦
婚姻期間: 1~5年
子ども: 3人(妻の連れ子と実子)
Lさんは離婚調停が不成立に終わり、当事務所に相談にいらっしゃったときには、妻が代理人をたて、離婚訴訟が提起されている状態でした。
Lさんと妻は再婚同士で、妻には前の夫との子どもが2人おり、Lさんと妻の間の子どもが1人いました。
妻は、相当額の財産分与、慰謝料200万円、養子との離縁、実子の親権及びそれぞれの子どもが大学を卒業する月までの養育費1ヶ月各4万円を請求していました。
妻とは離婚、養子2人との離縁が成立し、実子の親権は母となりました。
実子が満20歳になる月まで1ヶ月3万5000円の養育費の支払い(進学、病気、事故その他の出費は別途協議する)と、未払い婚姻費用を含む解決金として、100万円を支払うことになりました。
養育費、慰謝料ともに減額することができ、訴訟上の和解で解決することが出来ました。
40代女性 自営業
夫: 50代 自営業
婚姻期間: 15~20年
子ども: 2名(妻の連れ子と実子)
Nさんと夫は再婚同士でした。交際当時からトラブルは多少ありましたが、子供を妊娠したこともあり、結婚をしました。 しかし、結婚生活の中で、夫はNさんにたびたび暴力をふるったり、Nさんが結婚前から持っている財産を要求したりするようになりました。 Nさんは、日々耐えて生活してきましたが、子供が成長したのを機に、離婚の相談にいらっしゃいました。
夫には離婚についてまだ話していないとのことでしたので、まずは財産を確認した上で、調停を申し立てました。
それでも条件面で折り合いがつかず不成立で終わったため、離婚訴訟を提起しました。
その中で主張・立証した結果、訴訟の中で和解することができました。 子供の親権はNさんになり、夫は20歳になるまでの養育費を払うことになりました。 財産分与として、共有だった自宅等を獲得することができました。
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