私は、現在、夫との間で離婚調停中です。 1年前から別居をしていますが、別居してから一度も夫から生活費をもらっておらず、実家から支援をしてもらっているのですが、生活が非常に苦しいです。 別居をしてから今までの生活費を夫に請求することはできるのでしょうか?
「婚姻費用」について、詳しくはこちら
婚姻費用の分担義務の始期については争いがあり、義務者において義務者が分担の支払いを受けなければならない状況にあることを知り、又は知り得べかりし時とする見解もあります(大阪高裁昭和58年5月26日判決)が、一般的に請求時(婚姻費用分担調停申立時)と考えられています。東京高決昭和60年12月26日も、「婚姻費用分担義務の始期は、同義務の生活保持義務としての性質と両当事者間の公平の観点から考えれば、権利者が義務者にその請求をいた時点と解すべきである。」と述べており、最近の審判例においても婚姻費用分担の始期は調停申立時と説明されています。もっとも、当事者間の交渉などでそれ以前から請求していたような事情があれば、それ以前に遡ることができると解されており、また、理由もなく追い出したような特別の事情があれば、その時点まで遡らせることができることもありうるでしょう。 他方、財産分与においては、当事者双方の一切の事情が考慮されることから、最高裁昭和53年11月14日判決は、「婚姻継続中における過去の婚姻費用の分担の態様は右事情の一つにほかならないから、裁判所は、当事者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付を含めて財産分与の額及び方法を定めることができる」として、過去の未払婚姻費用を財産分与に含めることもできると判示しており、過去の未払婚姻費用については一般的に財産分与の中で解決する取扱がなされています。「財産分与」について、詳しくはこちら
質問者:女性
Q. 先日、夫から「離婚したい。家を出て行ってくれ。」といわれました。
夫に理由を聞きましたが、はっきりと何もいいませんでした。
その後、夫の携帯電話をのぞいたところ、同じ会社の既婚女性と不倫していることが分かりました。
探偵に依頼し、不倫の証拠もあります。
私としては、相手の女性から慰謝料をもらって離婚したいと思うのですが、相手の女性への慰謝料請求と離婚どちらを先にするのが私にとって得策でしょうか?
離婚を先にしている方が、事案が複雑にならないと考えられます。
本件のようないわゆるダブル不倫については、あなたは被害者として夫の不倫相手の女性に慰謝料を請求できるのですが、不倫相手の女性の夫もあなたの夫に慰謝料を請求できる立場にあるのです。よって、離婚をせずに不倫相手の女性に慰謝料を請求しても、不倫相手の女性の夫もあなたの夫に対して慰謝料請求をすれば、あなたとあなたの夫の共通の財布から慰謝料を支払わなければならなくなりますので、労力の割に得られるメリットは少ないでしょう。下手をすれば、不倫相手の女性から支払われる慰謝料よりも高額の慰謝料を支払わなければならなくなり、損をする可能性もあります。
一方、離婚を先にしておけば、こちらが不倫相手に対して請求する慰謝料額は離婚に至ったという明確な損害があるため、ほぼ確実に上がることになるでしょう。また、あなたとあなたの夫との財産関係もはっきりしているので、不倫相手の夫から慰謝料請求をされた場合にも財産分与が済んで明らかに夫のものとされた財産から支払うことができます。
離婚を先にした方が得策である場合が多いと考えられるものの、実際は離婚の方が、時間がかかることが多く、慰謝料請求の時点で正式に離婚が成立していないケースが多くあります。離婚に際しては離婚すること自体は合意できているものの、財産分与や子供の親権で話し合いがまとまらないことが多いのです。また、夫に対しても慰謝料を請求することができます。これは財産分与の中で考慮することもできます。
このようなダブル不倫の場合の慰謝料請求は、浮気相手の夫が妻の浮気のことをそもそも知っているのか、夫に慰謝料を請求するつもりなのか、相手夫婦は離婚するのか否か、など事案が複雑になりがちです。このような事態に陥った場合には、事案に精通した弁護士に相談することをおすすめします。
「ダブル不倫の場合の慰謝料請求」について、詳しくはこちら
面会交流は、子の発育にとって重要と考えられています。
それは、面会交流がうまく行われていると、子は、どちらかの親からも愛されているという安心感を得ることができ、一緒に暮らしていない親との面会交流を行うことが子の健やかな成長や幸せにつながると考えられているからです。
もっとも、面会交流を行うにあたっては、子の負担となり過ぎないようにする配慮も必要となります。
今回紹介する裁判例は、子の心情等を配慮し、直接の交流の実施までは認められないとしつつも、電話や手紙等の方法による交流の実施を相当とした事案で、比較的新しい裁判例となります。
~令和2年9月18日審判(奈良家庭裁判所)~
本事案は、父である申立人が、離婚した母である相手方に対し、子の面会交流を求めた事案です。
この事案では、子らに対する調査官調査を実施され、子らの心情等に配慮し、裁判所は直接の交流は難しいと判断しました。
もっとも、従前電話による交流や手紙のやりとり等が行われていたことを考慮し、今後も事前に交流時間を定め、電話や手紙によるやりとりを実施することが相当と判断しました。
現在、電子機器の発達により、面会交流の方法にも様々なバリエーションが出てきました。
親と子が会って交流することを直接交流といいますが、親と子が電話等を介して交流することを間接交流といいます。
本事案では、面会交流の方法を細かく検討し、間接交流の方法として、「テレビ電話」「音声通話」「手紙」「プレゼント」等の方法が挙がりましたが、最終的に「テレビ電話」による方法は子らの負担が大きく実施は難しく、ひとまず音声通話等の方法で間接交流を行うとの判断に至りました。
面会交流は、実施することが子の発育にとって有益であることに違いありませんが、実際に実施するためには幾つかのハードルがあります。
今回検討に挙がった「テレビ電話」「音声通話」「手紙」「プレゼント」等の方法は、今後面会交流の実施を考えている方にとっては参考になる交流方法かと思います。
面会交流を行うには、子の気持ち、両親の思い、周りの環境に配慮し、障害となる事象を1つ1つ話し合いながら、最善の方法を模索していく必要があります。
なお、子の成長とともに、面会交流の実施の有り様は当然変化していくものですので、面会交流の条項には、今後の実施方法の協議に関する条項も設けられることが多々あり、あくまで子の福祉の観点から、将来的にも柔軟な協議が求められると思われます。
面会交流が子にとって有意義なものになればと思っております。
ウィズコロナの時代ということもあり、裁判所の裁判も電話やウェブを利用して行われる機会が増えました。
離婚の場合、協議離婚が整わない場合は、夫か妻のどちらかから、家庭裁判所へ離婚調停を申し立てます。
「裁判所の管轄」という問題がまずはじめにあるのですが、「相手方の住所地の家庭裁判所」または「当事者が合意で定める家庭裁判所」になります。
当事者同士ではおそらく定めることは難しいため、後者ではなく前者になることが多いです。
たとえば、別居して東京の実家に住んでいる妻から、名古屋市内に住んでいる夫へ離婚調停を申し立てる場合には、夫の住む名古屋が管轄になり、妻は名古屋家庭裁判所へ出廷しなければなりません。
こんなときは、電話会議システムを利用すると裁判所へ出廷することなく調停をすることができます。
電話会議システムでは、スピーカー機能のある電話で、裁判所と当事者をつないで、電話を介して、申立人、相手方と交互に調停を進めていきます。
電話ですので、お互い(調停委員と当事者)の顔が見えないこと、資料を指し示すことができないこと、など不便な点はあります。
しかし、遠方まで行かなくていいし、万が一でも裁判所で顔を合わせる心配もないし、
今後、ますます、電話会議システムは増えていくでしょう。
ただし、本人確認ができないので、代理人弁護士がついていないとこの運用は認められないようです。
また、最近の日経新聞に、「離婚調停をデジタル化する」という記事が出ていました。
調停の申し立てから裁判官らによる聞き取り、記録の閲覧まで、インターネットやオンライン会議で運用できるようにするそうです。
2023年の通常国会での法改正をめざしているそうです。
ネット上で家事調停の手続きが完結する時代がやってくるのでしょうか。
離婚にあたり養育費の取り決めをする夫婦は多いと思います。
養育費につき、養育費の減額調停という手続があるように、一度取り決めた養育費も将来の事情の変更により金額が下がることがありますが、当時取り決めた際の事情は、今後取り決め直す際にどこまで考慮されるのでしょうか。
ここでは、近時の裁判例を踏まえ、養育費の取り決めにあたって注意したいことを紹介したいと思います。
今回紹介する裁判例は、離婚後の再婚等の事情により養育費の減額が認められた札幌高裁平成30年1月30日決定です。
本事案は、配偶者Xが再婚後、再婚相手の子らと養子縁組したことを理由に、養育費の減額を求めた事案です。
再婚したとしても前配偶者との間の子どもを扶養すべき義務があることに変わりありませんので、再婚したことそれ自体が直ちに養育費に関する事情変更には当たりません。もっとも、たとえば再婚相手との間に子どもが生まれたり、再婚相手の子どもにつき養子縁組をした場合には、養育費の支払義務者の扶養すべき対象が増えることになりますので、養育費に関する事情変更の一事情となります。
本事案は、再婚後に養子縁組したことをもって、養育費に関する事情変更に該当するとして、減額を求めた事案になります。
まず、裁判所としても、再婚後に再婚相手の子らと養子縁組したことや当時の収入との変動等を踏まえ、本事案は、養育費に関する事情変更があるとしました。
そのうえで、本事案では、事情変更後の養育費の金額を算定するにあたって、当時の合意に至った事情を考慮すべきと判断しています。
すなわち、本事案では、離婚に当たり当事者間で公正証書を作成し、養育費の取り決めをしていたところ、当時取り決めた養育費の金額が、養育費の算定表上導かれる金額よりも高い金額となっていました。裁判所は、このように当時養育費の金額が算定表よりも高く設定されていることの趣旨を紐解き、減額後の養育費の金額の算定に当たっても当時の合意の至った事情等を踏まえ、養育費の金額を算定表上導かれる金額よりも高い金額を認定しました。
本事案で注目すべきポイントは、「事情変更後の養育費の金額を算定するにあたっても当時の合意に至った事情を考慮している点」です。
養育費の金額を取り決める際、裁判所が出している算定表(https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html) を参考にする人も多く、最終的には、当該算定表とその他の事情(早期の離婚や財産分与等の事情)により、養育費の金額を取り決めることになるケースが多いと思います。
