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弁護士法人 名古屋総合法律事務所

離婚後の財産分与

フロー

※離婚事件 財産分与実務処理マニュアル(新日本法規出版株式会社)117項から引用

離婚後でも2年以内なら財産分与を請求することはできます

メモを取る女性

調停・審判による財産分与の請求は、離婚時から2年以内にしなければ、その権利が消滅します(民法768条2項但書)。
この離婚時から2年という期間は、時効期間ではなく、除斥期間であると理解されています(仙台家審平16.10.1)。
除斥期間は、時効期間とは異なり、請求等による中断(民法147条)の制度はありませんので、注意が必要です。
なお、離婚時から2年以内に財産分与の調停・審判等を申し立てていれば、調停成立・審判確定時に離婚時から2年を経過していたとしても財産分与は可能です。
※ 除斥期間(じょせききかん)とは、一定期間権利を行使しないことにより,その権利を失うことになる期間をいいます。

離婚後の財産分与は協議、調停・審判で行います

(1)離婚後の協議による財産分与
離婚後の協議による財産分与については、基本的に離婚と同時に行う財産分与の場合と異なるところはありません。

(2)離婚後の調停・審判による財産分与
前述のように離婚後の調停・審判による財産分与は離婚後2年以内に行う必要があります。
いきなり審判を申し立てることは可能ですが、通常、裁判所の職権により調停に付されることが多いので、まずは調停を申し立てましょう。
調停が不成立となれば、調停の申立時において審判の申立のあったものとみなされて、事件は自動的に審判に移行します(家事事件手続法272条4項)ので、改めて審判を申し立てる必要はありません。

離婚後の財産分与についてQ&A方式で具体的な事例をご紹介します

Q. 離婚後、元夫に対し財産分与を請求する内容証明を送りましたが、そのまま何もせずにいたら離婚から2年が経過してしまいました。このような場合、財産分与請求は可能でしょうか。

A. 上述のとおり、財産分与請求権は離婚時から2年の除斥期間の経過により消滅します。
そして、除斥期間には時効のような中断措置は認められませんので、仮に元夫に対して離婚時から2年を経過する6か月より前に内容証明により催告していたとしても離婚時から2年の経過により、あなたの財産分与請求権は消滅していまい、もはや元夫に財産分を請求することはできません。
但し、当事者間での合意による財産分与には期間制限はありませんから、元夫が任意で財産分与の求めに応じてくれるのであれば、財産分与は可能ですが、現実的は難しいと思われます。

Q. 離婚しましたが財産分与をしていません。離婚時に離婚協議書を作成していますが、財産分与については何も記載されていません。元夫に対し、財産分与を請求できますか。

はてな女性

A.基本的には、離婚時から2年以内であれば、財産分与を請求することができます。もっとも、協議離婚書において「本協議書で定めるほか、今後名義の如何を問わず金銭その他一切の財産上の請求をしない」などの清算条項が記載されていた場合には、当該清算条項から財産分与を除外する旨の記載がない限り、財産分与を請求することは難しいです。

Q. 離婚後、除斥期間が経過してから、相手方が財産を隠していたことが分かりました。このような場合にも、もはや財産分与請求はできませんか。

A. 財産分与の対象となるべき財産を隠すことにより相手方配偶者の財産権を侵害する行為は不法行為となりますから、財産分与請求とは別に加害者である相手方配偶者に対して損害相当額の賠償金の支払を求めることができます。
この損害賠償請求は財産分与請求ではありませんから、財産分与請求権の除斥期間経過後でも可能です(浦和地方裁判所川越支部平成元年9月13日判決)。

Q. 元妻との協議により財産分与として不動産を譲渡したら後に税務署からビックリするような税金の負担を求められました。課税のことを知っていれば財産分与することはなかったのですが、既に離婚から2年経過してしまっています。改めて財産分与の手続をやり直すことはできますか?

A. まず、基本的に、財産分与としての財産譲渡に関する課税負担について知らなかったことを理由として、財産分与の合意を無効とすることはできません。
しかしながら、事案の内容によっては、例外的に錯誤による無効が認められることもあります。
その場合には、民法161条の類推適用により、錯誤無効確定時まで時効の停止が認められ、除斥期間経過後でも改めて財産分与を請求することは可能です(東京高等裁判所平成3年3月14日判決)。

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