本事案は当然のことといえば当然のことですが、将来養育費の金額を取り決め直すに当たっても、当時取り決めた際の事情は考慮すべきとしています。
養育費の取り決めに当たって、たとえ高い金額であっても将来減額を求めればいいという考えで合意する人はいないとは思いますが、当該取り決めをした金額というのは、将来的にも影響することになりますので、その点はご注意いただければと思います。
弁護士 杉浦 恵一
※こちらの記事は2022年08月22日までの情報を元に作成しています。執筆時点以降の事情変更により記事の内容が正確でなくなる可能性がございます。
引用しているウェブサイトについても同様にご注意ください。
実務上、ほとんど使われていないと思われますが、民法にはいわゆる夫婦財産契約の規定があります。
夫婦財産契約とは、結婚しようとする男女が結婚前に取り交わす契約のことで、主に財産の管理方法、離婚後の財産分与などが定められます。
民法755条では、「夫婦が、婚姻の届出前に、その財産について別段の契約をしなかったときは、その財産関係は、次款(※)に定めるところによる。」と定められていますが、この「その財産について別段の契約」という部分を、法律用語ではありませんが、「夫婦財産契約」と呼ぶことが多いようです。
(※)ここで記載されている次款とは、「第二款 法定財産制」という部分であり、民法760条、761条、762条の3つの条文があります。
これらの条文ですが、それぞれ以下のような定めです。
この別段の契約(=夫婦財産契約)をしなかったときは、夫婦間の財産関係は、民法760条から762条に定めるところによる、とされていますので、逆に言えば、この3つの条文で規定された内容については、別段の定めが許されると読めます。
夫婦財産契約は、民法755条で、「夫婦が、婚姻の届出前に」と記載されていることから、婚姻届を出す前に契約しなければ効果は生じないように読めます。
また、夫婦が主語となっていますので、夫婦になって(=婚姻の届出をして)初めてこの契約の効力が発生すると考えられます。
民法756条では、「夫婦が法定財産制と異なる契約をしたときは、婚姻の届出までにその登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。」とされていますので、登記をすることができますが、あくまで第三者対抗要件ということで、夫婦の間では登記は契約の効力が生じる要件ではないようです。
また、民法758条1項では、「夫婦の財産関係は、婚姻の届出後は、変更することができない。」とされていますので、注意が必要でしょう。
この契約は、1946年から2016年までの間に、246件の登記がなされているという話ですので、登記をしていない夫婦間の財産契約がどのくらいなのかははっきりしませんが、そこまで多くはないでしょう。
また、夫婦財産契約に関する裁判例は少なく、契約をしたとしても、実際にどの程度有効なのかは、何とも言えないところです。
この契約では、婚姻費用の分担、日常の家事に関する債務の連帯責任、夫婦間における財産の帰属に関して契約できますが、民法の一般条項(権利濫用や信義則違反など)も契約ですので適用されます。
そうしますと、解釈の問題ですが、一切の婚姻費用を分担しないといった夫婦の協力義務に反するような内容や、結婚前からの財産を他方の配偶者が管理するといった内容など、不合理な内容であった場合には、無効になる可能性が考えられます。
また、夫婦の一方が死亡した際に、財産を取得しないといった内容は、相続に関わってきます。
相続の場合、遺言は様式が定められており、また生前に相続放棄をすることはできないと解釈されていますので、相続に関するような内容も無効になる可能性があります。
このような点からしますと、夫婦財産契約がどの程度の効果をもつかは何とも言えませんが、今後、このような契約が増えていく可能性はあります。
なお、夫婦の財産関係以外に関する契約について、民法では特に定めはありません。
そのため、場合によっては、離婚に関する定め(例えば、ある事情が生じたら離婚するといった契約)をする場合も想定されます。
しかし、このような離婚に関する定めは、無効だと判断される可能性が十分考えられますので(東京地裁 平成15年9月26日判決、離婚という身分関係を金員の支払によって決する内容の誓約書は公序良俗に反するという判断)、事前の離婚の約束があったとしても、それによって簡単に離婚が認められると考えることは避けた方が無難でしょう。
依頼者 夫 Aさん
相手方 妻 Bさん
夫Aさんは、妻Bさんと離婚がしたいがBさんが離婚を拒んでいるということで相談にいらっしゃいました。
また、Aさんは、Bさんと既に別居していましたが、Bさんとは直接話をすることができないとのことで、当初から弁護士を介して離婚交渉することを希望されていました。
Aさんは、第一に子供との面会交流を希望していましたので、当事者間で面会交流ができるようになるまで、毎回、弁護士がBさんと交渉して、何度も面会交流の段取りを組みました。
一方、離婚については、交渉、調停をしましたが、Bさんの離婚を拒む意思が非常に強く、成立させることができませんでした。
そのため、訴訟を提起しました。
訴訟でも、Bさんは頑なに離婚を拒みましたが、離婚原因が存在することについての当方の主張を展開するとともに、裁判官を介して粘り強く交渉していくなかで、最終的には、和解による離婚を成立させることができました。
本件は当事者間の対立が非常に激しい事案で、離婚にはそれなりの時間を要しましたが、最終的には、双方が納得するかたちでの離婚条件となったのではないかと思っています。
約2年
依頼者 妻 Aさん
相手方 夫 Bさん
妻Aさんは、夫Bさんと離婚がしたいが、財産分与が問題となりそうだとのことで相談にいらっしゃいました。
Bさんは、年収が高く、相応の財産を有していると思われましたが、Aさんはその詳細を把握していませんでした。
本件は、双方に弁護士がついて調停となりました。
調停において双方が財産を開示しましたが、Bさんが開示した財産は、その年収からすると僅かな財産のみでした。そのため、当方から取引履歴の開示等を求めましたが、Bさんが頑なにこれを拒みました。
本件は、訴訟に移行し、訴訟のなかでBさんの財産を開示させ、その結果隠している財産を見つけることができました。
財産の開示を拒んでいる配偶者に対して財産を開示させるには、裁判所の調査嘱託等を利用する方法があります。裁判所は簡単に調査嘱託をしてくれるわけでもありませんし、また、仮に、隠した財産が見つかったとしても、その評価の仕方によっては、財産分与の対象外となることもあります。
財産分与については、裁判所の独特の考え方がありますので、争いになりそうな場合は、離婚を多く取り扱っている弁護士に相談されるのがいいと思います。
約2年
依頼者 妻 Aさん 50代
相手方 夫 Bさん 50代
妻Aさんは、夫Bさんから離婚を申しだされたが、自分としても離婚がしたいとのことでご相談にいらっしゃいました。
ご相談時、AさんとBさんは、まだ同居しており、早く夫に自宅から出て行ってもらい、自宅に残ったまま別居・離婚がしたいとの希望をおもちでした。
まず、Aさんが自宅に留まったまま別居ができるよう、夫側と交渉しました。また、別居及び別居後の生活費の分担についての合意もしました。
その結果、夫に出て行ってもらうかたちで、別居することができました。
離婚については、双方に代理人がついての調停となりました。
財産分与となれば、Aさんが多くの財産を分与する側になる可能性もある事案でした。
夫側は、財産の開示を求めましたが、調停での協議、交渉の結果、双方が財産を開示することなく、自宅についてだけ妻側に財産分与することで解決することができました。
本件は、妻側が財産を分与しなければならない可能性があったところ、調停での駆け引きにより、財産の開示をすることなく解決することができました。
自宅については、妻側がローンの借り換えを行いましたが、一連の手続についても弊所がお手伝いすることで、スムーズに進めることができました。
複数の士業がいる弊所の強みだと思います。
10か月
依頼者 妻 Aさん 40代
相手方 夫 Bさん 40代
妻Aさんは、夫Bさんから離婚を執拗に求められているということで、弊所に相談にいらっしゃいました。事情をお聞きしたところ、 AさんとBさんは、相談にいらした時点で既に3年以上別居しており、その間、Aさんと子供が自宅に住み続けていることを理由として、Bさんから一度も生活費をもらっていないということでした。
Aさんは、生活費をもらえないことに疑問を抱いており、また離婚はやむを得ないとしても、なるべく子供たちの負担にならないようにしたいということでご相談にいらっしゃいました。
Aさん夫婦は、夫の親が所有する土地のうえに夫婦の自宅を建てていました。弁護士からは、そのような状態であっても夫から生活費をもらうことができることを説明し、夫に婚姻費用を請求しました。
また、離婚については、財産分与に加算して、別居後受け取っていなかった過去の婚姻費用相当額を請求しました。
本件は、婚姻費用も離婚も調停となり、夫側は、弁護士も含めてかなり攻撃的な態度を示しましたが、毅然とした態度で、当方の主張を展開しました。
結果、妻側の意向を多く取り入れた内容での離婚が成立しました。
本件は、夫側がかなり威圧的な態度を示してきましたが、当方が毅然とした態度を示したことで、夫側の譲歩を引き出すことができました。
最近は、ネット等からの知識により少なくはなりましたが、相談者様の中には、別居後、一度も生活費を受け取ったことがないという方がいらっしゃいます。そのような方は、お早めに弁護士までご相談されることをお勧めします。
約1年半
依頼者 夫 Aさん
相手方 妻 Bさん
Aさんは、職場や住居の問題で配偶者と関係が悪化し、別居しました。その後、修復の見込みがないことから、離婚に向けて当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、交渉では話が難しいと思われましたので、離婚調停を申立てし、話し合った結果、半年後に再協議するという内容で調停を成立させ、最終的には協議により離婚が成立しました。
離婚調停では、合意ができるかどうかの問題ですので、成立するか、そうでなければ不成立で終了という場合が多いと思われます。
しかし、話合いの手続のため、場合によっては当面の間別居するとか、一定の期間後に再度の協議をするといった内容で調停を成立させる場合もあります。
約1年間
依頼者 妻 Aさん
相手方 夫 Bさん
Aさんは、配偶者と喧嘩になり、配偶者が家を出ていきました。その後、配偶者が弁護士に依頼して離婚条件などの交渉の連絡があったことから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、代理して交渉し、話が進まなかったことから、離婚調停等の裁判所の手続に移行し、最終的には養育費や面会交流、荷物、車のローンといった色々な条件について合意し、離婚が成立しました。
離婚する場合にローンをどのようにするか問題になることがあります。しかしローンには債権者(貸し手)がいますので、夫婦の間で何か合意をしても、債権者には影響を与えないことが原則です。それでも、離婚の条件としてどちらがローンを支払っていくといった内部的な合意は可能です。
約1年間
依頼者 Aさん
相手方 Bさん(配偶者)
子ども: 2人
婚姻期間: 20年
5年前にBさんがお子さんを連れてAさんと遠方へ別居し、Bさんにはすぐ代理人の弁護士が就きました。しかし、中々離婚の話が進まず、長年にわたり進展がない状況であったため、こちらから離婚の話を進めるべく、弊所に相談にいらっしゃいました。
離婚そのものについてはすでにBさんと合意ができておりました。
当初当事者間では公正証書の作成を視野に入れておりましたが、Bさんが遠方に住んでいること等も踏まえると調停を申し立てる方が迅速な解決が見込めましたので、受任後すぐに調停を申し立てました。
調停の中では養育費の終期が争点となりましたが、離婚後もきちんとした対応をしていくことを前提に、Aさんの意向に沿う形での解決となりました。
離婚は両当事者が協力的でなければ思うように進まないところとなります。 離婚するにあたりどのような手段方法をとるか悩まれる方もいらっしゃると思いますが、手続きの流れや時間、費用、事情を考慮し、色々な選択の可能性を知っていただくことが離婚を進めるうえでも大切なのだと感じた事案でした。
6ヶ月
依頼者 夫 30代 会社員
相手方 妻 30代 会社員
Aさんは、相当年数前から、配偶者が別居して婚姻関係が破綻状態でした。子供も大きくなってきたため、きちんと決着をつけようと離婚調停を申し立てたところ、配偶者は、財産分与を請求の上、今さらになって親権者を争うとか、不貞行為の慰謝料があると主張をしてきました。
Aさんの代理をした当事務所では、Aさんの親権者を優先したいという意向を確認しつつ、財産分与の基準時点が双方で異なったことから、双方の主張する2時点の財産目録を別々に作成し、最終的にはAさんを親権者とし、一定の財産分与をすることで離婚が成立しました。
財産分与をする場合、いつの時点の財産を分けるかの基準時点を決める必要があります。一般的には別居の時点が多いようですが、当事者間でこの基準時点が異なると、お互いの主張する時点で複数の財産目録を作らなくてはならない場合もあります。
約1年半
依頼者 妻 30代
相手方 夫 30代
依頼者は、離婚を希望し、ご自身で夫と離婚協議をしました。ところが、離婚成立間際になって、夫が突然弁護士を付けて離婚を拒んできたため、依頼者が弊所に相談にいらっしゃいました。
依頼者の希望は、とにかく早期に離婚を成立させることでした。 弁護士は、夫の代理人弁護士と離婚協議を開始しましたが、夫側が頑なに離婚を拒んでいたため、やむを得ず離婚調停を申立てました。また、夫に圧力をかけるためにも、併せて、婚姻費用の調停も申立てました。 夫は、調停のなかでも離婚を拒み続けましたが、当方は、離婚の条件を提示し、粘り強く交渉を重ねました。 その結果、財産分与等の条件面では、依頼者が譲歩する形となりましたが、最優先事項の離婚を成立させることができました。
依頼者の最優先事項は早期の離婚でした。 交渉当初は、夫の希望が把握しかねたため、なかなか進展が見られませんでしたが、調停委員を介して、何度も夫の意向を確認してもらうことで、当方も夫の意向を汲んだ離婚条件を提示することができました。 別居期間が短く、裁判でも離婚することは難しい事案でしたが、調停委員の協力もあり、何度が調停期日を重ね話し合うことで、離婚を成立させることができました。
約1年
夫 Aさん 男性
妻 Bさん 女性
不貞相手 Cさん
子供:1人(未成年
婚姻期間:9年
AさんとCさんの不貞が発覚し、Bさんがほぼ全ての家財道具と子を連れて出て行ってしまいました。その後Bさんの代理人弁護士から離婚を求める書面が届いたため、どのように対応したら良いかわからず、相談にいらっしゃいました。
受任してすぐに相手方代理人に連絡をし、協議での交渉を始めましたが、交渉が難航し、相手方代理人より婚姻費用と離婚の調停を申し立てられました。
財産分与や解決金部分で双方の主張の乖離がありましたが、財産資料を1つ1つきちんと開示し、ねばり強く交渉をし続けた結果、当初の提示された金額より半額程度減額の解決金をAさんが支払うことで離婚が成立しました。
離婚協議中にAさんがBさんの同意を得ず、共有財産である自宅不動産を売却してしまったため、より対立の溝が深まってしまいました。
Aさんが支払うことができる金額について、資料を添付し丁寧に説明することで、Bさんにも納得いただき、離婚することができました。
Aさんが有責配偶者であるため、強く主張ができず、相手方の主張に対しどこまで譲歩するか、有責配偶者の代理人としての難しさを痛感した事例となりました。
1年2か月
妻 Aさん 40代 女性
夫 Bさん 40代 男性
子供:2人(小学生)
本件は、別居中の夫婦について、過去に調停において定めた再協議条項(3年後に面会交流の内容を見直すことを定めた条項)に基づき、非監護親の夫から監護親である妻に対し、面会交流の調停が申し立てられた事案です。 その中で、夫は、現在の面会交流を一歩進めるかたちでの内容の面会交流を求めてきたため、これに応じることができないと考えている妻からの相談を受けました。
調停のなかで、夫側は、もっと子供と一緒に過ごすことができるような内容の条項への修正を求めてきました。
一方、依頼者にとっては、現状の面会交流には、問題点が多く、その内容を拡大させるどころか、現在の問題点が改善できないのであれば、面会交流を縮小する方向で進めることを希望しました。
調停のなかでは、両者の考え方が真っ向から対立しましたが、当方は、これまでの調停の問題点を細かく書面化し、夫に対し改善を求めました。 一方で、夫側は、妻の意見は受け入れ難いとして全面的に争う姿勢を見せたため、折り合いはつけられず、審判に移行しました。
審判では、子供に対する調査官調査も実施されましたが、結果的には、現状の面会交流を拡大も縮小もせず、現状のままの面会交流を継続することを確認して和解が成立しました。
面会交流の調停では、面会交流の内容に折り合いが付けられず、何年後かに再協議する内容を定めて和解が成立するケースが珍しくないと思います。 しかし、再協議条項はあくまで再協議することを定めるにとどまり、基本的には、何らの強制力もありません。 再協議した際に、面会交流の内容を拡充することができるのか否かは、再協議までの間の面会交流を通じて、親同士がどこまで信頼関係を構築することができるのかが大きく影響してくると思われます。
1年10か月
依頼者 妻40代
相手方 夫40代
未成年の子供あり
依頼者は、離婚を拒む夫と別居を継続していましたが、夫の態度が改善されることもなく、離婚の話が進むこともなく、ただ別居だけが継続しているとのことで、離婚を希望して、弊所に相談にいらっしゃいました。
依頼者の希望は、夫の精神状態が不安定であるとのことで、子供達への影響を考え、なるべく夫を刺激しないよう離婚を進めるとのことでした。
そのため、弁護士は、手紙と電話により、夫の気持ちに寄り添いつつ、何度も夫と協議をし、その結果、当方が作成した離婚協議書の内容で離婚するとの口頭の約束を取り付けました。しかし、公正証書を作成する段階になり、夫と一切連絡をとることができなくなってしまいました。
その後、依頼者と相談し、離婚調停を申立てました。結局、夫が一度も調停に出席しなかったため、裁判官が調停に代わる審判を出し、離婚が成立しました。
離婚が成立したものの、離婚後の手続きについても夫が非協力的であったため、子供たちの健康保険の切り替え手続きをすることができませんでした。そのため、弁護士が夫の職場とやり取りをし、夫の職場の協力を得て、保険の切り替えをすることができました。
本件は、離婚が成立し、依頼者がとても喜んでくれました。
弁護士としては、今後も養育費の支払い状況を見守りつつ、場合によっては給与の差し押さえを検討する必要がある事案だと考えています。
弁護士としては、今後も養育費の支払い状況を見守りつつ、場合によっては給与の差し押さえを検討する必要がある事案だと考えています。
約1年
夫 Aさん 60代男性
妻 Bさん 50代女性
婚姻期間:46年
Aさんは、配偶者からのモラハラに耐えかね、別居しました。自分では配偶者に対応できないと考えたAさんは、当事務所に相談にいらっしゃいました。
当事務所では、Aさんのお話を聞き、対応が難しいと感じましたので、最初から離婚調停及び婚姻費用分担調停を申し立て、調停をしながら交渉もするという方針で進めました。
Aさん夫婦の財産は大半が自宅不動産でしたが、交渉の結果、離婚し、一定期間後に自宅を売却して、財産分与をするという調停が成立しました。
財産分与をする場合、分けられるのはあくまで現存する財産だけです。財産の大半が不動産の場合には、仮に2分の1ずつ共有で分けたとしても、金銭化が容易ではありませんので、財産の内容によっては財産分与の方法に注意が必要でしょう。
約6か月
夫 Aさん 50代男性
妻 Bさん 40代女性
婚姻期間:19年
Aさんは、配偶者から、代理人を介して、離婚、養育費、財産分与、慰謝料の請求をされ、しばらくは自分で交渉をしていました。
しかし、その請求内容に納得がいかなかったことから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、財産分与の資料が開示されなかったことから、財産分与資料の開示を求めたところ、交渉では開示しないということであったため、速やかに離婚調停を申し立て、お互いに財産資料の開示を行いました。
その結果、財産分与をする必要がない可能性があったことから、この点を中心に交渉し、結果的には、妥当な養育費と慰謝料額を支払い、財産分与はお互いに請求しないという結論で離婚しました。
財産分与は、実際に資料を開示し、内容を確認するまで、どのような金額になるか正確には分かりませんので、まずは財産資料の確認が必要となるでしょう。
約9か月
夫 Aさん 男性
妻 Bさん 女性
婚姻期間:33年
Aさんは、妻と同居していましたが、妻が不貞行為をしていることを知り、定年を機に別居して離婚したいということで、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、事前に離婚調停等の申立準備をして、別居と同時期に受任通知を送るとともに、離婚調停の申立てをしました。
すると、妻も代理人に依頼し、第1回調停前に財産分与の資料を交換し、第1回調停で、財産分与と不貞行為を踏まえて、Aさんが多少の財産分与をするということで、離婚条件が決まり、離婚が成立しました。
離婚の場合、財産分与が問題になることが多くありますが、資料の準備にかなりの時間を要することがあります。
調停を申し立てた場合であっても、事前に財産資料を準備しておくと、早く進む可能性があります。
約3か月
夫 Aさん 男性
妻 Bさん 女性
子供:2人(成人)
婚姻期間:31年
Aさんは、妻との関係が悪くなり、離婚を切り出しましたが、妻が離婚に応じず、耐え切れなくなって別居しました。その後、今後の進め方を弊所にご相談にいらっしゃいました。
弊所では、妻が離婚に応じていないということで、裁判所外での話し合いは難しいと考え、速やかに離婚調停を申し立てました。
離婚調停では、妻も出席し、裁判所での話を経て、離婚には応じる意向が示されましたので、財産目録を作成して、条件を提示し、離婚が成立しました。
受任してすぐに相手方代理人に連絡をし、協議での交渉を始めましたが、交渉が難航し、相手方代理人より婚姻費用と離婚の調停を申し立てられました。
財産分与や解決金部分で双方の主張の乖離がありましたが、財産資料を1つ1つきちんと開示し、ねばり強く交渉をし続けた結果、当初の提示された金額より半額程度減額の解決金をAさんが支払うことで離婚が成立しました。
当事者間の話し合いでは離婚に応じていない場合でも、裁判所で調停をすると、離婚に応じる場合があります。ただし、逆の場合もありますので、注意が必要です。
約9か月
夫 Aさん 男性
妻 Bさん 女性
不貞相手 Cさん
子供:1人(未成年
婚姻期間:9年
AさんとCさんの不貞が発覚し、Bさんがほぼ全ての家財道具と子を連れて出て行ってしまいました。その後Bさんの代理人弁護士から離婚を求める書面が届いたため、どのように対応したら良いかわからず、相談にいらっしゃいました。
受任してすぐに相手方代理人に連絡をし、協議での交渉を始めましたが、交渉が難航し、相手方代理人より婚姻費用と離婚の調停を申し立てられました。
財産分与や解決金部分で双方の主張の乖離がありましたが、財産資料を1つ1つきちんと開示し、ねばり強く交渉をし続けた結果、当初の提示された金額より半額程度減額の解決金をAさんが支払うことで離婚が成立しました。
離婚協議中にAさんがBさんの同意を得ず、共有財産である自宅不動産を売却してしまったため、より対立の溝が深まってしまいました。
Aさんが支払うことができる金額について、資料を添付し丁寧に説明することで、Bさんにも納得いただき、離婚することができました。
Aさんが有責配偶者であるため、強く主張ができず、相手方の主張に対しどこまで譲歩するか、有責配偶者の代理人としての難しさを痛感した事例となりました。
1年2か月
夫 Aさん 40代 男性 会社員
妻 Bさん 40代 女性 会社員
子供:1人(未成年)
婚姻期間:10年
Aさんは、単身赴任が多く、自宅に戻ることが少なかったのですが、単身赴任が終わって戻る際に、配偶者から自宅に戻ってくるなと言われ、そのまま別居を開始しました。
離婚調停では、裁判所から一般的な基準が示され、概ねその基準で合意が成立する見込みでしたが、途中から配偶者が、新型コロナウイルスを理由に裁判所に来なくなったため、最終的には裁判所が離婚審判を出し、離婚が成立しました。
お話を聞いて、離婚自体は争いがなさそうであったため、養育費の金額は最終的には離婚訴訟で裁判所に決めてもらうことを想定し、早く進めるために速やかに離婚調停を申し立てました。
離婚調停の中で、配偶者も代理人を選任し、離婚するつもりはないと言いつつも離婚条件の提示があったため、一定の財産分与に応じて離婚が成立しました。
一般的な離婚の方法として、協議離婚、調停離婚、裁判離婚といったものがありますが、例外的に裁判所が審判という形(決定)で離婚をすることがあります。
最近は新型コロナウイルスの問題があり、裁判所に出席しないで離婚する方法として審判離婚も比較的増えているのではないかと思われます。
審判離婚は、裁判(判決)と同様に、確定しなければ離婚が成立しませんので、注意が必要です。
約6か月
夫 Aさん 50代 男性
妻 Bさん 女性
婚姻期間:24年
Aさんは、以前から配偶者と折り合いが悪く、病気療養のために実家に帰ったタイミングで配偶者との離婚を決意しました。
しかし、配偶者との間で直接話をすることが困難だと思われたことと、どのように離婚の話を進めたらいいか分からなかったため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんのお話を聞き、まずは配偶者と連絡をとってみなければ配偶者の意思などが不明なため、連絡を取りましたが、離婚の意思がはっきりしなかったため、次の方法として、速やかに離婚調停を申し立てました。
離婚調停の中で、配偶者も代理人を選任し、離婚するつもりはないと言いつつも離婚条件の提示があったため、一定の財産分与に応じて離婚が成立しました。
離婚の交渉において、相手方が離婚するのか、しないのか不明確なことがあります。このような場合、まずは連絡をとって、離婚する意思があるのか、ないのかを確認した方が状況がはっきりします。
また、離婚する気がないと言いつつ、離婚条件の協議には応じる場合もありますので、裁判所の離婚調停などで離婚条件を協議する場を設けてみることも1つの方法です。
約1年
夫 Aさん 40代 男性 会社員
妻 Bさん 40代 女性 公務員
婚姻期間:13年
子ども:2人(未成年)
別居中の妻に代理人弁護士が就き、離婚調停を申し立てられました。
妻側の主張を受け入れようと思いましたが、夫自身も納得して離婚するために、どうすべきか悩み、相談にいらっしゃいました。
離婚自体と親権については互いに合意していたため、養育費と財産分与について、相手方代理人と調停内外で交渉していきました。
特に同居していた際の自宅が夫婦共有名義になっていたため、その部分での話合いが難航しましたが、結果として依頼者の不動産持分を相手方に譲渡し、相手方より財産分与として現金を受領するという内容で調停をまとめ、調停離婚を成立させることができました。
今回は、相手方も婚姻期間中就労していたこともあり、財産分与において支払う側になるのか支払いを受ける側になるのかの判断が難しい事案でした。
調停において、双方財産を開示し、財産分与を争っていくと、調停が長引き、婚姻費用の負担も増加することが見込まれたため、解決金という形で一定額の支払いを受けることで、早期の解決を図りました。
5か月
妻 Aさん 40代 女性
夫 Bさん 40代 男性
子供二人
Aさんが、夫からのモラハラに限界を感じ、離婚をしたいとのことで弊所に相談にいらっしゃいました。
Aさんは、高圧的な夫とご自身で話をすることができないとのことで、離婚協議の代理を依頼されました。
Aさんからの受任後、離婚調停と婚姻費用の調停を申立てました。
夫は、これらの調停に出席するものの、非常に非協力的で、自身の年収に関する資料の開示も拒否しました。また、そのような態度であったため、婚姻費用の調停について審判に移行しました。
当方は、年収に関する資料の開示を求めて、夫の職場への調査嘱託を申立てました。
裁判所からは、職場への調査嘱託は夫への影響が大きいことから、市役所に調査嘱託するよう指示がありましたが、市役所が調査嘱託に応じてこなかったことから、結局、夫の職場への調査嘱託が認められ、夫の年収を把握することができました。
そして、調査嘱託の結果判明した夫の年収をもとに、婚姻費用の審判がでました。
一方配偶者が年収を開示してこない場合、本件のように、職場への調査嘱託を申立てる方法が考えられます。しかし、裁判所が言うように、職場への調査嘱託は相手方への影響も大きいですし、争いがこじれればこじれるほど、支払いも渋りがちになりますので、可能な限り、調停委員からの説得等により任意の開示を進めるべきだと思います。
11か月(コロナの影響あり)
夫 Aさん 60代 男性
妻 Bさん 50代 女性
別居期間 4年以上
Aさんは、妻と離婚したいとのことで、弊所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんから事情をお聞きしたところ、妻の離婚拒絶の意思が強く、離婚についての争いが長期化することが予測される事案でした。
また、Aさんは、別居後4年ほどの間、高額な婚姻費用を妻に支払い続けていました。
離婚の争いの長期化に備えて、今後のAさんの出費を抑えるべく、婚姻費用の支払いを最低限にとどめるよう助言するとともに、離婚調停を申立てました。
そうしたところ、予想通り、相手方である妻は、弁護士をつけ、婚姻費用分担請求の調停を申立ててきました。
かかる調停では、Aさんに特有財産である不動産からの賃料収入があったことから、これらが、婚姻費用算定の際に、Aさんの収入として考慮されるのかが問題となりました。
もちろん、妻側は特有財産からの賃料収入もAさんの収入として扱うべきだと主張し、当初、調停委員もそのような考えを持っているように感じられました。
しかし、調停委員には、特有財産からの収入の扱いについて、必ずしも婚姻費用算定の際の年収に含まれるものではないことを他の裁判例等を交えて説明し、本件の特殊性も説明しました。
また、早期解決のため、裁判官の考えを確認したいとお願いしたところ、裁判官も、本件においては特有財産からの賃料収入は婚姻費用算定の際の年収には含まれないとの判断を示しました。
その後は、上記争点について事実上争いがなくなったことから、他の争点について、双方が少しずつ譲歩することで、調停により婚姻費用を決めることができました。
特有財産からの賃料収入が、婚姻費用算定上の年収に含まれるか否かについては、争いがあるところです。本件では、あくまで調停での裁判官の意見にすぎませんが、本件に至るまでの夫婦の生活状況や夫の給与収入だけで、妻に十分な生活費を支払えていたことも影響して、特有財産からの賃料収入が婚姻費用算定上の年収に含める必要がないとの判断がなされたものと思われます。
3か月
妻 Aさん 30代 女性
夫 Bさん 30代 男性
未成年者 2人
Aさんは、夫との離婚を決意し弊所に相談にいらっしゃいました。
Aさんは、夫から暴力を受けており、それらから避難するかたちで子らを連れて別居していました。
別居後、Aさんは、夫への恐怖心と嫌悪感から、面会交流を拒絶していました。
離婚については、調停での合意ができず訴訟に移行しましたが、面会交流について夫側から、別途調停が申し立てられました。
本件では、何度も夫から暴力を振るわれてきた事案でしたが、夫が暴力の事実を否認し、直接的な面会交流を求めてきたため、裁判所に暴力の事実を認めてもらうことから始めました。
過去に受けた暴力による怪我の写真、診断書、暴言を吐いている際の音声データ等、多くの証拠を確保できている事案でしたので、それら一つ一つを証拠として提出し、夫に対する恐怖心が強いことを裁判所に訴えました。
その結果、裁判所としても、直接的な面会交流を行うことは困難であると判断し、手紙やメールを通じての間接的な面会交流の方法を模索することになりました。
最終的には、審判に移行しましたが、裁判官と調査官の協力の元、試行的な間接交流を試したり、双方の希望を粘り強く調整し、当面の間は、手紙等を郵送する方法での面会交流をするということで合意に至りました。
裁判所が積極的に関与して双方の意見の調整をしてくれたため、審判ではなく合意という形で解決に至ることができた事案であると思っています。
和解条項には、将来、調停を利用して再協議する旨の条項も入れました。
約1年
夫 Aさん 男性
妻 女性
Aさんは、単身赴任先から戻ってきたところ、妻が浮気をしていることに気付きました。
妻に対して浮気をしていることを問い詰めると、妻は浮気の事実を認め、離婚には応じましたが、一向に離婚届に署名押印せず、引っ越しもしませんでした。
そのため、Aさんと妻は喧嘩になり、最終的にはAさんが家から出て行くことになりました。
Aさんは、妻がきちんと話し合いに応じないことから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。当事務所では、妻が話し合いに応じないようでしたので、まずは離婚調停を申立て、離婚訴訟も辞さない方法で進めることにしました。
これに対して、妻は、婚姻費用分担調停を申立ててきましたが、調停では、妻の財産分与請求とAさんの慰謝料請求を相殺する形で、互いに金銭請求をしないという合意をして、離婚調停が成立しました。
離婚の争いの中で、離婚の合意はしても実際には離婚の手続がきちんと行われないという場合もあります。このような場合、当事者同士の話では難しいようであれば、速やかに離婚調停を申し立てた方がいいでしょう。
また、浮気をしていても、慰謝料と財産分与は別々のものであるため、財産分与請求権自体が亡くなるわけではありません。財産分与と慰謝料が同程度であれば、裁判等で争う面倒も考え、相殺扱いにすることも一つの方法かと思われます。
受任から解決に要した期間:約6か月
妻 Aさん 40代 女性 会社員
夫 Bさん 40代 男性 会社員
未成年者2人(Cちゃん小学4年生、Dちゃん1年生)
婚姻期間10年
AさんとBさんは離婚することとなり、BさんはCちゃん、Dちゃんとの面会交流を求めました。Aさんは面会交流に前向きで、AさんとBさんは、面会交流調停で話し合いを続けましたが、CちゃんとDちゃんがBさんとの面会交流を拒否しました。
また、調停中に、Bさんが登校前のCちゃんDちゃんに突然会いに来たこともありました。そこで、審判に移行して調査官調査を実施することになりました。
調査官調査の結果、Bさんの教育熱心な態度が子どもたちの負担になっていたことや、Bさんの暴力的な態度が原因で、子どもたちがBさんと話をしたり会ったりすることに強い恐怖心を抱いていることが明らかになりました。
その上で、Cちゃんは間接的な面会交流であればできると意思を表明したことから、間接的な面会交流を実施することとなりました。一方Dちゃんは、Bさんに対する恐怖心が強く、当面の間、面会交流は実施しないこととなりました。
一般的に年齢が高い子どもの場合は、子どもの意向が反映されやすいですが、年齢が低い子どもであるにも関わらず、Cちゃん、Dちゃんの意向を反映した面会交流審判が出されました。
子どもたちと弁護士だけで面談をするなど、AさんとBさんの離婚をめぐる紛争に子どもたちができるだけ巻き込まれないよう注意しながら、子どもたち自身の気持ちを確認し、それを裁判所に丁寧に伝えることを心がけました。
受任から解決に要した期間:1年3か月
年金分割の請求を行うことができるのは、離婚成立日の翌日から2年以内です。また、相手が死亡した場合、死亡日から起算して1か月を経過すると、年金分割の請求ができなくなります。
協議離婚後に、年金分割の調停・審判を申し立てる場合がありますのが、その際に、離婚成立日から2年以内に申立てをしていても、調停成立や審判確定に時間がかかり、期限の2年をすぎてしまう場合があります。
その場合には、救済措置として特例があります。
相手が死亡した場合、死亡日から起算して1か月を経過すると、年金分割の請求ができなくなります。相手の合意があっても、離婚後に年金分割の審判をもらっていても、年金分割の請求はできなくなります。
判例(東京地判平26・7・11(平成25年(行ウ)第114号)では、夫の死亡を知らなかったとして、年金分割請求を却下する旨の処分の取り消しを求めた事案について、年金分割の請求は不適法としています。
そのため、年金分割については、すぐにでも年金事務所で手続きを行うことが大切です。
参考:Q&A財産分与と離婚時年金分割の法律実務 発行民事法務研究会 著小島妙子
妻Aさん 50代 依頼者様
夫Bさん 50代
妻Aさんは、夫Bさんと主に財産分与の支払い方法についてもめているとのことで、弊所に相談にいらっしゃいました。
Aさんは一括払いを、Bさんは分割払いを希望しているとのことでした。
まず、Aさんと一緒に夫婦の財産を整理し直しました。
その結果、確かにすぐには換価できない財産も多く、一括での支払いは少し夫側の負担が大きいことが分かりました。
そのため、夫と交渉を行い、分割払いに応じることを条件に、財産分与金の総額を増やすとともに、財産分与金の支払いを担保するため、
夫が所有する不動産に抵当権を設定することの合意を取り付けました。
財産分与金を分割払いにする場合、支払いに不安を感じる方はたくさんいらっしゃると思います。
離婚事件において、抵当権を設定することは比較的少ないとは思いますが、
本件は、財産分与金の支払総額が高かったということと、担保を設定することができる不動産があったということから、抵当権を設定するといった方法を取りました。
抵当権の設定までスムーズに行うことができたのは、複数の士業がいる弊所の強みだと思います。
Aさん(元夫)
元配偶者(元妻)
Aさんは、離婚して母親が親権者になりましたが、離婚後も定期的に子供と面会交流をしていました。しかし、急に子供と会えなくなり、事情を確認すると、母親からの虐待により子供が児童相談所に保護されたことがわかりました。
Aさんは、母親に状況を問い合わせましたが、要領を得なかったことから、当事務所に相談にいらっしゃいました。当事務所では、Aさんのご希望をお聞きし、最終的には親権者の変更を求めることにしました。
そこで、速やかに親権者変更の調停を申し立て、児童相談所による保護事件の資料開示を求めたり、調査官調査の実施を求めた結果、裁判所の心証が親権者を変更するという心証になってきたことから、最終的には親権者を変更するという内容での調停が成立しました。
親権者の変更は、両当事者(両親)が同意すれば変更は可能ですが、親権者が応じない場合には、家庭裁判所の審判によることになります。
ただし、親権者の変更が認められるためには、一般的には、親権者を取り決めた当時の事情から変更があり、親権者の変更が子の福祉のために必要であることが必要なようです。親権者の変更は容易には認められませんが、虐待があるような事案では認められる可能性は比較的高いのではないかと考えられます。
約3年
Aさん
配偶者
Aさんは、配偶者と離婚しましたが、離婚した後でその元配偶者から、多額の扶養的財産分与を求める調停を申立てられました。Aさんは、対応が分からなかったため、当事務所に相談にいらっしゃいました。
当事務所では、元配偶者が、別居や離婚後に発生した病気などを理由に扶養的財産分与を求めていたことから、別居後に相当な金額の生活費を支払っていることと、婚姻や離婚と関係ない事情であること等を反論し、最終的には扶養的財産分与の請求は裁判所に認められず、解決されました。
通常の夫婦間で形成された財産を分ける財産分与とは別に、扶養的な財産分与が請求されることもあります。
どのような理由から扶養的な財産分与が認められるか、その理屈上の根拠が確定しているわけではありませんが、裁判例上は、一定の状況で一定の期間、扶養的な財産分与が認められる場合もあります。
約3年
依頼者:男性(元夫) 60代
相手方:女性(元妻) 60代
Aさんは、かなり前に別居し、ようやく離婚が成立したところで、離婚後になって元配偶者から財産分与を請求されました。
別居の時点がかなり前であったことから、別居時を財産分与の基準時点とすることで合意しましたが、基準時点の預金額の資料が取得できないなどの問題があり、また子供名義の財産が財産分与の対象になるか等の様々な論点が発生しました。
最終的には、元配偶者の財産を、裁判所の調査嘱託によって発見し、両当事者の財産額が概ね同じくらいであったことから、財産分与をしないという審判になりました。
約2年半
財産分与をする場合、一般的には別居時点を基準時点とすることが多いようです。
この場合、別居からかなり時間が経ってから離婚をすると、別居時点の財産の資料が取得できなくなっている場合がありますので、注意が必要でしょう。
依頼者:女性(妻) 30代
相手方:男性(夫) 30代
依頼者は、2年ほど前に離婚しましたが、財産分与をしていなかったため、時効完成前に元夫に対し、財産分与を請求するため、当事務所に相談にいらっしゃいました。
時効が迫っていたことから、内容証明を送付して時効の完成を猶予したうえで、交渉を開始しました。
ただ、年金分割を行うことも視野に入れていたため、離婚から2年が経過する前に合意が成立しなければ、財産分与と年金分割の調停を申し立てることを決めていました。
交渉では、双方が財産を開示したうえで、短期間のうちに協議を重ね、結果としては、依頼者側の希望に沿った内容で合意することができました。
1か月間
本件では、特に相手方が協議での解決を強く希望していたため、依頼者に有利なかたちで短期間で解決できたと思っています。
依頼者:男性(元夫) 50代
相手方:女性(元妻) 50代
依頼者は、相手方に対して離婚調停を申立てましたが、財産分与についての話し合いが難航し調停が長期化したため、離婚することだけを優先して調停を成立させ、財産分与については、別途審判を申立てて解決を図ることにしました。
本件では、まず管轄の問題がありました。
相手方が離婚成立時点で他の管轄地に引っ越していたため、財産分与の調停であれば相手方の住所地が管轄となりますし、財産分与の審判であれば、依頼者の住所地を管轄とすることができました。
この点、依頼者の住所地を管轄とした方が何かと便利ですし、早期解決を図るためにも、調停ではなく最初から審判で扱ってもらうよう上申し、認めてもらうことができました。
また、本件は妻が家計を管理していたため、妻側に財産を開示してもらう必要がありましたが、妻側が財産の開示を拒んだため、調査嘱託により、多くの財産を開示させました。
しかし、財産がある程度明らかになっても、妻がほぼすべての財産について特有の主張をしました。
そのため、当方は、相手方の主張の一つ一つについて、矛盾点を指摘し、共有財産であることを主張していきました。
その結果、妻から夫に対し、予想を上回る額での財産の分与を命じる審判が出されました。
かかる審判に対しては、妻が即時抗告し、高裁のなかでも特有財産性が争いとなりました。
当方は、高裁でも相手方の主張一つ一つについて、矛盾点を指摘していきました。
結果として、高裁では、さらに原審を大きく上回る額での分与額が認められました。
3年間
相手方の主張を事細かに分析して、反論したことが功を奏したと感じています。
また、分かりやすい書面を心がけたことが、裁判官にも好印象を与えたと感じています。
依頼者:Aさん(夫・男性)
相手方:元妻
Aさんは、配偶者に頼まれて、配偶者の親の土地の上に、住宅ローンを組んで自宅を建てました。
しかし、Aさんと配偶者の仲が悪くなり、Aさんは自宅を出て別居することになりましたが、住宅ローンはそのまま支払い続けることになりました。
そうこうしているうちに、配偶者は、Aさんに対して婚姻費用分担調停を申し立てましたので、その対応と財産関係の整理のため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんの希望は、離婚して財産関係をすっきりさせることでしたので、当事務所では、婚姻費用調停に対して離婚調停を申し立て、離婚や財産の整理を求めました。
配偶者が多額の金銭請求をしたことから、話し合いが困難となり、婚姻費用調停を継続させつつ、離婚調停だけ不成立にして、離婚訴訟を提起しました。
結局、最終的には、配偶者に自宅の名義を変更し、住宅ローンは配偶者が支払うこととして、Aさんから配偶者に多少の解決金を支払うことで解決しました。
約1年間
配偶者の親や親族の所有する土地の上に、夫婦の一方が住宅ローンを借りて自宅を建てることは、よく行われています。
このような状態で夫婦の仲が悪くなりますと、自宅を建てた方(土地の所有者と血縁のない方)が家から出ていくこともよくあります。
このような場合、住宅ローンを貸した金融機関との関係では、自宅から出て行ってもローン返済の義務が残りますので、資金面で注意が必要です。
また、建物の所有者と土地の所有者が異なる場合には、不動産を誰がどのように取得するかなど、解決にかなり難航したり、解決しないこともありますので、この点も注意が必要です。
依頼者:Aさん(夫・男性)
相手方:元妻
Aさんは、養育費を公正証書で取り決め、離婚しましたが、離婚後、妻との間で口頭で養育費減額の合意をしていました。
しかし、それを書面化していませんでした。何年かしてから急に、元妻から養育費の未払いがあると言って、公正証書を使ってAさんの給与を差し押さえてきました。
そのためAさんは、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
当事務所では、相手が差し押さえをしている以上、話し合いで解決することは困難だと考え、請求異議の裁判を速やかに提起し、差し押さえ金額が増加してきた段階で不当利得返還請求に切り替え、訴訟を継続しました。
本人尋問まで行った結果、裁判官から口頭での養育費減額があったと言う心証が開示されましたので、最終的には差押えを取り下げ、養育費は減額後の合意どおり支払うという和解ができました。
約1年間
養育費を公正証書で取り決めた場合、いきなり給与の差し押さえなどの強制執行手続きをされることがあります。
養育費の減額を口頭で約束したとしても、それを後で証明できるかは何とも言えないところがありますので、減額する際にはきちんと記録の残る方法で減額を取り決めた方がいいでしょう。
依頼者:Aさん(妻 会社員)
相手方:Bさん(夫 会社員)
子供:長女(20代)、次女(20代)
婚姻期間:30年
Aさんは、裁判で配偶者と離婚しましたが、離婚が成立した後で、元配偶者から財産分与の調停を申し立てられ、対応のご相談にいらっしゃいました。
自宅が共有財産ではなく特有財産(元配偶者の受け取った遺産)であったため、居住の問題もあわせて解決するよう交渉し、一定の財産分与と引き換えに一定期間、自宅に居住する権利を確認して、解決しました。
約2年間
離婚すると財産分与があわせて問題になることがあります。。
財産分与は離婚してから2年間が時効であるため、何らかの事情で離婚の際に財産分与も一緒に解決できなかった場合には、離婚後しばらくしてから財産分与を請求される可能性もあります。
例えば、離婚訴訟で、一方が離婚を拒否していた場合、判決で離婚が認められることがありますが、財産分与が争点になっていなければその裁判では判断されず、財産分与が後に残ってしまう場合があります。
依頼者:Aさん(夫・男性)
相手方:Bさん(妻・女性)
Aさんは、離婚した際に公正証書で子の養育費を取り決めていましたが、転職による減収で支払いが難しくなったため、元配偶者に養育費の減額を相談しました。
しかし、減額について話ができなかったことから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
養育費の減額について、当事者間の話ができない場合、早めに減額調停を申し立てた方がいいことから、調停を申し立て、並行して話し合いを試みました。
当初に取り決めた養育費額が、標準的な金額より高額であったこともあり、話し合いがつかず、最終的には裁判所の決定で、Aさんの減収、元配偶者の収入の増加、当初の養育費額といった要素を考慮し、養育費額がある程度減額されることになりました。
約1年間
一度取り決めた養育費も、収入の増減といった事情の変更があれば、増減額が認められることがあります。
話し合いをすることも考えられますが、一般的な考えでは、裁判所に調停を申し立てた時点から変更されると解釈されていますので、養育費の増減額を求める場合には、早めに調停を申し立てた方が無難な場合もあります。
依頼者:Aさん(夫・50代男性)
相手方:Bさん(妻・40代女性)
子ども:小学生2人
Aさんは、妻との離婚を希望して弊所にご相談にいらっしゃいました。
Aさんは、妻が高圧的なため、当事者間での話し合いが困難とのことで、弊所に離婚協議の代理をご依頼されました。
本件では、住宅ローンが残った自宅があり、その評価が問題となりました。別居後、かかる自宅に妻と子らが居住しており、自宅を取得することを希望している妻側としては、自宅の評価を低くした方が有利なため、露骨に低く評価した査定書を提出してきました。
そのため、当方は、かかる査定書の問題点を指摘し、当方が考える適正な評価額を主張しました。
自宅の評価については、双方の意見が完全に一致することはありませんでしたが、相手方も歩み寄り、他の財産も併せて調整することで、全体として合意に至ることができました。
不動産の評価が問題となる事案で、業者に低めもしくは高めに査定書を作成してもらい、その査定書を検証することなくそのまま提出してくるケースが見受けられます。
しかしそういった極端な評価をした査定書は、かえって信用性を失い不利益な結果となることがありますので注意が必要だということを改めて感じた事案でした。
9か月
依頼者:男性 Mさん 会社員
相手方:元妻
Mさんは、妻との関係が悪くなって別居しました。その後、離婚することになりましたが、離婚する時点では財産分与に関して取り決めをしませんでした。
離婚した後、元妻から財産分与の調停を申し立てられ、裁判所から呼出状が届いたため、当事務所に相談にいらっしゃいました。
調停では、裁判所から、まずは別居した時点の財産の資料を提出して、別居時点の財産を記載した目録を作成してほしいと指示されました。
しかし、Mさんは、結婚前の仕事で一定の預貯金があり、結婚前の預貯金の相当部分が、結婚後の生命保険の保険料に支払われていたり、生活費に支払われていました。
そこで、結婚前の預貯金は、別居時点の預貯金額から差し引いて差額のみ分与対象とすべきと主張したり、結婚時の預貯金から保険料を支払った生命保険の返戻金は分与対象とすべきではないと主張したり、結婚時点の預貯金を同居中の生活費に使った部分は分与対象額から控除すべきと主張するなど、様々な主張をしました。
元妻は、このような主張を全く認めなかったことから、調停での話はつかず、審判を経て即時抗告まで争い、結果としては、一定範囲でMさんの主張が認められ、元妻の請求額からは大きく減額された額で決定されました。
財産分与は、離婚の際に取り決めなければ、離婚から2年間は請求することができます。そのため、離婚してもいきなり財産分与を求められることがありますので、注意が必要です。
また、財産分与は、一般的に、離婚前に別居している際には、別居時点に存在した財産を基準にすることが多いと思われます。
結婚前からある財産があれば、その分は対象から外れるという主張をしなければ、別居時点の財産で判断されることになる可能性が高く、難しい立証活動をしなければならない場合が少なくないでしょう。
2年
依頼者:男性 30代男性 Aさん 会社員
相手方:女性 30代女性
子ども:2人(相手方と同居)
Aさんは3年前に相手方と調停離婚し、お子さまたちの養育費として一人当たり月2.5万円を支払っていました。しかし、転職に伴い、取り決め時より年収が大幅に減ったことから、養育費減額のご相談にいらっしゃいました。
受任後、相手方の戸籍を調べたところ、相手方が離婚後まもなく再婚し、再婚相手とお子さまたちが養子縁組を組まれたことが判明しました。これを理由に、養育費の支払免除を求めて、家庭裁判所に養育費減額調停を申し立てることにしました。もっとも、相手方はAさんに現在の住所を知られないよう、相手方が支援措置を申し出ており、職権によっても相手方の住所地は開示されなかったため、初動は難航しました。
このままでは、調停の場で話し合いをすることができません。そこで、裁判所と市役所と協議した結果、以下のような取り扱いとしました。
このようにすることで、相手方の住所をAさんに知られることなく、かつ、Aさんの調停を申し立てる権利も保障されることになります。
結局、遠方の裁判所が管轄となり、無事相手方に調停申立書が届けられ、調停を行うことができました。遠方だったため、電話会議で調停が行われました。調停自体は一回で成立し、過去の判例にしたがい、養育費は0円に減額されました。
支援措置は、本来であれば(元)配偶者からのDV等の被害から身を守るための制度であり、有益な制度であることに間違いはありません。しかし、実際にそのような危険がない場合でも、手続次第では支援措置が認められてしまう場合はあります。
本件は、支援措置を継続しなければならない場面か、疑問が残る事案でした。これにより、正当な権利主張も認められないのでは、かえって不公平を生じさせます。多くの自治体と裁判所を巻き込みながらも、最終的には希望を叶えることができました。
半年
Aさん 40代 男性 医師
妻:40代 会社員
子ども:3人
Aさんの妻は仕事で週の半分以上は県外で過ごしており、お互いに多忙な中ですれ違うことが増え、夫婦喧嘩をすることが多くなりました。
その後、妻が2人の子を連れて家を出て完全に別居状態になり、ほぼ同時に妻が代理人を立てて離婚を求めてきました。当初、Aさんが直接妻の代理人と交渉していましたが、交渉が難航してきたことから、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
受任時点で妻には代理人がついていましたので、Aさんと相談してこちらの希望をまとめ交渉しました。
当初、妻は多額の財産分与を求めてきましたが、Aさんの財産を整理していくと、妻が思っているような財産はなさそうでしたので、離婚を円滑にかつ素早く行うために、現在の財産についてはそれぞれの名義に帰属させたままとする形で合意が成立しました。
また、3人のお子さんについては、別居時点で上の子がAさん、下の子たちは妻のもとで生活をしていましたので、それを維持して親権をとりきめたうえで、Aさんが養育費を支払うことで合意し、協議離婚が成立しました
本件のように時間をかけて財産開示をしても十分な財産分与が見込めない事案では、離婚を優先させるのであれば厳格に財産開示をせずに早期に終了させるというのも手です。
本件は、妻としては財産よりもとにかく離婚したいという気持ちが強い事案でしたので、かかる手段が有効だったと思います。
半年
Cさん 30代 男性 会社員
元妻:30代 職業不明
婚姻期間:5~10年
子ども:2人(未成年)
Cさんは、協議離婚の際に面会交流の条件を取り決め、約1年間、子どもと面会交流を行っていました。 しかし、元妻が再婚後、面会交流を拒否するようになり、話し合いに応じなくなったため、ご相談にいらっしゃいました。
元妻の現在の戸籍と住所を調査し、面会交流調停を申し立てました。
元妻は当初、再婚相手との新しい家庭を築くために、子どもの写真を送るといった間接的面会交流を希望してきましたが、子の福祉と利益のために、直接的面会交流は行われることになりました。
期日間に試行的面会交流を行いながら、調停で条件について話し合いを行いました。
結果として、面会交流の頻度、時間、受渡場所、連絡方法、およびプレゼントの頻度などを具体的に取り決め、調停が成立しました。
親権者となった親が再婚したことをきっかけに面会交流を拒否されるケースはまま見られます。しかし、子どもにとっては、同居する養父が父親であると同時に、実父も大切な父親です。本件でも、子どもたちはもともと実父との面会を楽しんでおり、試行的面会交流でCさんと再会したときもとても喜んでいました。調停を通じて、面会交流が子供たちのためのものでもあることを元妻に認識させることができたのが良かったと思います。
1年
Aさん 女性 会社員
Aさんは、夫の親との対立、子育てに対する夫の非協力などから、結婚生活に耐えられなくなり、離婚を考え、ご相談にいらっしゃいました。
離婚調停を申し立て、子どもを連れて別居を開始しました。
調停で話し合いを進める中で、夫も離婚に合意することとなりました。
結果として、未成年者の親権者をAさんとすること、養育費として、相当額に加えて子どもが専門学校を卒業するまでの学費を考慮した金額を夫が支払うこと、相当額の財産分与を夫が支払うこと、年金分割の按分割合を0.5とすることで合意し、調停離婚が成立しました。
調停中、夫の態度が二転三転し、調停委員から調停の取下げを提案されるなど、なかなかうまく進まない場面もありましたが、具体的な条件を提示し、今離婚した方が思わせることで調停を成立させることができました。本件のように相手方が離婚に難色を示す場合、調停の取下げを勧められることがありますが、安易に取り下げるのではなく、毅然とした対応が必要です。
1年2か月
Aさん 男性
Aさんは、妻と離婚したのですが、離婚することしか決まらず、その他の問題は未解決のままでした。離婚後、元妻から財産分与調停を起こされたため、当事務所にご相談にいらっしゃいました。
事前に財産内容や財産を形成した経過を確認し、資料をそろえた上で調停に臨み、Aさんの自宅の土地を相続によって取得したことと、建物部分にはローンが多く残っていること、元妻には貯蓄型の保険があること等を主張し、財産分与するものがない等の主張をしたところ、財産分与を相互に請求しないという内容での調停が成立しました。
離婚の際に決める必要がある事柄は、未成年の子がいる場合の親権者のみです。逆に言えば、財産分与や慰謝料、養育費などは、離婚と同時に決めることも可能ですが、決めずに離婚だけすることも可能です。代理人を入れずに夫婦で直接話し合って協議離婚をする場合に、離婚の条件は決めず、離婚だけすることもあると思われます。
そういった場合には、離婚後一定期間内であれば、財産分与等を別途決めることも可能です。しかし、資料の準備などが大変になりますので、この点は注意が必要です。
約3か月
Aさん 40代 女性 会社員
元夫:40代 会社員
婚姻期間 6年
子ども:2人
Aさんは、13年位前に、養育費の取り決めを公正証書に作成して、協議離婚をしました。
元夫からの養育費の支払いは3~4年はありましたが、一度支払いが止まってしまいました。連絡を取って、支払いをお願いしたところ、一旦は支払いがありましたが、そのうち連絡が取れなくなってしまいました。
この間に元夫が自己破産をしたことがわかりました。
元夫の連絡先がわからず、どのようにしたら養育費を払ってもらえるか、ご相談にいらっしゃいました。
元夫の住所を明らかにすることから始まります。
幸いにも元夫の就業先は把握しています。
元夫に公正証書を送達し、その送達証明を付けて、強制執行の申立をしました。
その後、3年に渡り、元夫の勤務先から養育費分の支払いを受けることができ、自己破産前に発生している分も含めて請求していた全額を回収することができました。
この事件のように、請求債権が全額回収できることは一般的にはなかなか困難です。相手方も転職してしまえば、転職先の給与に対して、新たに強制執行の申立をしなければ回収することができなくなります。転職先を探し出すことは時間も要しますし、大変な作業です。今回は、幸いにも元夫が3年間転職しなかったので、回収ができた事件でした。
約3年4か月
Dさん 40代 男性 会社員
元妻:40代 パート・無職
婚姻期間 10~15年
子ども:2人(未成年)
Dさんは、妻から離婚調停を申し立てられ、財産分与、慰謝料、面会交流以外の調停が成立し、離婚しました。
財産分与について、お互いの主張が対立したため、財産分与調停が別途申し立てられましたが、不成立で審判に移行したため、ご相談にいらっしゃいました。
妻の特有財産と主張する預貯金が共有財産であること、Dさんの預貯金の基準日を別居時残高とすることを主張し、不動産の見積り、自動車の査定額を立証しました。
結果として、審判手続内で、要求額よりも大幅に減額された財産分与をDさんが行うことで合意し、解決しました。
約4か月
Eさん 40代 男性 会社員
妻:40代 パート・無職
婚姻期間 20~25年
子ども:2人
Eさんは、財産分与と養育費の取り決めをしないまま、協議離婚をしましたが、妻や子どもとまだ同居していました。
妻の代理人弁護士から、財産分与と養育費の条件が提示されたため、ご相談にいらっしゃいました。
共有財産である不動産からEさんが退去すること、不動産を妻が取得する代わりに妻から財産分与を行うことなどを、妻の代理人は提示してきました。
しかし、不動産の時価から、ローン残額、リフォーム代、売却時諸費用、妻の親族からの贈与分を差し引くと、分与額は数千円であるという主張でした。
双方の代理人が離婚条件の交渉を行いました。
結果として、早期解決のための減額はあったものの、相当額の財産分与を一括で支払ってもらうこと、算定基準額よりも減額された養育費をEさんが支払うことで、合意書を作成し解決しました。
妻の代理人が当初提示した離婚条件が法律的に通らないということを指摘することによって、妻側提示の条件が改善され、最終的に良い解決ができました。もし、Eさんに代理人がつかなかったら、Eさんにとって不利な結論になったと思われます。
双方の代理人が2~3日に1回程度電話連絡をし合い、早期解決のためには、迅速な対応が極めて重要であるということを改めて感じました。
約3か月
Dさん 女性 20代 会社員
夫: 30代 会社員
婚姻期間 約1年
子ども:1人
Dさんは結婚以来、夫のEさんが浪費に頭を悩ませていました。Dさんは貯蓄の案を出すなどして改善に努力しましたがEさんは浪費を止めませんでした。
それどころか、生活費に困ったDさんは両親に生活費の援助をしてもらい、出産費用も全て負担するに至り、将来に対する不安は決定的なものとなり、Dさんは離婚を決意して生後間もない子供と共に自宅を出て別居を開始しました。
別居後の話し合いの結果、Eさんが離婚届に署名したため、Dさんは速やかに離婚を届け出ました。しかしその後、Eさんが代理人をつけて、養育費及び面会交流の協議を求めてきた為、Dさんは解決のためにご相談に来られました。
Dさんからの依頼を受けて、当事務所はEさんが依頼した代理人弁護士と交渉を開始しました。
養育費についてEさんは当初、毎月2万円もしくは一括400万円を支払うと提示していましたが交渉の結果、毎月4万円に増額することができました。
また面会交流の条件についても、基本的にDさんの付き添いの下での面会とする等Dさんの希望に大筋で沿った条件で合意がまとまり、「養育費及び面会交流に関する協議書」を作成し、その後公正証書も作成して解決終了いたしました。
本件は生まれたばかりのお子さんが女の子であったため、父親のEさんとの面会条件について、母親であるDさんの付き添いを条件とするDさんの強い要望がありました。そのため3歳以降の面会交流では、Dさんの付き添いを拒むEさんとの条件交渉のために、弊所弁護士は相手方代理人と何度も協議を行いました。
面会交流の調停等裁判手続きは、調査官の調査が入ることから解決までに時間がかかるケースが多く、親子共々負担となります。本件が交渉で解決できて大変良かったと思います。
約6か月
Cさん 30代 男性 会社員
妻:30代 パート
婚姻期間:5~10年(別居期間3年)
子ども:1人
Cさんと妻は、以前から同居と別居を繰り返していました。
別居期間が3年近くなり、離婚の話も始まりましたが、Cさん名義のマンションのローンや養育費などの問題で双方の要望がかみ合わなかったため、ご相談にいらっしゃいました。
Cさんが住宅ローンを支払うマンションに妻と子が住んでいたため、生活費からの交渉になりましたが、ローンの支払いを考慮した生活費額で取り決めをしました。
また、離婚の際には養育費の額とマンションをどうするかが問題になりましたが、公正証書で取り決めることと引き換えに低めの養育費額で取り決め、マンションも妻が残ローンを負担した上、マンションの名義を変更する代わりに代償金をCさんに支払うとの合意ができ、比較的速やかに協議離婚で解決しました。
6か月
Bさん 30代 男性 会社員
妻:20代 パート
婚姻期間10~15年
子ども:2人
妻は子どもが生まれて間もなく育児を放棄し、Bさんが仕事をやめて育児をする期間もありました。
妻が子どもに暴言・暴力をふるうため、子どもは2人とも精神状態が不安定になりました。
さらに、妻が家庭を放棄したことにより、子どもの親権者をBさんとして離婚しました。
離婚後、突然、妻が代理人をつけて面会交流調停及び親権者変更調停を申し立ててきたため、ご相談にいらっしゃいました。
Bさんは、妻の虐待により妻との面会が子どものストレスになるとして、面会交流と親権者変更を拒みました。
妻側は虐待ではなく躾だったと主張し、双方の意見のくい違いが大きく、歩み寄りが難しい状態となり、調停が不成立となりました。
調査官調査を裁判所に求めたり、調査に立ち会うなどして、調査をした結果、妻による暴言・暴力の存在が認められ、離婚後は子どもたちも精神的に落ち着いてきたことが調査結果として出され、結果として、親権者変更の申し立ては却下されました。
また、面会交流についても、子どもの福祉に反するものとして認められず、直接の面会交流や、妻から子どもへの連絡は認められませんでした。
1年1か月
Aさん 40代 女性 パート
夫:40代 会社役員
婚姻期間:15~20年
子ども:なし
Aさんは家庭内別居の状態だった夫からの要求で離婚しましたが、慰謝料はなく、貯金の半分と車1台の使用権を取得しました。
夫婦の実質共有財産がほかにもあるはずとのことで、財産分与および年金分割に関するご相談をお受けしました。
夫にも代理人弁護士がつき、財産を開示され、離婚協議書を作成しました。
交渉の結果として、Aさんの要求に近い金額を財産分与として夫から受け取ることができ、車の名義変更、年金分割が行われました。
6か月
離婚をするにあたり、また離婚した後も、未成年の子どもに関することは重要な問題です。
親権は父、母のいずれに決めるか
面会交流の方法、頻度、連絡方法をどのように決めるか
ただでさえ、夫婦の関係がよくないため離婚する(した)わけで、双方が勝手な意見を言い合ってしまうものです。
子どもが健やかな成長を遂げるために、できるだけ悪影響を与えまいとするのが子の福祉における基本的な考えです。
つまり、子どもにとって不利益とならないように、父と母は配慮し話合いをするべきです。
また、子どもは、父と母の話合いに対して、自分の意見を表明して、手続きに参加する権利があります。
父親、母親どちらかに対しても、目の前にしている親を立てた思いや考えを話すのが子どもです。
調停になった場合、裁判所は、子どもの思いや考えを聞く機会を設け、調査官調査を行います。
「調査官」という中立な立場の職員が、親抜きで子どもに実際はどう思っているか話を聞きます。
それだけでは十分ではない場合もあります。
子どもがほんとうはどう思っているのか、ある程度の年齢になれば、自分の考えをもっと聞いてほしいと思うのではないでしょうか。
こんな事例がありました。
面会交流調停において、監護している親の代理人が、子どもの年齢等を考慮し、子どものために子どもの手続き代理人選任を提案しました。
その提案に、非監護(監護していない)親の代理人も了承したため、裁判所は、子どもをこの面会交流調停に職権参加させ、国選の手続き代理人を選任しました。
これにより、子どもの意見や気持ちを家庭裁判所の手続きの中に届けることができました。
また、別の事例です。
親権者宅で生活していたのですが、そこの家を出て非親権者宅で生活していた子ども自ら、弁護士会の子ども相談窓口に電話をかけてきました。
「現在、親権者変更の審判をしていて、調査官調査の調査官に自分の気持ちを伝えたが、心配なので、自分にできることはないか。」 という相談でした。
その話を聞いた担当弁護士は、私選の子どもの手続き代理人として、この親権者変更の審判に利害関係参加許可を申立て、許可されました。
子どもの意見や気持ちを掬い取ることができ、子どもにとって良い結果になったのではないでしょうか。
参考までに
離婚調停で面会方法が成立調書の中に定められました。
しばらくは定められた面会交流を実施しました。
しかし、ある時点から実施されなくなり、母側から、面会交流調停を起こされました。
このケースは面会をなくしたい調停です。
父母の離婚調停において、調査官の調査を受けた中学生の子どもが、自ら弁護士による相談窓口に電話をかけて、 担当した弁護士に、不安な気持ちや進路について、打ち明けたそうです。
この弁護士を、「子の手続き代理人」に選任し、父母の離婚調停に利害関係人として参加許可の申立てを行いました。
子どもの意見や気持ちを家庭裁判所の手続の中で届けることにより、子どもに寄り添った結果を導き出すことができるのでしょう。
家庭裁判所では、離婚するときに未成年の子どもについて、 子どもの親権者を父母のどちらかに決めるか、 別居している親と子どもの面会に関する条件をどう決めるか、 などの手続が行われています。
これらの手続は父母の間で取り決められますが、決められたことは子どもにとって大きな影響を与えることになります。
そのため、子ども自身が「自分の意見を聞いてほしい。」と思うこともあるでしょう。
また、子どもと一緒に暮らしていない親からすると、「子どもがどう思っているのか?」、「子どもの本心を知りたい。」と思うこともあるでしょう。
一方、子どもと一緒に暮らしている親からすると、「子どもが自分に気兼ねして本当の気持ちを話せていないのではないか?」、あるいは、「子どもは本心を話しているのに、 相手に信じてもらえないのではないか?」など、不安に思うこともあるでしょう。
そのようなとき、子どもが家庭裁判所の手続に参加でき、子どものための代理人弁護士を選んでもらうことができる「子どもの手続代理人」という制度があります。
子どもの手続代理人は、父母どちらの味方でもなく、あくまでも子どもだけの代理人として、子どもに寄り添って、子どもの意見や気持ちを家庭裁判所の手続の中で届けます。
子どもは、父母が何についてどのような手続をしているのかよく分からないまま、不安に感じていることも多くあります。子どもの手続代理人は、父母が行っている手続の内容や、 子どもが手続に参加するに当たって必要な情報、子どもの生活に関する情報を、子どもに分かりやすい言葉で説明し、子どもの相談に乗ったり、子どもに寄り添いながら一緒に考えたりします。
その上で、子どもの意見や気持ちを家庭裁判所の手続の中で届けます。
このように、子どもの手続代理人は、子どもが手続に参加して自分の意見を表明する権利(子どもの意見表明権、子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)12条)を守り、 実現するお手伝いをします。
<参考>
※ 外務省の「児童の権利に関する条約」全文のページはこちら
子どもの手続代理人は、具体的には、次のような活動を行います。
子どもと面談して、子どものことをよく知り、子どもの疑問に丁寧に答えて、子どもが自分の意見を伝えやすい関係を作ります。
子どもが自分の意見を決めたら、書面などで裁判所に伝えるとともに、家庭裁判所の手続期日に出席して、必要に応じて子どもの意見を説明します。
子どもの気持ちを尊重しつつ、これまでの家庭裁判所の手続の経過を踏まえて、子どもの手続代理人から、子どもの利益を中心とした調停案を提案することもあります。
家庭裁判所の手続が行われた後には、子どもにその内容を分かりやすく説明し、子どもの疑問にも答えます。
こうした活動に当たっては、父母に協力をお願いする場合もあります。
子どもの手続代理人を担当した弁護士の費用(報酬)は、多くの場合、子どもは支払うことができないので、父母が支払うこととされています。
家庭裁判所の手続が終了したら、裁判所が子どもの手続代理人の報酬額を決定しますので、裁判所の決定に従って父母が報酬を支払うことになります。
父母が経済的理由から費用を負担することが難しい場合は、子どもが日本弁護士連合会(日弁連)の「子どもに対する法律援助」を利用することもできます。「子どもに対する法律援助」を利用した場合、子どもは費用を負担する必要がありません。
<参考>
日弁連の「法律援助事業」のページへのこちら (「子どもに対する法律援助」は、日弁連の「法律援助事業」の一つです。)現在、家庭裁判所で離婚、面会交流などの手続をされていて、子どもの手続代理人が必要かもしれないとお考えの方は、手続を依頼している代理人弁護士がいれば、 その弁護士にご相談ください。
依頼している代理人弁護士がいないなど、相談する弁護士がいない場合は、愛知県弁護士会 法律相談センターが実施している子どもの人権相談でご相談ください (相談料は無料です。相談方法など、詳しくは、リンク先をご覧ください。)。
事務所外観
より良いサービスのご提供のため、離婚相談の取扱案件の対応エリアを、下記の地域に限らせて頂きます。
愛知県西部(名古屋市千種区,東区,北区,西区,中村区,中区,昭和区,瑞穂区,熱田区,中川区,港区,南区,守山区,緑区,名東区,天白区,豊明市,日進市,清須市,北名古屋市,西春日井郡(豊山町),愛知郡(東郷町),春日井市,小牧市,瀬戸市,尾張旭市,長久手市,津島市,愛西市,弥富市,あま市,海部郡(大治町
蟹江町 飛島村),一宮市,稲沢市,犬山市,江南市,岩倉市,丹羽郡(大口町 扶桑町),半田市,常滑市,東海市,大府市,知多市,知多郡(阿久比町 東浦町 南知多町 美浜町 武豊町))
愛知県中部(豊田市,みよし市,岡崎市,額田郡(幸田町),安城市,碧南市,刈谷市,西尾市,知立市,高浜市)
愛知県東部(豊橋市,豊川市,蒲郡市,田原市,新城市,北設楽郡(設楽町 東栄町 豊根村))
岐阜県南部(岐阜市,関市,美濃市,羽島市,羽島郡(岐南町,笠松町),各務原市,山県市,瑞穂市,本巣市,本巣郡(北方町),多治見市,瑞浪市,土岐市,大垣市,海津市,養老郡(養老町),不破郡(垂井町
関ヶ原町),安八郡(神戸町 輪之内町 安八町),揖斐郡(揖斐川町 大野町 池田町),恵那市,中津川市,美濃加茂市,可児市,加茂郡(坂祝町 富加町 川辺町 七宗町 八百津町 白川町 東白川村),可児郡(御嵩町))
三重県北部(四日市市,三重郡(菰野町 朝日町 川越町),桑名市,いなべ市,桑名郡(木曽岬町),員弁郡(東員町))
三重県中部(津市,亀山市,鈴鹿市)
静岡県西部(浜松市,磐田市,袋井市,湖西市)
令和6年1月22日に名古屋家庭裁判所にて婚姻費用分担審判申立事件について審判が出ました。
令和6年1月22日に名古屋家庭裁判所岡崎支部にて婚姻費用分担調停申立事件について調停が成立しました。
令和6年1月24日に名古屋家庭裁判所にて婚姻費用分担調停申立事件について調停が成立しました。
令和6年1月25日に名古屋家庭裁判所半田支部にて執行官に子の引渡しを実施させる決定申立事件について決定が出ました。
令和6年1月25日に岐阜家庭裁判所にて婚姻費用分担調停申立事件について調停が成立しました。
令和6年1月31日に名古屋高等裁判所にて強制執行停止申立事件(特別抗告提起事件)について決定が出ました。
令和6年1月31日に名古屋高等裁判所にて強制執行停止申立事件(抗告棄却申立事件)について決定が出ました。
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